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約6割は職場のデジタル化「遅れている」と認識【職場環境・デジタル化の実態に関する調査】

2024.03.29

セキュリティ機器の専門メーカーTOA株式会社は、全国の20~50代の働く男女を対象に「職場環境・デジタル化の実態に関する調査」を実施。デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)への理解度や、勤めている職場でのデジタル化の実態、デジタル化が進むことでの悩みなどを明らかにした。ここでは調査結果の概要をお伝えする。

約3割がDXを「全く知らない」DXが推進されていない職場は半数以上

約3割がDXを「全く知らない」DXが推進されていない職場は半数以上

本調査ではまず、DXに関する理解度を調査。その結果「理解している(18.2%)」は2割未満で理解度が低いことが明らかになった。「なんとなくわかる(21.8%)」は約2割で「言葉だけ知っている(意味は知らない)(28.0%)」は約3割となったほか、約3人に1人は「全く知らない(32.0%)」と回答している。年代別で見ると「理解している人」は20代が最多で24.8%、一番低かったのは50代で13.6%であった。

また、DXへの取り組みについて、勤めている職場での推進状況を尋ねる項目では「推進されていて、取り組んでいる(31.2%)」「推進されていない(56.2%)」との回答になっており、DXが進んでいない職場が多いことがわかる。

職場のデジタル化は「遅れている」と感じる人が半数以上

職場のデジタル化は「遅れている」と感じる人が半数以上

続いてデジタル化に関する質問では、デジタル化が「進んでいる(13.0%)」「どちらかというと進んでいる(25.2%)」と、4割近くが進んでいるとの認識を示した。一方、約6割が遅れていると認識していることが明らかに。

同社によると、デジタル化が進んでいると感じる理由としては、ペーパーレス化やリモートワーク、会議のオンライン化などの声が多く寄せられたという。遅れていると回答した人からは、経営層の理解度が十分ではないことや、まだまだペーパーレス化が進められていないこと、取引先のやり方に合わせているといった声が挙げられていた。

約8割がデジタル化にメリットはあると回答

約8割がデジタル化にメリットはあると回答

さらに本調査では、デジタル化によってどんなメリットがあると思うかを尋ねており「特に無い(20.4%)」という人を除く約8割が何かしらのメリットがあると感じていることを明らかにした。上位には「データ管理が楽(49.0%)」「情報の共有がしやすい(38.2%)「仕事のスピードが上がる(37.4%)」がランクインしている。

一方で、DXやデジタル化の流れを職場に推進され、意味のないデジタル化を求められた経験があるかとの質問には、約5人に1人が「何度もある(5.4%)」「ある(14.0%)」と回答したこともわかった。

デジタル化できていないもの「社内書類の印刷や決裁者の押印」

デジタル化できていないもの「社内書類の印刷や決裁者の押印」

本調査結果によると、デジタル化ができていないものについては「社内書類の印刷や決裁者の押印(36.2%)」が最多に。そのほか「社外向け書類の印刷や契約者などへの押印・郵送(28.2%)」「FAXの送受信(27.4%)」にも約3割の票が集まっており、ペーパーレス化が実現できていない企業もまだまだ多いことがうかがえる。

また、デジタル化によって取引先など他社とのやりとりに困った経験やギャップを感じたことがあるかとの問いには3割以上が「何度もある(11.0%)」「ある(25.4%)」と回答。

さらに、デジタル化が進むからこその悩みや困った経験についても約3割が「ある(7.0%)」「どちらかというとある(23.8%)」と回答した。

業務の音声化に関して肯定的な意見

業務の音声化に関して肯定的な意見

続いて本調査では、業務を行う上で音声化されているものについて調査。約3割の職場で何かしらが音声化されていることが明らかになっている。具体的には「お昼休憩のチャイム(お昼休憩のお知らせ)(14.2%)」「定時のチャイム(定時のお知らせ)(14.0%)」「社内のシステム・ツールの説明(8.6%)」「社内トピックス(8.6%)」など。

同社によると、音声化されていることで便利・良かったと感じたことについて「定時のチャイムがあることで帰りやすくなった」「意識が高まり残業が減った」「文字よりも音声で説明される方が分かりやすい」といった声が寄せられたという。

また、音声化されたら嬉しいものには「契約書・社内作成資料などの読み上げ(10.2%)」「必要書類や情報登録など期限のお知らせ(8.2%)」「行事・イベント(社内販売など)の案内(6.6%)」が上位にランクイン。

これらの用途を、簡単に実現できるサービスがあれば社内で使いたいかとの問いに「使いたい(20.3%)」「どちらかというと使いたい(58.8%)」と約8割が前向きな意見を示した。

調査概要

調査方法:WEBアンケート調査
調査テーマ:職場環境・デジタル化に関する調査
調査対象者:全国の20~50代のビジネスパーソン男女※ 計500名
調査期間:2024年3月5日~6日
調査主体:TOA株式会社
調査機関:株式会社ネオマーケティング
※グラフの構成比は小数点以下第2位で四捨五入しているため、合計しても100にならない場合がある
出典元:TOA株式会社

まとめ

本調査では、DXへの認知がまだまだ低い実態や、職場のデジタル化に遅れを感じている人が多いことが明らかになった。取引先や他社とのやりとりで、デジタル化による困りごとやギャップを感じている人も一定数いるようだ。また、約2割は「意味のないデジタル化」を経験したと回答しており、必ずしも従業員にとって良い形でのデジタル化が進んでいるとは言えない現状もうかがえる。

業務効率化や生産性向上に向けて、これからDXやデジタル化をより一層進めていくという企業も少なくないだろう。従業員にとって有意義な取り組みとなるよう、現在の課題やDX・デジタル化によって想定される新たな課題を明確にした上で取り組んでいくことが重要ではないだろうか。