掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

子育てしながら働く男女におけるジェンダーギャップの課題は?「育児分担の偏り」「仕事の調整格差」が明らかに Indeed Japan調査

2024.09.19

Indeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:大八木紘之)は、子育てをしながら働く男女におけるジェンダーギャップの課題を明らかにし、解消に向けた取り組みにつなげるため、「共働き子育て夫婦の働き方・キャリアにおけるジェンダーギャップ調査」を実施。正社員(もしくは正社員就業意向のある)既婚男女における、育児と仕事の両立実態を明らかにした。

調査概要

調査主体:Indeed Japan株式会社
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年8月8日〜8月9日
調査対象: 0歳~12歳までの子ども(第一子)を持つ18歳~49歳の既婚者で、第一子及び配偶者と同居しており、第一子誕生前は正社員であり、現在も正社員もしくは無職/派遣・契約社員/アルバイト・パートだが正社員として就業意向のある男女2060名(男性1030名、女性1030名)
回収方法:女性・男性それぞれ第一子年齢(0-1歳/2-3歳/4-6歳/7-9歳/10-12歳)で割付し、それぞれ206サンプルずつ回収
補正:令和2年度の国勢調査による「既婚・子あり」の性年代別構成比(18-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳)に準ずるように補正をして集計
出典元:「共働き子育て夫婦の働き方・キャリアにおけるジェンダーギャップ調査」を実施(Indeed Japan株式会社)
※構成比(%)、差分(ポイント)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、小数第1位までの計算とは数値が異なる場合がある

出産や育児で仕事や働き方を変えた男性は女性の約半数

出産や育児で仕事や働き方を変えた男性は女性の約半数

本調査結果を見ると、第一子の出産や育児をきっかけに「仕事や働き方を変えた」女性は62.3%と約3人に2人にのぼる一方で、男性は34.5%にとどまっていることがわかる。さらに、仕事や働き方を変えた人(男性328名、女性691名)のうち、男性の14.7%、女性の34.7%が不満を感じており、女性は男性の2.4倍、不満を抱えている割合が高いことが明らかになった。

また、現在子育てをしながら夫婦ともに正社員で働いている人(男性550名、女性628名。以下:正社員夫婦)において、家庭における育児分担割合は平均「夫4割弱:妻6割強」と、負担が女性に偏っている傾向にあるという。

仕事の「調整理由」と「調整内容」から見える負担の偏り

仕事の「調整理由」と「調整内容」から見える負担の偏り

続いて本調査では、子育てを理由とした仕事調整の負担について分析。仕事の調整頻度では、男女間で大きな差は見られなかったという。

一方で、「育児のために仕事の調整が必要な理由」は、男女間で大きな違いがあると報告された。子どもの体調不良による「お迎えコール」などの緊急対応で仕事を調整するのは、男性54.5%、女性71.2%で女性が多いようだ。

さらに、調整内容にも男女間で差が見られた。第一子出産後に「仕事の遅刻・早退・中抜け」や「欠勤・有給取得の頻度」が増加したのは女性が多いという結果となっている(遅刻・早退・中抜け:男性35.1%、女性62.1%/欠勤・有給:男性46.6%、女性66.6%)。

8割以上が「話し合いの必要性」を感じている

8割以上が「話し合いの必要性」を感じている

また本調査では、育児と仕事の両立や、両立しながらの今後のキャリア(働き方)について、配偶者やパートナーと話し合う必要性を感じているかどうかを質問。結果、「とても必要だと思う」「やや必要だと思う」という回答が全体で83.9%と高い割合を示した(男性79.4%、女性87.8%)。特に女性では54.9%が「とても必要」と回答しており、より重要視していることがわかる。

一方で、配偶者やパートナーと今後の働き方・キャリアについて「十分に話せている」と回答したのは12.9%にとどまったという。「ある程度話せている(38.2%)」と合わせても半数程度(51.2%)となっており、十分な話し合いができていない家庭が多いことがうかがえる。

話せていないと回答した人はその理由として「感情的になってしまう(26.6%)」「まとまった時間が取れない(25.9%)」を上位に挙げた。

まとめ

各国における男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数2024」で日本は、146カ国中118位であった。2023年の125位からは若干の上昇を見せているものの、政治・経済の分野で大きな課題があることが指摘されている。

本調査でも、共働き夫婦における仕事と育児の両立において、男女間で「育児分担」や「仕事の調整」に差があることが示された。2023年4月に施行された改正育児・介護休業法など、制度上の雇用環境の整備は進んでいるが、実態としてはまだまだ大きなジェンダーギャップが存在していると言えるだろう。

男女を問わず、誰もが育児と仕事の両立を実現できる就労環境を提供することは、企業の重要な取り組みのひとつである。男女間の負担感や格差を解消していくために、企業としてどのような支援ができるか、改めて検討する機会としていただきたい。

参考:男女共同参画に関する国際的な指数(男女共同参画局)
参考:育児・介護休業法について(厚生労働省)