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2024年度の年末調整、定額減税により中小企業の7割以上が業務負担増を懸念 弥生調査

2024.09.25

弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:前山貴弘)は、全国の従業員100名以下の企業における給与計算担当者を対象に、2024年度の「年末調整」に関する意識調査を実施。定額減税による影響や仕事の負担増加への懸念などを明らかにした。

調査概要

調査期間:2024年8月9日~8月12日
調査対象:従業員100名以下の企業における給与計算担当者729名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
出典:「令和6年度『年末調整』に関する意識調査」弥生調べ(弥生株式会社)

税額計算および申告書類の配布・回収はソフト利用が主流

税額計算および申告書類の配布・回収はソフト利用が主流

本調査結果を見ると、2023年分の年末調整における税額計算では、全体の67.7%がソフトを利用しており、そのうち29.8%がクラウド型のソフトを利用していることがわかる。

また、従業員にどのように申告書類の配布・回収を行ったか質問した結果からは「人事労務ソフト、給与計算・年末調整ソフトの利用(42.8%)」と「国税庁の年末調整ソフトの利用(9.2%)」を合わせた5割以上が、ソフトを活用していることが明らかとなった。

年末調整の時期は残業増加する担当者が6割超

年末調整の時期は残業増加する担当者が6割超

続いて、年末調整の時期に通常時と比べて残業がどの程度増えるのかを質問すると、64.5%の担当者が「残業が増加する」と回答したという。10時間以上残業増加と答えた人も31.1%に達していることから、年末調整時の負担の大きさがうかがえる。

なお、年末調整業務で負担に感じる業務については「最新の法令の把握(34.7%)」「従業員への各種申告書の配布・回収(30.6%)」が多く挙げられている。

こうした中で、昨年度まで年末調整の申告書の配布・回収に紙を用いていた企業のうち「今年からソフトを利用し、PC・スマートフォンによる、配布・回収を行う予定」または「今後Web上での配布・回収を実施したい」と考える担当者は43.1%に及んでいる。その傾向は従業員数が多い企業ほど強く、30名以上の会社では過半数が、50名以上の会社では6割以上がWeb対応を検討していることもわかった。

定額減税の具体的な影響把握は約3割、一方で7割以上が負担増加に懸約

定額減税の具体的な影響把握は約3割、一方で7割以上が負担増加に懸約

次に、今年度は年末調整時にも定額減税(年調減税)の影響があることから、その認知について質問。年末調整業務への具体的な影響を把握していると回答した人は全体の29.1%と約3割にとどまり、残りの約7割は具体的には知らない、または今回の調査で初めて知ったと答えたことが報告されている。

一方で、定額減税(年調減税)により年末調整の事務負担が増加すると考えている担当者は73.7%にのぼっている(「かなり増えると思う」「多少増えると思う」の合計)。定額減税の開始により、月次の給与事務の負担が増えたと回答した担当者は69.1%に達しており、同社はこうした状況が「定額減税によって年末調整業務の負担につながる」と感じる原因の一つになっていることを推察している。

まとめ

担当者の負担が顕著な年末調整においては、多くの担当者が残業を余儀なくされている実態が明らかとなった。さらに今年度は定額減税の影響もあり、法令の把握や従業員への対応、書類の確認作業など、例年以上の負担を懸念する声も多い。

担当者の業務負担軽減や、適正な処理を行うためには、早期の情報収集と対応が重要ではないだろうか。デジタルツールの活用に加え、専門家への相談・連携も視野に入れ、今後の対応について改めて検討する機会としていただきたい。

参考:定額減税 特設サイト(国税庁)