古い企業風土に約7割が不満!転職を考えるきっかけにも Job総研調査

パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、653人の社会人男女を対象に「2025年 企業風土の実態調査」を実施した。価値観が多様に変化する中で、コンプライアンスやガバナンスの是非を皮切りに、改めて企業風土に注目が集まっているとして、企業風土の捉え方や賛否を明らかにした。
調査概要
調査対象者:現在職を持つJobQ Town登録者
調査条件:全国/男女/20~50代
調査期間:2025年2月5日〜2月10日
有効回答人数:653人
調査方法:インターネット調査
出典元:Job総研「2025年 企業風土の実態調査」を実施(パーソルキャリア株式会社)
古い企業風土「ある派」が約8割 変化の必要性は?

本調査ではまずはじめに、今の職場で古いと感じる風土の有無を質問。その結果「ある派」が78.4%(「とてもある:28.2%」「ある:29.4%」「どちらかといえばある:20.8%」)となったことが報告された。なお『古い企業風土』の定義としては「上司からの好感度が評価に影響(36.4%)」「仕事と私生活の境界線がない(32.8%)」「上司に逆らえない(32.6%)」などが多いようだ。
続いて本調査では古い風土の変化の必要性を尋ねており「変えた方がいい風土がある派(50.2%)」「変わらなくてもいい風土がある(49.8%)」と、意見が割れる結果となったことが報告された。「変えた方がいい風土がある派」の回答を年代別に見ると「50代(55.2%)」が最も多く、次いで「30代(52.4%)」「20代(49.7%)」「40代(43.8%)」が続いている。
変えた方が良いと思う企業風土については「上司からの好感度が評価に影響(38.6%)」「上司に逆らえない(30.0%)」「業務外の飲み会,行事参加の要請(29.1%)」が上位に。逆に、自身に合っている企業風土として「年齢・勤続年で給与・役職が決まる(22.1%)」「男性比率が高い(18.5%)」「ハッキリした上下関係(13.9%)」が上位に挙げられたことも判明している。
企業風土がきっかけで転職?反対は約7割

次に本調査では、企業風土が転職を考える要素になるか質問。「なる派(「とてもなる:37.5%」「なる:30.9%」「どちらかといえばなる:14.9%」が83.3%と高い割合を示したという。さらに実際の転職経験について「転職・転職活動をした派(「転職をした:38.0%」「転職活動をした:24.8%」)」は62.8%に及んでいる。
また古い風土を持つ企業への賛否について尋ねる項目では「反対派(「とても反対:16.8%」「反対:19.3%」「どちらかといえば反対:33.2%」)」が69.3%となったことが報告された。反対する理由としては「前例に固執し効率が悪い(59.6%)」「時代の変化への対応力が少ない(56.1%)」「時代遅れの制度やルールが多い(50.6%)」などが多いようだ。
企業風土の変化について「変えられると思う派(「とても変えられると思う:15.0%」「変えられると思う:11.0%」「どちらかといえば変えられると思う:17.9%」)」が43.9%に。新しくなるために必要だと思う要素として「経営陣の刷新(51.3%)」「評価制度の見直し(36.9%)」「オープンな情報共有の徹底(34.3%)」が上位に挙げられた。
まとめ
本調査結果からは、古い企業風土が残ることで、企業への評価や定着率にマイナスな影響が及ぶことが示唆された。約8割の人が自身の所属する企業に古い風土があると回答しており、変えるべき風土がある企業が多くあると考えられる。
企業風土は企業が定めるものではなく、所属する人たちが作り上げていくものだ。変えていくためには、従業員全員の意識や行動を変えていかなければならない。従業員の声をもとに、まずは経営層が率先して取り組んでいく必要があるだろう。また、風土改革には時間がかかることも踏まえ、現状の風土に対する不満を抱える従業員へのフォローも必要となるだろう。自社における企業風土の現状や問題を把握することから始めてみてはいかがだろうか。