2024年度コンプライアンス違反倒産は過去最多の379件 TDB調査

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年度に発生した「コンプライアンス違反倒産」の発生状況について調査・分析を実施。2024年度のコンプライアンス違反倒産が過去最多となったことを報告した。
4年連続で前年超え 粉飾倒産が最多

「コンプライアンス違反」は、意図的な法令違反や社会規範・倫理に反する行為などを指す。本集計はこうした、コンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を「コンプライアンス違反倒産(コンプラ違反倒産)」(法的整理のみ、負債1000万円以上)と定義し、実施したもの。なお、同一企業に複数のコンプライアンス違反がある場合は、主な違反行為で分類している。
TDBの報告によれば、2024年度のコンプライアンス違反倒産は379件で、2023年度(352件)を27件(7.7%増)上回り過去最多となっている。前年度を上回るのは4年連続のことで、300件超えは3年連続だ。なお、業種別では「サービス業(129件/構成比34.0%)」が最も多く、次いで「建設業(69件/同18.2%)」「卸売業(52件/同13.7%)」と続いている。
また、違反類型別では「粉飾(101件/構成比26.6%)」が最多と報告された。そのほかに目立ったのが「業法違反(62件/同16.4%)」「資金使途不正(61件/同16.1%)」「不正受給(55件/同14.5%)」など。特に不正受給については2022年度以急増しており、2年連続での過去最多となったことが報告された。
出典元:コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2024年度)(株式会社帝国データバンク)
まとめ
TDBは2024年度、全国企業倒産数が11年ぶりに1万件を超えたとの集計結果も報告しており、そうした中でコンプライアンス違反による倒産が全体の3.8%を占める点に注目している。
コンプライアンス違反は社内の問題にとどまらず、取引先や消費者からの信頼を失い、経営へ大きな影響をもたらす可能性が高い。危機意識を従業員と共有し、全社的に対策に取り組んでいくことが重要となるだろう。改めて自社のコンプライアンス違反に向けた取り組みを見直す機会としていただきたい。
出典元:倒産集計 2024年報(1月~12月)(帝国データバンク)