掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

製造現場にデジタル疲れの兆候?現場帳票のアナログ率が増加 シムトップス調査

2025.04.24

株式会社シムトップス(本社:東京都品川区、代表取締役:水野貴司)は、製造業(従業員数50名以上)で現場帳票を管理している102名を対象に【2025年版調査】製造業の現場帳票に関する実態調査を実施。2022年版の同内容調査と比較して結果を発表した。

調査概要

調査名称:【2025年版調査】製造業の現場帳票に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2025年4月3日〜同年4月4日
有効回答:製造業(従業員数50名以上)で現場帳票を管理している方102名
出典元:i-Reporter
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っており、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある

現場帳票の管理方法「紙」や「Excel」が増加

現場帳票の管理方法「紙」や「Excel」が増加

本調査ではまずはじめに「Q1.あなたのお勤め先では、現場帳票を主にどのように管理していますか。」と質問。その結果「紙(20.6%)」「Excel(49.0%)」との回答が合わせて69.6%となり、2022年調査(63.7%)から5.9ポイント増加したことが明らかになった。

同社は調査対象数(n=102)を踏まえると、統計的には誤差の範囲内とも言えるとしながらも、DXが現場に根づかず、足踏みしている状況にあると推察。その要因として、ツール選定のミスマッチやUI/UXの不便さから、導入効果を実感できないまま『形だけのDX』にとどまってしまった企業があるとの考察を示している。

また「紙」と回答した理由としては「紙の方が利便性が高いと感じるから(42.9%)」「紙での記録・報告が慣例になっている(38.1%)」「意思決定者の理解が得られないから(28.6%)」などが多いようだ。

「Excel」と回答した理由では「クラウド化が進んでいないから(52.0%)」「使い慣れているから(50.0%)」「Excel以外のツールへの抵抗感があるから(42.0%)」が上位に挙げられたという。

アナログな管理方法に様々な不満 電子帳票対応には9割が肯定的

アナログな管理方法に様々な不満 電子帳票対応には9割が肯定的

一方では「Q4.紙・Excelで管理する上で、不満を感じることはありますか。(複数回答)」との質問に「記録方法や内容が統一されていない(56.3%)」「データの抽出・分析がしにくい(53.5%)」「他ツールと連携ができない(45.1%)」といった声が寄せられたことも明らかになっている。

また「紙」「Excel」と回答した人のうち、91.5%が「2025年の崖」に向けて、電子帳票への対応を進めたいと考えていることも報告された。「帳票の記録や報告の効率化ができるから(69.2%)」「資源や人件費などのコストカットにつながるから(55.4%)」「保管や管理の手間を削減できるから(44.6%)」といった理由が背景にあるようだ。

まとめ

製造業において多くの企業が紙やExcelで現場帳票を管理していることが明らかになった。その割合は2022年の調査結果から若干の増加もみられており、電子帳票への対応が思うように進んでいない様子もうかがえる。

紙やExcelでの管理には様々な不満も寄せられており、電子帳票への対応には約9割が前向きな意向を示している。同社が発表したレポートでは、2025年の崖について高い認知度も示されており、そこに向けた問題意識もありそうだ。

現場DXの推進・浸透において同社は、ツール選定のミスマッチやUI/UXの不便さから導入効果を十分に実感できていない可能性があると指摘している。現場での運用を見据えたツール選定を丁寧に行うことが重要となるだろう。今後の活用に向けて、自社の現状にどのような課題があるか、改めて把握する機会としてみてはいかがだろうか。