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「シフト管理」紙とExcelによる運用が7割超 クロスビット調査

2025.05.30

クラウドシフト管理「らくしふ」を運営する株式会社クロスビット(本社:東京都千代田区、代表取締役:小久保孝咲)は、シフト制で従業員を管理している企業に勤めており、シフト管理を担当している方もしくは導入に関与している20~65歳の男女全国1242人を対象に「シフト管理の実態調査」を実施。シフトの管理方法やツールの導入状況などを明らかにした。

調査概要

調査名:シフト管理に関する実態調査2025
調査主体:株式会社クロスビット調べ
調査対象:シフト制で従業員を管理している企業に勤めており、シフト管理を担当している方もしくは導入に関与している20~65歳の男女(パート・アルバイト除く)
調査方法:インターネット調査(マクロミル)
調査期間:2025年3月21日〜3月25日
有効回答数:1242件
出典元:株式会社クロスビット

7割超がExcel運用 ツール導入率は25%

7割超がExcel運用 ツール導入率は25%

本調査ではまずはじめに「現在のシフト管理方法」を尋ねており「紙や口頭で希望を回収し、Excelで作成・管理している」との回答が全体の7割を超えたと報告した。中でも最も多かったのは「紙で回収し、Excelで管理する(47.7%)」方法だという。一方で、シフト管理ツールを導入している企業は全体の25.0%にとどまっており、内訳は自社開発ツールが11.0%、外部サービスが14.0%と報告されている。

業種別では、外食業のツール導入率が約32%と比較的高いものの、それでも3社に2社はExcel主体での運用だという。福祉・介護業界ではExcelの利用率は82.6%と、今回の調査内では際立って高く、シフト管理ツールの導入率も16.4%で、IT化の遅れが顕著であった。

続いて「シフト作成・管理業務における課題」について尋ねる項目では「特に課題はない」と回答した企業は約15%で、全体の約85%は何らかの課題を抱えていることがわかった。課題として多く挙げられたのは「欠勤やシフト交代など、急な変更対応が大変(32%)」「シフト表の作成に時間がかかる(30%)」「従業員の希望と業務上の必要人員とのバランス調整が難しい(28.3%)」「公平なシフト編成が難しい(22.1%)」などであった。

「103万円の壁」撤廃、企業の対応実態と今後求められる体制整備とは

「103万円の壁」撤廃、企業の対応実態と今後求められる体制整備とは

2025年3月、政府は「103万円の壁(配偶者控除の年収上限)」の見直しを正式に決定し、課税対象の年収上限が160万円へ引き上げられる見込みだ。

今回の調査では、パート・アルバイトの年収制限、いわゆる「103万円の壁」に関するシフト管理上の工夫についても質問。その結果、全体の68.1%が“何らかの配慮をしている”と回答したことがわかった。中でも「103万円以内に収まるようシフトを調整している(32.0%)」「130万円の壁も考慮している(25.6%)」など、制度を意識した調整は既に多くの職場で実施されていることが判明している。

年収上限の引き上げによる従業員の“働き控え”の緩和が期待されているが、その一方で「どの年収ラインまで働けるか」が不明瞭になり、管理の複雑化や106万円・130万円の社会保険の壁との整合性が課題となる可能性もあるだろう。

まとめ

シフト管理に課題を抱える担当者は多いものの、ツールを活用した効率化に取り組む企業はそう多くないようだ。同社はこうした状況の背景に「費用対効果への懐疑」と「現状維持の安心感」という二大要因があると分析している。

多くの業務がデジタル化に向けて進んでいる中、取り残された領域となりつつあるシフト管理業務。効率化や属人化の防止に向けて取り組むことで、管理者の負担は大きく軽減されるのではないだろうか。改めて今後の管理方法を検討する機会としていただきたい。