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退職・異動後のSaaSアカウント「管理が不適切」6割超 SmartHR調査

2025.06.13

株式会社SmartHR(本社:東京都港区、代表取締役CEO:芹澤 雅人)は、ID管理システムを未導入の企業で情報システム部門に勤める担当者108名に対し、SaaSのID管理業務の実態について調査を実施。異動・退職後の不正利用をはじめとするセキュリティリスクや、不要なSaaSアカウントを保有することで発生する無駄なコストの削減といった観点からも重要性が高まっているSaaSのアカウント管理について、実態を明らかにした。

調査概要
調査名称:情シスのID管理業務に関する課題調査
調査調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年4月17日〜同年4月18日
有効回答:SaaSツールを導入しているが、ID管理システムは未導入の企業に勤める情報システム担当者108名
出典元:
SmartHR、情報システム部門を対象に「SaaSアカウント管理」の実態を調査。63.9%が退職者や異動後の「SaaSアカウントを適切に管理できていない」と回答(株式会社SmartHR)

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入
※ID管理システムとは、組織内のユーザーのID、パスワード、アクセス権限などを一元管理するシステムを指す

現在利用しているSaaSに「未使用アカウントがある」60.2%

現在利用しているSaaSに「未使用アカウントがある」60.2%

本調査では「現在利用しているSaaSにおいて、退職者や異動者のアカウントなど、実際には使われていない未使用アカウントはどの程度ありますか。」との質問に「かなりある(20.4%)」「ややある(39.8%)」との回答が寄せられたという。

続いて本調査では「SaaSアカウント管理において困っていることや課題に感じていることを教えてください。(複数回答)」と質問。その結果「各SaaSごとに個別管理が必要で手間がかかる(47.2%)」「アカウント管理のルールが明確でない(36.1%)」「アカウント管理や棚卸しに費やす時間が多すぎる(36.1%)」といった声が多く寄せられたという。

63.9%が退職者や異動者のアカウントを適切に管理できず

63.9%が退職者や異動者のアカウントを適切に管理できず

次に本調査では「お勤め先のSaaSアカウント管理業務において、退職者や異動者のアカウントを適切に管理できていないと感じますか。」と質問。その結果「非常に感じている(25.0%)」「やや感じている(38.9%)」と、6割を超える人が適切に管理できずにいる実態が明らかになった。

従業員のアカウントが適切に管理できていない原因については「SaaSアカウント管理のための専任担当者がいない(50.7%)」「人事・総務部門との情報連携に課題がある(44.9%)」「SaaSアカウントを一元管理するツールがない(44.9%)」を挙げる人が多いという。

退職者や異動者のSaaSアカウントが削除されないまま残っていることによって生じる懸念としては「退職者のアカウントが不正利用されること(58.0%)」「退職者が社内情報にアクセスすること(49.3%)」「未使用アカウントによる余分なコストが発生すること(42.0%)」との回答が高い割合を示している。

まとめ

多くの企業において、退職者や異動後のSaaSアカウントが適切に管理できていない実態があることが判明。不要なライセンス費用の発生というコスト面の問題はもちろん、情報漏洩、不正アクセスなど、セキュリティ面における大きなリスクが生じている可能性も高い。

こうした事態を招いている背景には、人材不足や管理システムの導入状況などの課題があるようだ。SaaSの活用が進む中、アカウントの適切な管理はリスク防止のためにも徹底すべき業務と言える。自社において現状の管理体制に問題はないかを見直し、今後の管理体制をどのように整備するか、改めて検討する機会としていただきたい。