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環境配慮の取り組み「推進する人材とノウハウ不足」が障壁 エプソン販売調査

2025.06.26

エプソン販売株式会社は、従業員数500人以上の企業に勤務する会社員(CSR・SDGs・オフィス環境改善・経営企画・オフィス機器調達などの実務・意思決定に関わる方)および公務員の計1323名を対象に「2025年版 ビジネスパーソンの職場における環境問題に関する意識と実態調査」を実施。近年、環境問題への関心が高まる中、企業の環境配慮に対する意識や実際の取り組み状況について、過去に実施した調査の結果と比較し、その変化を明らかにした。

調査概要

実施主体:エプソン販売株式会社
調査案件名:2025年版 ビジネスパーソンの職場における環境問題に関する意識と実態調査
調査対象:従業員数500人以上の企業に勤務する会社員(CSR・SDGs・オフィス環境改善・経営企画・オフィス機器調達などの実務・意思決定に関わる方)および公務員の計1323名
調査期間:2025年3月13日~3月17日
調査方法:インターネット調査
出典元:約6年間で環境配慮の取り組みが進む一方で、「推進する人材とノウハウ不足」も課題に(エプソン販売株式会社)
※表記の都合上、小数点以下第二位を四捨五入しているため、各項目の合計が100%にならない場合や、合計値と一致しない場合がある

環境配慮の取り組みの重要性や取り組み率は、全体として増加傾向

環境配慮の取り組みの重要性や取り組み率は、全体として増加傾向

本調査結果を見ると、環境配慮の取り組みの重要性に関する具体的な取り組みとして「消費電力の削減」「ゴミ(プラゴミやペットボトルなど)の排出量の削減」「コピー用紙の使用量削減(ペーパーレス化)」については、いずれの項目でも「重要である」「やや重要である」と回答した人が合計で7割を超えることが明らかに。2019年の調査と比較すると、全ての項目で「重要である」「やや重要である」と回答した人の割合はわずかに増加しているという。

業種別で見ると、製造業は「重要である」「やや重要である」と回答した人の合計が全ての項目で8割を超え、2019年の調査からそれぞれの割合が増加している。一方、建設業は2019年の調査と比較すると、全ての項目の重要度が低下していることが明らかになった。

また、各取り組みの状況について「全社で取り組んでいて、具体的な数値目標がある」もしくは「全社で取り組んでいるが、具体的な数値目標はない」と回答した人の合計は、全項目で2019年の調査より増加したことも判明している。

続いて本調査では、環境配慮の取り組みに年間で費用を投じている企業が全体で36.0%と、4割弱であったことを報告。業種別で見ると「製造業(50.0%)」が最も多いという。また「5000万円以上」と回答した割合が最も高い業種は「金融業・保険業(16.0%)」であることがわかった。

※コピー用紙の使用量削減(ペーパーレス化):2019年調査では「使用したコピー用紙の排出量の削減」として調査

デジタルデバイスの導入が大幅に増加

デジタルデバイスの導入が大幅に増加

次に本調査では、環境配慮を目的として取り組んでいるものについて質問。その結果「デジタルデバイスの導入(ペーパーレスの代替として)」と「照明調整による省電力(照明の間引き、LED電球など)」が55.9%で同率1位に挙げられたことが判明した。続いて「空調の温度調整による省電力」が55.4%だった。2019年の調査と比較すると「デジタルデバイスの導入(ペーパーレスの代替として)」は+20.5ptで「照明調整による省電力(照明の間引き、LED電球など)」が+9.9ptとなり「空調の温度調整による省電力」は+5.6ptであった。

また、環境配慮の取り組みによる業務効率への影響について「効率が下がる」との回答は全体的に減少傾向だったという。「空調の温度調整による省電力(45.0%)」「コピーやプリントの印刷枚数制限による削減(41.6%)」「デジタルデバイスの導入(ペーパーレスの代替として)(37.2%)」では「効率が下がる」との回答が比較的高い割合を占めたものの、2019年の調査と比較すると、業務効率が下がるという回答の割合は全ての項目で減少した。

環境配慮の取り組みをしない理由「推進する人材とノウハウ不足」

環境配慮の取り組みをしない理由「推進する人材とノウハウ不足」

最後に本調査では、環境配慮の取り組みをしない理由として「推進する人材がいないから」や「どのように取り組めば良いか分からないから」との回答が一定数寄せられたことを報告している。両選択肢は2025年調査で新たに設けられた。

2019年の調査で1位だった「環境への貢献度合いが測れないから」は2019年の35.2%から−28.4ptの6.8%と大きく減少。2位だった「コストがかかるから」も2019年の24.1%から−14.4ptで9.7%に。一方で「勤務先では重要視していないから」が2019年の18.6%から+6.6ptで25.2%となり、トップに躍り出ている。環境配慮の必要性は高まっている一方で、取り組みへの意識や会社としての推進体制に関する課題は根強いようだ。

まとめ

企業における環境配慮への取り組みは、この6年で進んでいることが明らかになった。一方で、人材やノウハウの不足、会社としての推進体制には課題感を抱く人も少なくないようだ。業種による取り組み状況の差異もみられており、社会全体でより一層の推進に取り組んでいく必要性がうかがえる。

環境配慮への取り組みは、企業の社会的責任としての重要性はもちろんのこと、コストの削減や新たなビジネスチャンスの創出につながるケースもある。持続可能な成長を目指す上でも欠かせない取り組みと言えるだろう。改めて自社での取り組み状況や課題について、見直す機会としていただきたい。