事業承継の課題「財産」「税務」よりも「人的領域」 青山財産ネットワークス調査
株式会社青山財産ネットワークス(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見正純)は、全国のファミリービジネス経営者369名(マクロミルモニタ、20歳以上、従業員10名以上の企業の経営者で、親族内承継を検討している層)を対象に、事業承継に関する意識調査を実施した。
調査概要
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年12月12日~12月17日
対象:親族内承継を検討する経営者
回答者数:369名
出典元:日本のファミリービジネス事業承継実態調査(前編)(株式会社青山財産ネットワークス)
事業承継は実行フェーズへ移行
本調査では、回答者の85.1%が事業承継について具体的な検討を進めており、そのうち48.4%が「後継者を決定し、具体的な準備を進めている」ことが明らかになった。
年代別の分析では、60歳以上では過半数が実行段階にあり、40〜50代においても3割程度が後継者決定に至っていることが判明した。
調査対象者が親族内承継を検討している経営者であり、検討そのものは前提となるものの、その中でも半数近くが後継者を決定している点から、同社は「事業承継は検討段階にとどまらず、実行フェーズへ移行している」と分析している。
最大の論点は「人」、一方で相談先は「税務領域の専門家」に集中
続いて本調査では、事業承継における不安・課題について質問。回答の内訳を見ると「後継者の育成・経営能力」などの「人的領域(68.8%)」が「財産・税務(60.7%)」などの領域を上回った。
一方で、事業承継に関する相談先として最も多かったのは「顧問税理士・会計士(36.3%)」に。さらに「財産周り以外の相談」に限って見ても「顧問税理士・会計士(26.3%)」への相談が最多となっている。
人的領域の不安が大きい中で、主な相談先は税務領域の専門家に集中しており、連携や役割分担が不十分である可能性が示唆された。
まとめ
本調査結果からは、事業承継における最大の課題が財産や税務ではなく、後継者育成や組織づくりといった「人的領域」にあることが明らかになった。事業承継が実行フェーズへ移行する企業が増える中、人事部門には次世代経営人材の計画的な育成や、経営理念・企業文化の継承を支える役割がこれまで以上に求められるだろう。
特に、中核人材の育成や権限移譲、後継者を支える経営幹部層の整備などは、税務や財産対策だけでは解決できない課題だ。自社においても事業承継を人材戦略の一環として位置付け、育成計画やサクセッションプランの策定を進めることで、円滑な世代交代と持続的な企業成長を支えたい。








