管理職の6割超が指導を控える「育成キャンセル」を経験 ライトワークス調査
株式会社ライトワークス(本社:東京都千代田区、代表取締役:江口夏郎)は、20代の若手社員と30〜50代の管理職計886人を対象に「ハラスメントと育成キャンセルに関する意識調査」を実施した。その結果、管理職の6割以上が、ハラスメントへの懸念から必要な指導を控える「育成キャンセル」を経験している。一方、若手社員の約8割はハラスメントに当たらない範囲での率直な指導を望んでいることが、明らかになった。
調査概要
調査対象(1):勤務先で「上司」の指示を受けて仕事をしている20代男女 443名
調査対象(2):部下の育成・指導を担当している30代〜50代男女 443名
調査期間: 2026年6月11日〜6月15日
調査方法: インターネット調査(株式会社ジャストシステムへ委託)
出典元:【調査レポート】「育成キャンセル」の処方箋は人事の働きかけ。若手と管理職の「ハラスメント基準」はほぼ同じ(会社名)
管理職の6割超が「指導をためらう」実態
本調査では、過去1年間に「ハラスメントと受け取られることを懸念して、本来行うべき指導をためらった」と回答した管理職は63.3%だった。
「育成キャンセル」については「意識的に行った(18.1%)」「気付けばそうなっていた(43.1%)」と、合わせて61.2%が指導を控える状況を経験していたという。
指導を断念した理由では「何度指導しても改善が見込めない」が55.4%で最多だった。次いで「ハラスメントと受け取られるリスクが高いと感じた」が34.0%で続いている。
若手は率直なフィードバックを求めている
一方、若手社員の63.6%は「上司が必要な指導を避けている」と感じていることが判明した。
指導を受けない状況について「このままで良い」と回答した人や「ダメ出しがなくて快適」と感じる人もいたものの「スキル差が広がる」「改善点が分からない」「市場価値が上がらない」といった成長への不安も多く挙げられている。
さらに「ハラスメントに当たらない範囲での率直な指導やフィードバックを求める」と回答した若手は78.2%に上った。多くの若手が、適切な指導を望んでいる実態が示された。
「ハラスメントの境界線」管理職と若手で共通認識
さらに本調査では、ハラスメントに対する認識も比較。「1対1で落ち着いた口調で指摘する」は、若手56.6%、管理職58.9%が「指導の範囲」と回答。
一方で「人前でミスを指摘する」「感情的に怒鳴る」といった行為は、双方ともハラスメントと認識する割合が高く、管理職と若手の認識に大きな差はみられていない。
同社は、人事・人材育成担当者に向けて「具体的なOK・NG事例を示したガイドラインの整備」「第三者相談窓口の設置」「若手が自らフィードバックを求めるスキルの育成」の3点を提言している。
まとめ
ハラスメントへの配慮が進む一方で、その影響から必要な指導まで控えてしまう「育成キャンセル」が広がり、若手社員の成長機会を損なうリスクが浮き彫りとなった。一方で、若手社員自身は適切なフィードバックを望んでおり、管理職との認識にも大きなズレはないことが分かった。
企業としては、若手の指導の判断基準を明文化したガイドラインや相談体制を整備するとともに、フィードバックを前向きに受け止める組織文化の醸成を進めることが必要な時代といえるだろう。安心して育成できる環境を構築し、人材育成とハラスメント防止の両立を実現していきたい。










