オフィスのミカタとは

経営課題と向き合い、従業員の声とともにデザインするオフィス空間が 働く「人」に与える影響とは【株式会社TRUST 山口 一 氏 インタビュー記事】

2019.01.17
株式会社TRUST 代表取締役 山口 一 氏
株式会社TRUST 代表取締役 山口 一 氏

 どの会社も成長を続ける過程で、社員と企業の考え方にズレが生じ、意思疎通ができなくなりがちだ。しかし、その突破口をオフィスのデザインという観点で切り開こうとしている企業がある。それが株式会社TRUSTだ。同社にオフィスにおけるデザインの重要性について話を伺った。

仲間を大切にする会社TRUST

 「オフィスは働く場がただそこにあればいいというわけではない」。株式会社TRUSTの代表取締役 山口 一氏の核となる思いはそこにある。それはオフィスという場が働くためのモチベーションとひも付いていて、そのデザイン性によっては、会社の生産性を上げることにつながっていると考えているからだ。その考えは、同社の経営理念『モノづくりを通じて皆を笑顔にする』からも、うかがい知ることができる。

 同社は「経営課題を解決するオフィスデザイン」をコンセプトに、数々の実績を残しているが、そんな成長著しい同社も、「人」の問題にぶつかってきた歴史がある。

 実は、この「人」の問題を考えてみることが、同社の言う「オフィスのあるべきデザイン」と大きくかかわってくるのだ。

 山口氏の実体験として、社員数が少ない時は一人一人とコミュニケーションが取れており、『TRUST』独自の文化や信念が浸透していたが、会社が大きくなるにつれ、全社員に社長としての言葉や思いを伝えきれなくなってきたという。似たようなことは、成長を続ける中小企業経営者なら誰もが経験しているのではないだろうか。

 オフィスのデザイン性が重要になるのは、まさにそのタイミングなのである。山口氏は「皆さんの会社ではこのようなことがないでしょうか」と、自らの体験談を添えてこう話した。

「弊社では、会社が大きくなってきた時に、スタッフ同士の意見の衝突や考え方の相違が見受けられるようになりました。話を聞くと、今までのTRUSTにはなかった衝突の仕方で、本来TRUSTが大事にしていることをわかっていれば、そんな衝突は起こらなかったはず。事業の拡大も大切なのですが、もっと大事なのは会社の信念が全スタッフに浸透すること。そこで弊社は、移転のタイミングで社員同士のコミュニケーションづくりに焦点を当て、自然な会話が生まれる空間をつくり、また"行動指針"をまとめた『TRUST PRIDE』カードというものを全社員に配りました」

採用率が上がり離職率は下がる。従業員目線の オフィスデザインとは

 そんな社員の気持ちと企業のあるべき姿の関係性を重んじる会社だからこそ、従業員目線のオフィスデザインも実現することができる。TRUSTはただおしゃれなオフィスをデザインするだけでなく、企業の課題と、従業員の働きやすさを大事にしたデザインを心がけている。

 よくありがちなのが、打ち合わせの段階で社長一人が「こういうオフィスにしてくれ」と独断で決めてしまうこと。その場合は...

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