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転勤・引っ越しで担当者が注意するべきポイント!

2021.10.06

地域限定型採用を除き、一般企業の従業員に定期的に実施される「転勤」。転勤には引っ越しを伴うケースも多く、従業員の引っ越しで行うべき手続きが知りたいと考える総務・人事担当者もいるのではないだろうか。

今回は、従業員の引越しで総務・人事が行う手続きや従業員に転勤を打診するタイミング、引っ越し業者を選ぶ際のポイントを紹介する。従業員が新天地でスムーズに業務が開始できるよう、各ポイントを把握しておこう。

目次

●従業員の引っ越しにより総務・人事が行う手続きとは?
●従業員への連絡はいつ行うべきか
●引っ越し業者を選ぶ際のポイント
●まとめ

従業員の引っ越しにより、総務・人事が行う手続きとは?

従業員の引っ越しによって総務・人事が行わなければならない手続きは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)や労働者名簿などの住所変更だ。まずはそれぞれの手続きの詳細を見ていこう。

≪社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続き≫
従業員に住所の変更があった場合、企業は速やかに「健康保険・厚生年金保険被保険者住所変更届」を所轄の年金事務所に届け出なければならない。また、国民年金第3号被保険者(被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で、年収が130万円未満の人)である被扶養配偶者が一緒に引っ越しをする場合は、被扶養配偶者の住所変更も併せて届け出る必要がある。

住所変更届の様式は2枚複写になっており、以下のように、被保険者が加入する制度の区分と住所変更の対象者に応じて提出書類が異なることに注意しよう。 なお、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則届け出は不要とされている。

参考:日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)及び被扶養配偶者の住所に変更があったときの手続き」

≪その他の保険の手続き≫
「雇用保険」は従業員の住所を登録しないため、従業員の住所が変更されても手続きが不要だ。「労災保険」についても、企業が保険料全額を負担しているため従業員の住所変更による影響はない。ただし、企業で加入している損害保険や傷害保険などでは住所変更手続きが必要なものもあるため、それぞれの保険会社に確認しておこう。

≪税務関係の手続き≫
「住民税」は、基本的に給与から天引きで徴収し、1月1日から12月31日までの1年間分全額を、その年の1月1日に居住していた自治体に納付することになっている。年の途中で従業員が転居した場合は、その年の「給与支払報告書」を旧住所の自治体に提出しよう。

なお、年末調整で必要となる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には必ず新住所を記載する必要があるため、納税先と居住地が合致するよう、従業員に速やかな住民票の移動を促そう。

≪労働者名簿の更新手続き≫
労働基準法第107条および労働基準法施行規則第53条により、企業には各事業場ごとに「労働者名簿」を作成し、氏名や生年月日、住所などを記入すること、変更があった場合は遅延なく訂正しなければならないことが義務付けられている。そのため、従業員が引っ越しをした場合は、速やかに労働者名簿を更新する必要がある。

他にも、「従業員名簿」や「緊急連絡先名簿」「住所録」など住所を記載している書類がある場合は、全て更新するようにしよう。

従業員への連絡はいつ行うべきか

転勤の時期や辞令・内示のタイミングは、企業の規模や方針、職種などによってさまざまだ。ここでは、一般的な転勤打診のタイミングや、引っ越しまでに従業員が行うことをみていこう。

転勤の打診のタイミング
企業から従業員への転勤の打診は、国内の転勤であれば約2カ月前から2週間前までに行われることが多い。引き継ぎや赴任の準備が多い上位役職者や海外赴任の場合は、それよりも前に通知されるのが一般的だろう。その後、「内示」として上司から本人に転勤の決定が伝えられる。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「企業の転勤の実態に関する調査」

引っ越しまでに従業員が行うこと
内示・辞令がおりてから引っ越しまでに従業員が行うことには、以下のものがある。

・物件探し
・引っ越し準備
・業務の引き継ぎ
・転勤先の情報収集

家族を帯同する引っ越しの場合は「保育園・幼稚園や学校の手続き」なども行う必要がある。また、転居後は転出・転入届の届け出(転居後14日以内)や荷解き作業などもあるため、企業には、本人や家庭の状況を踏まえたうえでできるだけ早い打診やその後の柔軟な運用をすることが求められるだろう。

引っ越し業者を選ぶ際のポイント

引っ越し業者の手配を従業員と企業のどちらが行うかや、費用をどこまで企業が負担するかは、企業の規則や状況によって異なるだろう。ここでは、引っ越し業者を選ぶ際のポイントを紹介する。

料金設定
企業が負担する料金は、以下のように「荷物を運ぶことに関する料金のみ」とするのが一般的だ。各社の見積りをとって比較する場合は、金額だけを見て判断せず、「無料オプションの内容」「引っ越し日・時間帯の選択の可否」などを確認し、どのような条件で料金が設定されているのかを確認しよう。

【企業が負担することの多い費用】
・基本料金
・車両代金
・作業員代金
・資材代金

【従業員が負担することの多い費用】
・梱包作業・荷解き作業
・不用品の処分
・特殊な運送方法が求められるものの運搬(ピアノ、骨董品など)
・留置料
・エアコンの新規取付工事
・車の陸送

訪問見積りの有無
引っ越しの際は、荷物量を確認するために実際に従業員の自宅を訪問して見積りを確定する「訪問見積り」を行うことが一般的だ。しかし、近年は訪問せずに依頼者の自己申告によって見積りを行う業者も増えている。見積りと実際の荷物量が異なり追加料金が発生する、という事態を防ぐためにも、訪問見積もりを行っている業者を選ぶとよいだろう。

まとめ

転勤に伴う引っ越しでは、企業・従業員双方にさまざまな手続きや作業が必要となる。従業員やその家族が心身ともに余裕を持てるよう、企業は従業員の状況を踏まえ、早めに転勤の打診をすることが重要だ。引っ越し業者を選ぶ際は、オプションの内容や訪問見積もりの有無などを確認したうえで比較検討するようにしよう。

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