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電子帳票システムとは?導入メリットや機能、法改正への対応などを徹底解説!

2021.12.21
オフィスのミカタ編集部

電子帳票システムとは、見積書や請求書などの帳票類を電子データとして作成・閲覧・管理できるツールのことである。多くの企業や官公庁で業務のデジタル化が進む一方で、いまだ紙媒体で帳票管理を行っているケースも多いだろう。2022年1月に電子帳簿保存法が改正されることもあり、対応に迫られる企業もあるのではないだろうか。そこで本記事では、帳票電子化のメリットとデメリット、導入する上で気をつけるべき点などを紹介する。法改正に向けて、必要な準備の参考にしてほしい。

目次

●電子帳票システムとは
●電子帳票システム選定のポイント
●帳票電子化のメリット・デメリット
●「電子帳票保存法」改正で、電子帳票システムがより求められるように
●電子帳票システム導入の注意点
●まとめ

電子帳票システムとは

電子帳票システムは、業務効率化や業務改善を助けるデジタル化ツールとして関心を集めている。ここでは、電子帳票システムが求められる背景や、主な機能について見ていこう。

そもそも「電子帳票」と「電子帳票システム」とは?
電子帳票とは、業務上発生する契約書・請求書・納品書などの文書を、デジタルデータとして、電子化させたもの。

電子帳票システムとは、電子帳票を管理できるシステムのことを言う。会計業務や決算業務などを担う経理や総務向けのシステムがあり、業界を問わずさまざまな企業で導入され、注目が集まっている。

帳票電子化が求められる背景
帳票電子化が推進されるようになったきっかけは、2018年6月の閣議決定まで遡る。「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の策定により、官民連携したデジタル化を推進するロードマップが示された。これにより、時代はペーパーレス化に傾き、帳票のデジタル化は企業の課題の1つとなった。また、環境への意識の変化もデジタル化への潮流を加速させている。

さらに、コロナ禍で日本企業の働き方は変化し、紙に依存する働き方の見直しは急務だ。その解決を求められるのが帳票をデジタル化し、データを一元管理することができる電子帳票システムである。

電子帳票システムの主な機能
電子帳票システムの主な機能には、電子帳票の作成・閲覧・保管・検索・印刷帳票の自動仕分などがある。各機能の概要は以下の通り。

【帳票作成機能】
請求書や見積書などの帳票をPC上で作成できる機能。作成した帳票を従業員や取引先などと共有することも可能になる。

【帳票管理機能】
作成や送付をした帳票を電子データとして保存・保管する機能。保管スペースの削減やファイリング作業などの業務を効率化できると共に、帳票の検索にかかる時間も短縮することができる。

【電子化機能】
紙媒体の帳票をデータ化して保存する機能。スキャンした書類に書かれた文字を読み取り、電子データに変換できる機能を備えたシステムもある。手作業で行っていた業務の効率化が図れる機能だ。

【出力機能】
帳票システムで作成した帳票をプリンターから紙媒体に出力する機能。紙媒体を使用する取引先など、文書での提出が必要なケースに対応できる。

【セキュリティ機能】
保存した帳票の悪用を防ぐことを目的として、セキュリティ機能が充実しているものが多い。部署や従業員の役職別に管理権限を付与したり、システムの編集後に操作ログを記録できる機能など、データを安全に管理する機能を備えるシステムもある。データ流出や悪用に対するリスク回避のためには必ず取り入れたい機能だ。

電子帳票システム選定のポイント

電子帳票システムを選定する際には、利用目的や互換性などを確認する必要がある。自社に適した電子帳票システムを選定するためのポイントを紹介する。

利用目的
まずは、自社の環境に適しているかを確認する必要がある。「帳票作成を自動化したい」「帳票配信を効率化したい」「帳票保管を行いたい」など、利用目的を明確化し、選定を行おう。

電子帳票のフォーマット
大半の電子帳票システムはCSVやExcel、PDFのフォーマットに対応しているはずだ。その一方で、それ以外の形式で、データをやり取りしている企業もあるだろう。これまで利用してきた帳票データにシステムが対応しているか、事前に確認しなければ導入しても使えない可能性がある。事前にフォーマットの確認を行い、自社に最適なシステムを選定したい。

自社の業務量に見合った処理速度
取引先の多い企業は、それに比例して発行する帳票の量も増える。電子帳票システムで膨大なデータを処理するには、システム自体にも高い処理能力が必要になるが、その分導入コストもかさむ。一方で、処理能力が低ければ作業がスムーズに進まず、業務に影響が及ぶ可能性がある。システム選定の際は、自社で扱う帳票の量や業務量に見合った処理能力となっているかどうかもよく検討しよう。

帳票電子化のメリット・デメリット

帳票電子化のメリット・デメリットを見ていこう。

【メリット1】印刷・保管・郵送にかかるコストを削減できる 
帳票デジタル化により、さまざまな面で業務コストの削減が期待できる。例えば、これまでExcelで作成した帳票を印刷し、郵送するという業務を行っていた場合、データの作成や相手への送付をシステム上で完了できるようになる。これにより、印刷や郵便にかかる費用や労力を削減可能だ。さらに、帳票をペーパーレス化させることで、これまで保管にかかっていたスペースや、保管業務の削減効果も期待できる。

【メリット2】業務を効率化できる 
多くの企業は、クラウドサービスや自社の業務システムで算出されたデータに合わせてExcelなどで作業を行うことが多いだろう。帳票の種類やデータの量が多くて、レイアウトが不規則である場合、かなり手間のかかる作業だ。業務システムやデータベースと連携して帳票を作成できるようになれば、作業効率は格段にアップし、余った時間を本来の業務に当てることができる。

【メリット3】BCP対策の一環としてリスク回避に有効
BCPとは事業継続計画の略で、テロや災害といった危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意しておくことを意味する。電子帳票システムの利用はBCP対策としても効果的だ。各帳票はシステム上で管理され、バックアップ機能もあるため、万が一災害などがあってもデータを消失する可能性は低い。災害の多い日本では、考慮しておきたい点である。

【メリット4】業務の属人化解消が期待できる
システム導入により、誰でも処理できる入力業務における作業手順を構築し、業務を平準化することが可能になる。これにより、特定の人しか行えない業務が存在する「属人化」の解消が期待できる上、お互いがサポートし合うことも可能になる。さらに、業務の平準化が進むことで有給休暇の取得率アップや、残業時間の削減、作業や業務の再配分など、働き方改革にもつながるだろう。

デメリット 
帳票電子化のデメリットは、社内のさまざまなデータを電子化しなくてはいけないため、導入コストがかかってしまう点だ。電子化に関するノウハウがない場合は、システム管理者を育成することも必要になり、一時的に生産性が落ちる可能性もある。しかし、長期的に見れば業務効率化やそれに伴う生産性の向上、働き方改革など、システムを導入して得られるメリットの方が大きいと言えるだろう。

「電子帳票保存法」改正で、電子帳票システムがより求められるように

2022年1月に改正電子帳票保存法が施行される。「電子帳簿保存法」とは、帳簿や決算書、請求書など国税関係帳簿・書類を、電子化して保存することを認める法律だ。今回の改正のポイントは、電子帳票法の適用文書である、国税関係帳票・書類における、電子データ保存要件が、一部緩和されることだ。緩和される要件を一部紹介する。

●事前承認制度の廃止
これまでは国税関係帳簿・書類で電子データ保存・スキャナ保存を導入する場合、原則3ヵ月前までに税務署長などへ申請し、承認を受ける必要があったが、改正後はこの手続が不要になる。

●電子データの保存要件の緩和
国税関係帳簿・書類の電子データ保存で求められる要件に、「真実性の確保」と「可視性の確保」がある。これまでは保存要件が詳細に決められていたが、最低3つの要件を満たせば、電子データ保存が認められることとなる。

また、電子取引における電子データ保存が義務化されることも改正の大きなポイントだ。これにより、電子データで授受した請求書などの国税関係書類については、紙での保存が原則不可となり、電子データでの保管が義務付けられる。

今回の改正は「経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上・記録水準の向上」を目的に施行されるもので、多くの企業にとってデジタル化推進に舵を切る転機となり得る改正と言えそうだ。電子帳票システムを導入前に、関連する法律を確認し、法律の要件を満たすことを原則に、システム選定や業務体制を整えるなどの準備をしておくのが良いだろう。

なお、電子データ保存の義務化については、2年間の猶予期間が設けられる予定だ。(2021年12月現在の情報に基づいて記載しています)

参考/関連記事:『電子帳簿保存法が改正されました』

電子帳票システム導入の注意点

帳票システムの導入によって業務負担が軽くなる一方で、システム障害などによりデータが失われる可能性があることも事実だ。多くの帳票は法律で保存期間が定められているため、データの消失は企業にとって大問題に発展してしまう。データのバックアップが常に行われているかをしっかり確認し、万が一に備えておく必要があるだろう。

まとめ

法改正や環境に対する意識の変化で、帳票の電子化は企業が取り組むべき課題の1つに挙げられる。業務効率化や、業務の属人化解消、働き方改革の一旦を担う取り組みと捉えることもできる。メリット・デメリット、目的を明確化し導入を検討してみてはいかがだろうか。

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