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メンタルヘルスケアの意義と重要性、取り組み方を解説

2022.01.24
オフィスのミカタ編集部

企業にとって、取り組むべき重要な課題である「メンタルヘルスケア」。健康経営は企業の生産性に直結する要素の一つであり、適切なメンタルヘルス対策を取り入れたいと考えている担当者もいるだろう。

本記事では、メンタルヘルスケアの基本や重要性、メンタルヘルスケアによる効果などを解説する。自社のメンタルヘルス対策を構築する上での参考にしてほしい。

目次

●メンタルヘルスケアとは
●メンタルヘルスケアの意義と重要性
●メンタルヘルスケアの「3つの段階」
●メンタルヘルスケアの「4つのケア」
●メンタルヘルス対策の取り組み方
●まとめ

メンタルヘルスケアとは

企業におけるメンタルヘルスケアとは、従業員が健やかに、いきいきと働けるよう、気配りや援助を行うことを指す。メンタルヘルスケア活動が円滑に実施できるように「仕組み」や「制度」を構築することも、メンタルヘルスケア要素のひとつに含まれる。

メンタルヘルスケアの意義と重要性

メンタルヘルスケア対策は企業における社会的責任の1つであり、活気ある職場環境を保つために必要不可欠である。ここでは、メンタルヘルスケアを実施する意義について詳しくみていこう。

従業員の健康を保ち離職・休職を回避できる
企業にとって従業員の離職や休職は大きな損失である。メンタルヘルスケア対策に取り組み、従業員が健康に働くことができる職場を実現できれば、離職や休職といったリスクを減らすことが可能だ。従業員の不調を早期発見し、適切な対処をすることで、人材の離脱や流出を防ぎたい。

職場の生産性低下を防止できる
メンタルヘルスケアを適切に行うことで、職場における生産性の維持・向上も期待できる。仮に従業員がメンタルヘルスの不調をきたした場合、仕事に対する意欲や判断力の低下が懸念される。

そうした場合、これまで担っていた仕事の業務効率が落ち、結果として職場全体の生産性にも影響が及んでしまう。メンタルヘルスケアによって、そのようなリスクを回避することが重要だ。

従業員との不要なトラブルを回避できる
メンタルヘルスケアを企業として取り組むことで、従業員との不要なトラブルを回避することもできる。メンタルヘルスケア対策が未実施の場合や不適切だった場合、労災請求や民事裁判になるケースもあるため、適切なメンタルヘルス対策を心がけたい。

メンタルヘルスケアにおける「3つの段階」

メンタルヘルスケアとして、実際にどのような対策がとれるのか気になる担当者もいるだろう。メンタルヘルス予防策は、段階に応じて3つある。具体的な内容を段階ごとに見ていこう。

1次予防【未然に防ぐ】
1次予防とは、従業員がメンタルヘルス不調をきたす前に予防的に行うケアの段階を指す。従業員が各自行うストレス緩和ケアのほか、労働環境の改善もこの段階に含まれる。

2次予防【早期発見】
2次予防とは、メンタルヘルスに不調をきたした従業員を早期に発見し、その従業員に対して適切な措置を取る段階である。不調に気づいた従業員が相談できる窓口を設置するほか、産業医との面談を設けることなどが、この段階における主な施策だ。

3次予防【職場復帰支援】
メンタルヘルス不調により休職した従業員に対し、職場復帰のサポートを行う段階が3次予防である。職場復帰に伴う不安や焦りを緩和するためのフォローや、無理なく職場復帰できるような部署配置を行うほか、仕事内容の精査などを実施することが挙げられる。

メンタルヘルスケアの「4つのケア」

厚生労働省が示しているメンタルヘルスケアの指針として「4つのケア」がある。企業において、メンタルヘルス対策を推進する場合、先に述べた「3つの段階」で職場環境の改善や予防的ケアに取り組みながら、「4つのケア」を継続的かつ計画的に行うことが重要だ。

具体的な「4つのケア」の内容は次の通り。

●セルフケア
セルフケアは、従業員が自分自身で行うケアを指す。 企業側としては従業員に対して、ストレスに対する正しい理解や対処といった「セルフケア」が行えるよう、教育研修や情報提供を行う必要がある。

●ラインによるケア
ラインによるケアとは、部下を持つ管理監督者が行うケアのことを指す。メンタルヘルス対策において、管理監督者の役割は非常に重要だ。管理監督者の役目として、いつもと違う様子の部下を把握して適切な対応をすることや、部下からの相談に適切に対応するといったことが必要だ。

●事業場内産業保健スタッフ等によるケア
産業医、衛生管理者、保健師、心療内科の医師など、専門的な知識を持つ産業保健スタッフによるケアも必要だ。このケアにおける目的は、従業員や管理監督者に対する支援だ。「セルフケア」や「ラインによるケア」が効果的に実施できるよう、適切な連携が求められる。

●事業場外資源によるケア
事業場外資源とは、「都道府県メンタルヘルス対策支援センター」や「地域産業保健センター」「医療機関」などの施設を指す。このようなメンタルヘルスケア支援を行う機関や専門家とのネットワークを活用し、ケアを行うことも覚えておきたい。

これら4つのケアを念頭に置き、、必要に応じてメンタルヘルスケアの教育研修や情報提供を実施し、企業全体の取り組みとしていくことが重要だ。

参考:『メンタルヘルス対策(心の健康確保対策)に関する施策の概要』

メンタルヘルスケア対策の取り組み方

ここでは、より効果的なメンタルヘルス対策の取り組み方の一例を紹介する。自社に取り入れる際の参考にしてほしい。

経営層が率先して対策に取り組む
メンタルヘルスケアを推進する上では、経営層が従業員へ向けてメンタルヘルスの重要性を訴えるなど、企業として取り組む姿勢を見せることが有効だ。経営層が取り組みを発信することにより、企業全体での理解が進む機会となるだろう。

ストレスチェック制度を活用する
ストレスチェック制度とは、2015年12月に企業に対し実施が義務化付けられた従業員のストレスレベルを判定するアンケート形式での検査のこと。定期的にストレスチェックを行うことで、結果に基づいた対策をとることが可能となる。

産業医と連携する
従業員の健康管理を担当する産業医や、企業内の産業保健スタッフとの連携も効果的だ。産業医の業務は、健康診断の実施や結果への対処、長時間労働者の面談指導やストレスチェックの実施などさまざまあり、連携は必須だ。

このほか、企業内に「4つのケア」を実施する産業保健スタッフを配置すれば、相談窓口が明確化でき、メンタルヘルスケアの実施もよりスムーズになるだろう。

まとめ

企業におけるメンタルヘルスケアは、決して無視できない課題となっている。企業全体でメンタルヘルスへの知識を共有し、実行していくことが重要だ。自社においては、従業員が意欲的に働くことができる環境を整え、企業全体の生産性の向上につなげていけるような施策を検討してみてはいかがだろうか。

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