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ノー残業デー制度を形骸化させない。導入によるメリットや企業リスクの回避方法も紹介

2022.02.22
オフィスのミカタ編集部

「ノー残業デー」という言葉が誕生したのは1970年代と言われている。すでに40年が経ち、企業の取り組みの一つとして広く知られているが、形骸化しているケースも散見され、うまく取り入れられていない企業も多い。今回はノー残業デーを導入するメリットを再確認し、定着させる方法を紹介する。

ノー残業デーは残業せずに定時で業務を終了する曜日

ノー残業デーの定義は「残業せずに定時で業務を終了する日」だ。特定の曜日にノー残業デーを設定することが多く、官公庁の多くは週の中日に当たる水曜日に設定している。

ノー残業デーの導入により期待できる企業側のメリット

ノー残業デーを導入するということは、従業員の勤務時間が減るということ。企業側としては従業員にしかメリットがないのではと思いがちだが、企業側にも多くのメリットがある。一つずつ紹介していこう。

残業代の人件費・オフィス光熱費などの経費削減
残業が減ることによって人件費の削減、さらには残業によって生じたオフィスの光熱費削減も期待できる。

社内の業務の効率化を図るための意識向上
残業ができない日が設定されることで、定時に向けて効率的に業務を進めようという意識が生まれる。それにより業務全体の効率化が進む可能性がある。

社員のワークライフバランスが最適化でき離職率が低下
従業員の知識や経験は会社にとって大きな資産だ。従業員に離職されずに長く働いて活躍してもらえるように、社内環境の整備を行うのも会社としての大きな役割だ。ノー残業デーを活用して従業員のワークライフバランスを整えることで、会社への満足度を向上させて離職率の低下にもつなげることができるだろう。

社員のスキルアップに向けた時間を確保し生産性を向上
毎週決まった曜日にノー残業デーを設定することで、社員は余暇を楽しむほか、スキルアップに向けた勉強時間に充てることもできる。余暇を楽しんだ場合はオンオフとのメリハリがついて仕事への意欲が湧き、スキルアップに励んだ場合は業務の生産性が向上するなど、最終的に会社の利益へとつながるものと捉えることもできる。

ノー残業デーの導入による企業リスク

ノー残業デーを導入することでのリスクについても紹介する。主な課題は業務の量と緊急度だ。

仕事量の曜日におけるばらつき
毎週決まった曜日をノー残業デーとすることで、曜日ごとの仕事量にばらつきが出てしまうことは否めない。

イレギュラーな業務対応
ノー残業デーに突発的にトラブルが発生するなどして残業が避けられない場合にどう対応していくかを事前に検討する必要がある。毎回イレギュラーだからと対応していたらノー残業デーが形骸化する危険性があり、一切対応しないとするのも業種によっては難しい。

ノー残業デーを形骸化させず定着させる方法

ノー残業デーを設定したものの、組織として定着せず形骸化してしまうことは、従業員からの不信を買うことになる。ここでは定着させるための方法を解説していく。

残業しないことの生産性を評価制度に取り入れる
まずは人事評価制度の中に、生産性の項目を取り入れ、従業員にも認知させることだ。残業する=仕事を頑張っているという雰囲気が蔓延すると、ノー残業デーであろうと人は定時退社しにくいどころか、ダラダラと仕事を行う風土になる。だからこそ、時間対生産性の意識を高める評価軸を人事評価制度に積極的に取り入れてノー残業デーの定着と生産性の向上を促してほしい。

顧客に対してもノー残業デーの導入を周知する
導入課題の一つである顧客対応に関しては、全顧客に対してノー残業デーを導入したこと、それに伴い設定日は業務時間外の対応が不可であることを周知することも必要だ。一方で、業種・業界によっては、顧客対応の量が多く、導入難しいケースもある。その場合は、従業員の生産性を重要視し、コストをかけてカスタマーセンター機能を外部にアウトソーシングすることも一手だ。

トップダウンで上役からノー残業デーを実施する
社風にもよるが、自分の上司が残業をしていた場合、部下は定時を過ぎても帰りにくい状況に陥る。だからこそ、ノー残業デーの導入は会社全体の生産性を引き上げる経営手法の一つと捉え、率先して上役こそ定時退社をして、トップダウンで実施しをてほしい。

ノー残業デーの導入でサビ残や自宅での業務をして負担が増える?

ノー残業デーは、ただ特定の曜日の残業を禁止するだけでは形骸化してしまう。最近ではリモートワークなどが推進されている関係で、自宅にいても仕事ができることが多い。それにより、自宅でサービス残業をするなど、むしろ業務負担が増えてしまうことも考えられる。

ノー残業デーの定着には業務の効率化や従業員ごとの業務進捗状況の把握が欠かせない。そのために勤怠管理ツールを活用することが非常に有効だ。勤怠管理ツールには勤務時間の打刻機能はもちろんのこと、勤務時間超過を防ぐアラート機能や勤怠データの集計作業などが搭載されている。従業員の勤怠状況の管理から人事評価への反映もできて勤怠管理業務の削減にも一役買う。ぜひ導入を検討してみてほしい。


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まとめ

ノー残業デーはただ導入すればいいというものではない。導入前に、導入後のシミュレーションを行い、どういった問題点があるか、どうすれば解決できるかを検討し、会社・従業員ともにプラスとなるような制度にしてほしい。

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