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労務業務のアウトソーシングサービスの選定ポイントと代表的なサービスを紹介

2022.06.15
オフィスのミカタ編集部

給与計算や保険手続きなど、ミスが許されない労務業務でミスが出たり、属人化が進んだりするケースが多く、頭を悩ませている企業は多いのではないだろうか。そんなときに活用したいのが労務アウトソーシング。前述した課題を解決するために非常に有効だ。今回は労務アウトソーシングのメリットや代表的なサービスを紹介する。

バックオフィス業務の中核をなす労務の業務内容

まずは労務の業務内容についておさえていこう。

給与計算
毎月発生する業務の中でも重要性が高いのが給与計算。従業員のモチベーションや企業評価にも影響し、絶対にミスが許されないことから、担当者の負担が大きい。

勤怠管理
欠勤や遅刻、早退などの勤怠管理は、人事評価や給与額に関与するため正確に情報管理する必要がある。また、有休消化が適切にできているかのチェックも勤怠管理の一つだ。

保険手続き
法律で加入が義務付けられている法定福利厚生として「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「労災保険」「雇用保険」がある。これらは入社時の加入手続き以外にも毎年の保険負担率改定時にも対応する必要がある。

福利厚生業務
企業が任意で供与する福利厚生は独自に設定しているため、内容はさまざまだ。具体例としては通勤手当、住宅手当、育児・介護支援などがある。従業員の満足度向上に寄与するため、どんな福利厚生を採用するのか検討し、採用した場合の運用を担当する。

安全衛生管理
従業員の安全と健康を確保するために制定された法律「安全衛生管理法」があり、企業は遵守する必要がある。業種によって講じるべき措置内容は異なるが、健康診断や労災対応などは多くの企業が採用している項目だ。これらの管理も労務が行う。

就業規則作成
労働基準法に基づいて作成し、提出義務がある「就業規則」の作成も労務の仕事。働きやすい職場を構築するための規則づくりから、規則に基づいて運営ができているかのチェックまでが業務範囲となる。

労使関係管理
従業員で構成される労働組合の代表者などとの団体交渉に応じ、交渉の結果を労働条件に反映していく役割も担っている。

労務の詳しい業務内容については下記の記事で紹介している。労務業務での必要なスキルや年間スケジュール等、労務への理解度が深まる内容となっているので、ぜひ一読してほしい。
労務とは?業務内容や必要なスキルを紹介

労務業務をアウトソーシングしている企業が増えている理由

労務業務をアウトソーシングする企業が増加傾向にある理由を詳しく見ていく。

社員をコア業務に集中させることができる
労務業務には単調な作業から企業の根幹に関わる重要な業務まで、業務内容に幅がある。そこで単調な業務を外部委託し、コア業務に集中してもらうために利用するケースが多い。

労務管理に係る人件費や固定費が削減できる
コア業務以外をアウトソーシングすることで、労務管理に係る人件費を減らすことができる。業務スペースや人員が減ることによって固定費の削減も可能だ。

属人化やヒューマンエラーのリスクを低減できる
中小企業の場合、労務管理担当者が1人ということはよくある。1人しか業務内容を把握している人がいない場合、チェック体制の不備によりヒューマンエラーが起きやすく、担当者が不在の場合に業務が滞る属人化に陥りやすい。アウトソーシングはそういったリスクを低減できる。

リモートワークの促進を図ることができる
多くの労務アウトソーシングは、クラウドで資料を管理しているため書類等のペーパーレス化が進み、結果としてリモートワークがしやすい環境が整う。

労務業務のアウトソーシングサービスを選定のポイント

労務業務のアウトソーシングサービスは多く、どこが自社にとって最適なのか見極められず、導入に至らないという企業もあるだろう。ここでは選定する際のポイントについて解説する。

依頼したい業務がサービス範囲にあたるかどうか
労務業務は多岐にわたるため、どの業務をアウトソーシングしたいのかをまずは検討する必要がある。検討後、アウトソーシングする業務がサービス範囲にあるのかどうかをチェックしてほしい。

実績が豊富で安心して依頼ができるかどうか
労務業務は給与計算や勤怠管理、保険手続きなど社外秘の内容が多いため、信頼できるサービスを選ぶことは必須事項。実績の豊富さにも目を向けたい。

サポート体制の手厚さが自社の要件を満たすかどうか
サポート体制の手厚さも見逃せないポイントだ。フィードバックの頻度やコミュニケーション方法については契約前に確認しておきたい。

アウトソースする業務に見合った費用かどうか
多くの企業がアウトソースする理由の一つに、現状よりもコストダウンできるという点を挙げることから、コストについてもしっかりとチェックしたい。候補リストのサービスで見積もりを出し、現状よりもコストダウンできるのかを試算してほしい。ただ、あまりにも他社と比べて安いサービスは、品質に問題がある可能性も検討し、慎重に決定してほしい。

社内ノウハウが蓄積しにくいアウトソーシングのリスク

メリットが多い労務業務アウトソーシングだが、もちろんデメリットがないわけではない。社外スタッフに業務を委託するため、社内にノウハウが蓄積されず、社員のスキルアップにはならないという点だ。リスクを少しでも回避するために、社外に丸投げにするのではなく、自社内でも業務内容は把握するように意識したい。

幅広い業務に対応可能な労務業務アウトソーシングサービス

幅広い業務に対応しているおすすめのアウトソーシングサービスを紹介する。

TRIUMPH
自社で実際に使用した取り組み方をサービスとして提供する「TRIUMPH(トライアンフ)」。1998年に設立して以来、3000社以上の組織課題を解決してきた実績がある。労務業務をアウトソースできるだけでなく、プロセスの見直しや業務効率の改善も得意としている。
https://www.triumph98.com/

レジェンダ
労務だけでなく人事も含めた人事労務支援サービスを提供している「レジェンダ」は企業の「第二人事部」としてノンコア業務を受け持ち、さらにはコア業務をバリューアップする提案をして企業活動に伴走してくれる頼もしい存在だ。
https://www.leggenda.co.jp/

MINAGINE
給与計算や保険手続きのアウトソーシングと労務業務に関する課題を解決する課題解決型顧問サービスを展開している「ミナジン」。社会保険労務士法人が運営しており、スペシャリストによるサービスが安心できる。
https://minagine.jp/

エムザス
“ミスしない給与計算”に挑戦している「エムザス」は、給与計算とITを本業としている老舗企業だ。経営課題をIT活用で解決するサービスも提供しており、DXへの取り組みが遅れがちな中小企業の経営強化を推進している。
https://www.emxas.co.jp/

Remoba
バックオフィス全般のアウトソースに対応する「Remoba」の中で労務業務に特化したサービスを提供しているのがRemoba労務。煩雑な業務を一手に引き受けてくれる頼もしい存在だ。オンラインワーカーが、自社で指定したクラウドサービスで業務を行うため、負担なくアウトソースできるのが特徴だ。
https://remoba.biz/

まとめ

業務範囲の広い労務業務は、担当者の負担も大きく属人化しやすい。うまくアウトソーシングを活用し、社員には付加価値の高い業務へと専念してもらうことで、企業成長を促進することができるだろう。今回紹介したアウトソーシングサービスの選び方やおすすめサービスを参考に、自社での導入も検討してみてほしい。