【文例つき】採用・不採用通知メールを送る上で気をつけたいことや記載項目を具体的に紹介
採用活動において選考結果を伝える採用・不採用通知にメールを活用する企業は多いだろう。この記事では、求職者への配慮を欠かすことなく、効率的に進める方法について紹介していきたい。文例つきで詳しく解説するのでぜひ参考にしてほしい。
採用・不採用通知メールを送る上で気をつけたいポイント
まず、採用・不採用通知をメールで送付する際に気をつけたいポイントを4つ紹介する。
不採用者を含めた応募者全員に通知する
合否の結果は、採用者だけでなく不採用者も含めて応募者全員に通知するようにしよう。中には採用者のみに連絡する企業もあるが、応募や面接の参加に対するお礼もかねて全員に送る方が、企業姿勢として好感を持たれるだろう。
合否が決定し次第、迅速に対応する
選考中は応募者を待たせている状態であるため、合否が決定次第、速やかに通知するようにしたい。応募者の多くは、複数の企業を並行して選考を進めている。応募者にとっては1日の遅れが大きな違いを生むことを肝に銘じよう。
応募者がメールを見逃さないよう分かりやすい件名をつける
メールで送付する際に特に気をつけたいのが、他のメールに埋没してしまわないようにすることだ。一目で重要なメールだと認識できるように、わかりやすい件名をつけるようにしよう。
送信は就業時間内にする
メールの内容に対して、応募者から問い合わせが来る可能性もあるため、メールであっても就業時間内に送るようにしよう。特に遅い時間帯に送ると「遅くまで残業をしている会社」という印象を与えかねないので注意したい。
不採用理由を応募者に知らせる法的義務はないが真摯な対応も採用力
不採用通知を受け取った応募者の中には、なぜ不採用になったのか理由を知りたいと思う方もいるだろう。場合によっては直接、問い合わせを受けるケースもあるかもしれない。仮に個別で問い合わせを受けたとしても、具体的な理由を伝えることはおすすめしないが、「お応えできません」と突っぱねてしまうのも心象が悪くなる。「多数のご応募をいただいた中で、相対評価として結果を出させていただいた」といった内容を丁寧にお伝えするのがベターな対応と言える。
採用・不採用の通知方法は「メール」「郵送」「電話」の主に3種類
採用・不採用通知の方法は法的な規定等はない。ここでは、3つの通知方法を比較していこう。
コストが低く、採用・不採用者どちらにも迅速な対応が可能な「メール」
1つ目はメールで通知をする方法だ。費用も時間もかからず効率的な上、迅速に通知できるため企業にとっても応募者にとってもメリットの大きい方法と言えるだろう。
手間とコストがかかるが、採用者に書類一式をまとめて送れる「郵送」
2つ目は文書を郵送する方法だ。手間とコストはかかるものの、採用者に提出して欲しい書類もまとめて送れる点がメリットと言える。
採用者の反応がすぐに分かる「電話」
3つ目は電話で連絡する方法だ。メールや郵送の場合、事務的だと受け取られる可能性もあるが、電話なら肉声で伝えられるという点が最大のメリットだろう。また、会話をしておくことで応募者の辞退も抑制できるだろう。
不採用のパターン別のメール文例
担当者として特に気を揉むのが、不採用の場合の伝え方だろう。ここでは、選考段階別に3つのパターンの文例を紹介しよう。
書類選考後の不採用通知メール例
〇〇様
株式会社△△の××と申します。
この度は、数ある企業の中から
弊社にご応募いただき、誠にありがとうございます。
さて、書類審査の結果につきまして、
社内で慎重に検討いたしましたところ、
誠に残念ながら、この度は採用を
見送らせていただくこととなりました。
ご希望に沿えず誠に恐縮ですが、
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
尚、お預かりいたしました応募書類につきましては、
弊社で責任を持って処分させていただきます。
末筆ながら、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を
お祈りしております。
面接後の不採用通知メール例
〇〇様
株式会社△△の××と申します。
先日は弊社までご足労いただき、誠にありがとうございました。
さて、選考結果につきまして、
社内にて慎重に検討いたしましたところ、
誠に残念ながら、この度は採用を
見送らせていただくこととなりました。
ご希望に沿えず誠に恐縮ですが、
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
尚、お預かりいたしました応募書類につきましては、
弊社で責任を持って処分させていただきます。
末筆ながら、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を
お祈りしております。
最終面接後の不採用通知メール例
〇〇様
株式会社△△の××と申します。
先日は最終面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
さて、選考結果につきまして、
社内にて慎重に検討いたしましたところ、
誠に残念ながら、貴意に沿いかねる結果となりました。
このようなお返事を差し上げるのは
大変心苦しい限りではございますが、
何卒ご了承くださいませ。
尚、お預かりいたしました応募書類につきましては、
弊社で責任を持って処分させていただきます。
末筆ながら、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を
お祈りしております。
採用通知メールの件名は一目で重要度がわかるように
採用・不採用通知をメールで送る際は、一覧で埋もれてしまわないよう、一目でわかるようにすることが重要だ。特に採用通知に関しては、応募者に気づかれることなく他社で内定を決めてしまわれるようなことがないように注意したい。
件名:【選考結果のご連絡】株式会社△△
差出人:株式会社△△ 人事部採用担当
といったように、件名に企業名も入れておくとわかりやすいだろう。また、差出人についても、「採用グループ」などのメーリングリストを使うと良いだろう。
選考を促す採用通知メールに記載する項目のポイント
採用通知の場合は、単に結果を伝えるだけでなく、エンゲージメントを強めて選考を促したい意図もあるだろう。ここでは、採用通知で好印象を与えるための項目のポイントをお伝えしよう。
件名
例:【採用通知】株式会社△△
件名は前述の通り、一目で重要度がわかり開封してもらうことが大切だ。採用通知であれば、件名で採用である旨を明確に伝える方が効果的だ。
応募者名
メールは本文の冒頭に宛名を入れるのがマナーだが、応募者に対してのメールであればフルネームで入れておくほうが丁寧だろう。また、本文中にも応募者名を入れておくと、語りかけるような文面となり、好感を持たれやすいだろう。
挨拶文
例:株式会社△△の××と申します。
先日は弊社の最終面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
挨拶文として、企業名と担当者名を述べてから、応募いただいたことや面接にお越しいただいたことについてのお礼を伝えよう。
選考結果
例:さて、厳正なる選考の結果、〇〇様を弊社社員として採用することが決定いたしました。
選考結果については、採用した旨が簡潔に伝わることが重要だ。さらに、面接で評価した点などを記載すると印象も良くなる。
今後のスケジュールやフロー
例:入社書類を郵送にてお送りいたしますので、ご記入・ご捺印の上、○月○日までにご返送くださいますよう、お願い申し上げます。ご不明な点がございましたら、記載の連絡先までご一報ください。
結びの挨拶
〇〇様をお迎えできることを、社員一同大変うれしく思っております。メールにて恐縮ですが、取り急ぎご連絡申し上げます。
担当者名および連絡先
不明な点があった際に問い合わせがしやすいよう、必ず担当者名と連絡先を入れておこう。
採用メールこそ選考通過理由を具体的に添える
不採用の場合には具体的な理由を伝えない方が良いが、採用の場合には積極的に伝えた方が良い。応募者が「自分のことをしっかり見てくれている」「評価されている」と感じれば、エンゲージメントが強まり、内定者フォローにつながるだろう。「挑戦を恐れず、経験から学び続ける姿勢に感銘を受けました」など、自社が求める価値観やスキルを踏まえて評価した点を伝えよう。
さらに、内定辞退を抑制する方法としては、メールに加えて電話で直接伝えるという方法もある。こちらの熱意も伝わりやすく、喜びを分かち合うことができれば、辞退を踏みとどまらせる効果も高いと言える。
まとめ
業務の忙しさから、形式的になりやすい採用・不採用通知だが、応募者に寄り添い一手間加えるだけで自社への印象は大きく変わってくる。ぜひこの記事を参考にして、採用力の向上に努めてほしい。