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プレミアムフライデー導入から2年。取り組みや意識に変化はあったのか?

2019.04.10

2017年2月に導入し、2年が経過した「プレミアムフライデー」。世間のプレミアムフライデーに対する取り組みや意識に変化はあったのか。そこで、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営する株式会社エアトリ(本社:東京都新宿区)は、「プレミアムフライデー」に関する調査を実施。個人消費も働き方も「変わらない」が過半数を超える一方、サービス業界に向けた「プレミアムウェンズデー」や、柔軟に働き方を選択できる「セブンデイズサンデー」導入を求める声もあがった。

■プレミアムフライデーとは?

「プレミアムフライデー」は政府が経団連などと連携して検討してきたもので、月末の金曜日に早めに仕事を切り上げ、夕方から買い物や飲食、旅行などを楽しんでもらうという消費喚起策のこと。デパートなどでセールを実施したり、特別な商品・サービスを提供したりすることを想定して創られたキャンペーン。

■導入後に廃止する企業が増加!

■導入後に廃止する企業が増加!

90.3%の人が「導入されていない」と回答。また、1年前に実施した調査との比較では、「導入された」(6.9% ⇒ 5.5%)と、導入する企業は増えておらず、「導入されたが中止となった」(1.0% ⇒ 1.6%)と、導入後に廃止する企業が増加していることが分かった。

■プレミアムフライデー、91.3%の企業は継続予定

■プレミアムフライデー、91.3%の企業は継続予定

勤務先でプレミアムフライデーが導入されている人に対し、「今後の継続」について聞いたところ、「継続予定」と回答したのは91.3%という結果に。一方、「条件を変更し継続予定」が4.3%、「導入を検討中」が2.2%、「中止予定」が2.2%となった。

■理想と現実のギャップ⁉パートナーや友人とは過ごせない!

■理想と現実のギャップ⁉パートナーや友人とは過ごせない!

プレミアムフライデー導入前の2017年1月に実施した調査では、「プレミアムフライデーが導入されたら誰と過ごしたいですか?」という問いに対し、1位は「パートナー」(50.1%)、続いて「一人」(48.1%)、「友人」(45.6%)という結果だった。
今回、勤務先でプレミアムフライデーが導入された人に対し、実際に「誰と一緒に過ごしたか?」を聞いたところ、「一人」が60.9%で1位となり、導入前調査で1位だった「パートナー」は17.4%、3位だった「友人」は10.9%にとどまった。
一方で、導入前調査では回答が無かった「会社関係の人」が10.9%で3位と、導入する企業が限定的なために、パートナーや友人とは時間を合わせることができず、実際には時間を合わせやすい「会社関係の人」とプレミアムフライデーを過ごしていることが推察され、理想と現実のギャップが見える結果となった。

■導入前と導入後の回答に大きな変化

■導入前と導入後の回答に大きな変化

プレミアムフライデー導入前の2017年1月に実施した調査では、「プレミアムフライデーが導入されたら何をして過ごしたいですか?」という問いに対し、1位は「旅行」(70.9%)、続いて「自宅でゆっくり」(46.4%)、「買い物」(36.0%)となった。
今回、勤務先でプレミアムフライデーが導入された人に対し、「何をして過ごしたか?」を聞いたところ、1位は「自宅でゆっくり」(45.7%)、2位は「買い物」(41.3%)、3位は「外食」(34.8%)という結果になった。導入前調査で最多回答だった「旅行」は8.7%となり、また、勤務先でプレミアムフライデーが導入されているにもかかわらず、制度を活用せずに「仕事」と回答した人も41.3%にのぼり、導入前と導入後の回答に大きな変化があった。

■消費への一定効果!

■消費への一定効果!

勤務先でプレミアムフライデーが導入された人に対し、導入前後の出費について聞いたところ、過半数が「変わらない」と回答。一方、「増えた」が30.9%、「減った」が7.3%と、消費への一定の効果が見て取れる結果になった。

■プレミアムフライデーが導入後も働き方は変わらない⁉

■プレミアムフライデーが導入後も働き方は変わらない⁉

勤務先でプレミアムフライデーが導入された人に対し、「働き方が変わった」かを聞いたところ、最も多かったのは「変わらない」(72.7%)という結果となった。一方、「良い方に変わった」と答えた人が16.4%、「悪い方に変わった」が10.9%と、賛否が分かれた。「今後も継続すべきか」の質問に対しても、「継続すべき・条件を変えて継続すべき」が19.9%、「止めるべき」が16.3%と、意見が割れている。

「継続すべき・条件を変えて継続すべき」と回答した人の意見
・金曜日である意味は無いが、働く時間が減るのは良いこと。一律金曜日ではなく、プライムデーという形で業種や業態により自由に設定できるようにし、制度の恩恵を皆が受けられるようにして欲しい(50代女性)
・月末且つ週末は、事務処理の締め日で忙しい人も多いのでは?どうしてこの日にしているかは謎だが、早く帰る日を作るのは賛成(50代女性)
・病院や免許更新などの役所手続きに活用できている。今までは休暇を取る必要があった(40代女性)
・サービス業界用に「プレミアムウェンズデー」の導入を求む。業種により導入できない企業も考慮すべき(60代男性)

「どちらでもよい」と回答した人の意見
・GWの10連休もそうだが、非正規雇用だったりサービス業に従事する人間にとっては恩恵が薄く、現実に即していないように感じる(50代男性)
・日本人は働きすぎである。「セブンデイズサンデー」とし、根本から働き方を変えるべき(30代男性)
・「プレミアムフライデー」という制度があったことを、このアンケートで思い出した(30代男性)
・あんまり意味がない。憂鬱な月曜日を休める「メンタルヘルスマンデー」の方が嬉しい(40代女性)
・プレミアムフライデーという言葉が、“ブラックジョーク”のように扱われてしまっている現状を憂う(50代男性)

「止めるべき」と回答した人の意見
・世の中に認知されておらず、企業自体が既読スルー状態(60代女性)
・契約社員には関係ない(50代男性)
・政府が法的且つ強制的に進めない限り、日本のビジネス環境での浸透は無理(60代男性)
・パートや契約社員は収入が減るだけ。定時までの給料が出るなら大賛成(40代女性)
・金曜日に早く帰った分、土曜日に出勤している人がいるので意味がない(40代女性)
・導入している企業は、もともと有給もしっかり取れるような大手ホワイトが多いと思う。サービス業などには全く関係ない制度だし、ますます仕事が増える。不公平極まりない(40代女性)
・フレキシブルな時間の使い方を推奨すべき。祝日を増やす発想と変わらない(40代男性)
・一部トップ企業や、中央官公庁だけのセレモニー。実情とかけ離れた机上の企画(70代男性)
・祝日のようにある程度の強制力が無いと効果が出ない。ある意味GW10連休の方が効果的では(40代女性)

■調査概要

・調査タイトル :「プレミアムフライデー」に関するアンケート調査
・調査対象 :10代~70代の男女781名
・調査期間 :2019年3月19日~3月21日
・調査方法 :インターネット調査
・調査主体 :株式会社エアトリ

■まとめ

今回のアンケート調査から、早めに退社できる企業がある一方で、そうでない企業の二極化が発生している。職場環境は企業によって異なるため、「自分は早く退社できないが、他の企業の社員は早く退社している」という状況が発生し、プレミアムフライデーによる恩恵を受けられない企業の社員のモチベーション低下へ繋がりかねない。
今後、社員の業務生産性や働き方の向上として、プレミアムフライデーに固執せず、「プレミアムウェンズデー」などの、企業や従業員にあった制度を取り入れいくことも必要ではないだろうか。

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