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経理・情シス対象【インボイス制度・電子帳簿保存法への対応の実態調査】約60%が課題を抱えながら運用

2024.02.21

クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供しているjinjer株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:桑内孝志)は、企業の経理、情シス担当者の計603名を対象に「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応」の実態調査を実施した。ここでは調査結果の一部を紹介する。

調査結果の詳細はこちら

調査概要

調査概要:「インボイス制度・電子帳簿保存法への対応」の実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月29日〜2024年1月30日
調査対象:経理担当者・情報システム部門 603名
出典元:jinjer株式会社

調査の背景

2022年の税制改正で見直されたインボイス制度と電子帳簿保存法。企業の経理担当者は各種対応が求められており、特に、2024年1月1日から電子取引のデータは完全に電子保存が義務化となったため、紙の保存ができなくなった。

この変更により経理業務の一部が効率化される一方で、大きな負担が発生し、電子保存のためのシステム導入やデータ管理、インボイス制度では適格請求書の管理と消費税申告の精度向上のための体制整備が必要となっている。同社はこれらの制度対応の実態を把握するために実態調査を実施した。

インボイス制度の概要|国税庁

電子帳簿保存法の概要|国税庁

約50%が経費精算システム「導入済み」約60%が運用に課題

約50%が経費精算システム「導入済み」約60%が運用に課題

同社は「経費精算システムの導入状況を教えてください」という質問に対し「システム導入あり」が50.7%と過半数を超え、一方で「システム導入なし」は26.2%「システムの導入状況を把握していない」は23.1%となったことを明らかにした。

さらに同社は「電子帳簿保存法やインボイス制度の対応に伴い、該当するものを選択してください」と質問。これに対し「インボイス制度の理解/運用が難しい」「電子帳簿保存法の理解/運用が難しい」という回答が計58.6%となり、制度の理解や運用に課題を感じている企業が約6割に及んでいることがわかった。他にも「経理担当者の業務が大幅に増えた(17.2%)」「従業員の運用がうまく定着しない(11.4%)」と、多くの企業で制度の運用に関して課題を感じていることがうかがえる。

8割以上が経費精算システムの導入により対応の効率化を実感

8割以上が経費精算システムの導入により対応の効率化を実感

続いて「経費精算システムの導入によって、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は効率化されたか」という質問では「やや効率化された」が57.5%「非常に効率化された」が25.2%と、8割以上の企業が効率化を実感していることがわかった。

一方で「あまり効率化できていない」「全く効率化できていない」と回答した企業では「システム導入によりむしろ業務工数が増えた(41.5%)」「従業員にうまく定着しない(35.8%)」と、システムの運用に課題を感じる声が寄せられている。また、同社によれば「システムではなく、法改正などの制度理解が難しい(24.5%)」という、そもそもの制度理解に課題があるという企業も少なくないようだ。

「システムの導入・刷新を検討」約4割

「システムの導入・刷新を検討」約4割

同社は「今後、経費精算システムの導入や刷新を検討しているか?」との質問に「検討する可能性がある(28.5%)」「検討している」(10.3%)と、約4割が経費精算システムの導入や刷新を検討している回答になったことを明らかにした。

また「経費精算システムの導入や刷新を検討する上で、重要視する点」については「従業員が使いやすいUI/UXが良い/よりシンプルにシステムにしたい(67.9%)」「導入工数がかからず、すぐに運用できるものにしたい(44.4%)」との声が多く寄せられている。多くの企業が「従業員に上手く定着するか」という観点を重要視しているようだ。一方、約25%が「使うシステムはなるべく増やしたくない」と回答しており、システムの導入で工数が増えることを懸念する声もあることがわかった。

まとめ

同社はインボイス制度の導入と電子帳簿保存法の改正は、経理や情報システムの領域に大きな変革をもたらすものであり、企業には迅速な対応が求められるとしている。一方で、創業手帳が2023年12月に会員を対象に実施したアンケートでは、電子帳簿保存法の改正内容について「理解できていない」とする人が4割を超える実態が明らかに。本調査でも「システムではなく、法改正などの制度理解が難しい」との声が挙げられており、制度への理解が追いついていないようだ。

デジタル化と効率化を図る上で、制度を正しく理解することは必要不可欠。システム導入の際に自社に最適なものを選定するためにも、まずは制度を理解し、どのような対応が必要かを見極めることが肝要だろう。

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