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仕事に関する様々な不満が最も多いのは40代 スコラ・コンサルト調査

2025.01.24

株式会社スコラ・コンサルトは、全国の社員100名以上の企業の一般職・管理職・役員およそ6000名を対象に「組織に関するアンケート調査」を実施。仕事に関する様々な「不満」を感じている人は、20代~60代の中で40代が最も多いとの調査結果を報告した。40代の不満が高い状態は「職場のミッドライフ・クライシス」の兆しと言えるとして「職場のミッドライフ・クライシスを防ぐ対策」についても解説した。

調査概要

調査主体:株式会社スコラ・コンサルト
調査方法:調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答
調査期間:2024年10月18日~10月22日および11月14日~18日
有効回答数:6186人(内訳:一般職(一般社員・係長)3771人、管理職(課長・部長)1600人、役員(役員・経営者)815人)
出典元:株式会社スコラ・コンサルト

「今のチームのメンバーでいること」への不満

「今のチームのメンバーでいること」への不満

本調査ではまずはじめに、今のチームのメンバーでいることに満足しているかどうか質問。その結果「今のチームのメンバーでいることに満足している(「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」の合計)」と回答した割合は「20代:54.0%」「30代:43.5%」「40代:42.4%」「50代:43.9%」「60代:50.6%」になったという。40代では20代より11.6%、60代より8.2%低い結果となっており、満足している人が最も少ない年代であることがわかった。

「今のチームのメンバーでいることに不満(「そう思わない」と「どちらかと言えばそう思わない」の合計)」と回答した割合は「20代:15.4%」「30代:22.3%」「40代:24.8%」「50代:22.6%」「60代:14.9%」となっており、40代が最も高いことが判明した。

現在の職場への不満

現在の職場への不満

次に本調査では、現在の職場にどのような不満を持っているか質問しており、上位10項目のすべてで40代の回答が最も多いとの結果が出ている。

同社はグラフから外れた11位以下も含む全選択肢の20項目について、回答の合計ポイント(各選択肢のパーセンテージの合計)が「20代:148.9ポイント」「30代:186.5ポイント」「40代:213.2ポイント」「50代:185.5ポイント」「60代:167.0ポイント」と、40代の不満の回答が最も多くなったことを報告した。

なお40代の回答の上位3つは次の通りであった。
・「一部の人に業務が集中している」26.7%
・「社員のそれぞれの仕事が手一杯で余裕がない」22.9%
・「仕事を怠ける、サボる社員がいる」20.4%

直属の上司への不満

直属の上司への不満

続いて本調査では、直属の上司について不満に思うことは何か質問。グラフから外れた11位以下も含む全選択肢の22項目について、回答の合計ポイント(各選択肢のパーセンテージの合計)は「20代:139.4ポイント」「30代:168.9ポイント」「40代:194.7ポイント」「50代:168.2ポイント」「60代:177.3ポイント」と報告された。この設問においても40代の不満の回答が最も多いことがわかる。

また、同社の報告によれば、上位10項目のうち7項目で40代の回答が最も多いこともわかっている。なお、40代の回答の上位3つは次の通り。
・「部下への仕事の配分が適切でない」16.9%
・「上の役職者の顔色ばかりを気にしている」15.9%
・「部下への教育や助言が不十分」15.9%

現在の仕事への不満

現在の仕事への不満

次に本調査では、現在の仕事にどのような不満を持っているか質問しており、上位10項目のうち7項目で、40代の回答が最も多いとの結果が報告された。

グラフから外れた11位以下も含む全選択肢の16項目について、回答の合計ポイント(各選択肢のパーセンテージの合計)は「20代:160.6ポイント」「30代:188.0ポイント」「40代:212.8ポイント」「50代:185.2ポイント」「60代:138.7ポイント」と、この設問についても40代が最も多い。

なお、40代の回答の上位3つは次の通り。
・「仕事の負担やストレス、プレッシャーが大きすぎる」27.4%
・「仕事に必要なリソース(人、モノ、金)が不足している」26.8%
・「仕事の進め方が非効率的すぎる」19.8%

職場のミッドライフ・クライシスを防ぐ対策

本調査結果の発表と併せて、同社は職場のミッドライフ・クライシスを防ぐ対策についても解説。3つの方法を紹介した。

1つ目の対策方法として同社は「自分自身の価値観を再認識する」ことを挙げている。自分自身の価値観を明確にすることが、異なる世代の価値観に振り回されすぎないようにするために大切だと提言した。

2つ目に紹介されたのは「積極的な対話を通して相互理解を深める」ということだ。同社は日頃からの積極的なコミュニケーションにより、世代間で腹を割って話し合う機会を持つことが必要だと解説する。一方的な押し付けではなく、互いの価値観を理解し尊重することが重要だと述べた。

そして最後に紹介されたのが「多様性を前提としたチームワークを構築する」ことである。同社は現代社会においてチームで成果を出すためには、それぞれの違いを認め、その違いを強みとして活かすことが重要だと解説している。

まとめ

管理職やリーダーとして組織を支える役割を担うことが多い40代。彼らが多くの不満や負荷を感じているのは、価値観の多様化が進む中で中間管理職に課される負担がより増大していることが要因だと考えられる。

上の世代が持つ昭和の価値観と、若手世代が持つ令和の価値観には大きな乖離があり、その狭間に立たされているのが40代だ。両世代の橋渡し役としての役割を果たすためには、どのようなサポートが必要なのだろうか。

これからの組織を牽引していく40代の課題解決は、組織の持続的かつ長期的な成長に欠かせない。同社は多様性を前提としたチームワークを粘り強く構築していく取り組みを実現するべく、経営やマネジメントが環境や仕組みをつくっていく必要があると解説した。