日本の働き世代の8割が自身の睡眠不足を実感 NTT PARAVITA調査

NTT PARAVITA株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:中野康司)は、3月14日の「世界睡眠デー」に合わせて、運営する企業向け睡眠改善サービス「ねむりの応援団」のユーザーデータを基にした調査レポートを公開した。
調査概要
調査対象:企業で就業している20代~60代
調査期間:2023年7月4日~2025年1月29日
調査方法:ねむりの応援団導入企業のうち、睡眠センサーを用いて睡眠計測を行ったユーザーの睡眠データとアテネ不眠尺度の回答を抽出して分析
主な分析項目:睡眠時間、寝つき時間、中途覚醒、睡眠の質、日中の眠気、不眠度
調査対象ユーザー数:948人(20代:204名、30代:157名、40代:248名、50代:281名、60代以上:58名)
出典元:【調査レポート】働き世代の睡眠の実態とは? 80%が日本の平均睡眠時間に満たないことが明らかに(NTT PARAVITA株式会社)
働き世代の80%が睡眠不足?平均睡眠時間は6時間27分

同社によると、2021年に行われた経済協力開発機構(OECD)の調査で、日本人の睡眠時間は7時間22分と加盟国33カ国のなかでもっとも短いと報告されたという。さらに本調査では、働き世代の79.9%はOECDの日本の平均睡眠時間に満たないことが明らかになった。
同社が分析した働き世代の平均睡眠時間を見ると、OECDの日本の平均睡眠時間と比較して55分短い6時間27分となっている。年代別では「50代:6時間3分」「60代:6時間11分」「40代:6時間28分」「20代・30代:6時間47分」と、50代が最も短いことが判明した。
また、働き世代の平均寝つき時間は13分だったという。89.3%が20分以内に入眠している一方で、10%は寝つくまでに20分以上かかっていることも明らかになった。なお、20分以上かかる人の約半数が20代であり、20代では25%が入眠に20分以上を要しているという。さらに、一部の20代では、5分以内に入眠する極端に短いケースも見られており、同社は日ごろの睡眠不足が影響しているとの考察を示した。
続いて同社は、中途覚醒に関するデータを公表。布団に入ってから20分以上にわたり覚醒している人の割合は38.4%と報告されている。
働き世代の80%以上が主観的にも睡眠時間が不足していることを実感

同社は次に、主観的な評価に関する分析を行っており、客観的なデータだけでなく主観的な評価においても睡眠不足を実感している人が多いことを報告した。睡眠時間に関する質問「夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りてましたか?」の回答結果では、85.8%が「自身の睡眠時間が不足している」と回答したという。
また、睡眠の質に関する主観調査では、89.2%が自身の睡眠の質に満足していないことが判明。寝つきに関する主観調査では62.8%が「寝つきに時間がかかる」と感じており、特に20代は「寝つきが良い」と回答した割合が最も低い結果になったという。
さらに、十分な睡眠が得られていると回答した人はわずか15%程度にとどまり、残りの85.1%が「不眠症の疑いが少しある」または「不眠症の可能性が高い」結果となったことが報告されている。なお同社は、日中の眠気に関する主観調査において、働き世代の89%が日中に眠気を感じていることも報告した。
まとめ
客観的にも主観的にも、睡眠時間が不足していると感じる働き世代が多いことが明らかになった。また、睡眠不足の影響から約9割もの人が日中に眠気を感じていることも判明しており、仕事のパフォーマンス低下を招いている可能性が高い。
生産性の低下やメンタルヘルスの悪化を引き起こしかねない睡眠不足。従業員の眠りを改善するための取り組みは必要不可欠とも言えそうだ。厚生労働省は健康づくりのためのガイドラインを公開している。従業員への情報提供として活用してみてはいかがだろうか。
参考:睡眠対策 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)