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正社員の4割以上が選択する「静かな退職」、幅広い年代に浸透か マイナビ調査

2025.04.23

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、20~59歳の正社員を対象に実施した「マイナビ 正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)」の結果を発表。「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなすことを指す。近年のワークライフバランスを重視する動きが加速化したことによって、この働き方が増え、注目されている。

調査概要

出典元:正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)(株式会社マイナビ)
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある
<個人向け調査>
調査期間:2024年11月15日~11月18日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20~59歳の正社員の男女
有効回答数:3000件
<企業向け調査>
調査期間:2025年3月3日~6日
調査方法:インターネット調査
調査対象:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人のうち、前月採用活動を行った人、今後3カ月で採用活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人
有効回答数:815件

正社員の4割以上が「静かな退職」をしていると回答 幅広い年代に浸透か

正社員の4割以上が「静かな退職」をしていると回答 幅広い年代に浸透か

本調査ではまずはじめに、20~50代の正社員に「静かな退職」をしているか質問。その結果44.5%が「静かな退職」をしていると回答したことが明らかになった。年代別にみると、最も多いのは「20代:46.7%」で、次いで「50代:45.6%」「40代:44.3%」が続く。

続いて「静かな退職」で得られたものがあるか尋ねる項目で「得られたものがある」と回答した人は57.4%と半数を超えている。具体的には「休日や労働時間、自分の時間への満足感(23.0%)」「仕事量に対する給与額への満足感(13.3%)」という声が多いようだ。

今後も「静かな退職」を続けたい人が多数 きっかけとなったのは?

今後も「静かな退職」を続けたい人が多数 きっかけとなったのは?

今後の意向としては「働いている間はずっと静かな退職を続けたい(29.7%)」が最も多く、次いで「できるだけ静かな退職を続けたい(22.7%)」「どちらかといえば静かな退職を続けたい(18.0%)」が続いている。

本調査では今後の意向について年代別に分析。「静かな退職を続けたい」割合は40代が73.5%で最も多く「静かな退職を続けたくない」は20代が最も高く35.4%であったことが報告された。

なお「静かな退職」を選んだきっかけには、損得を重視している声や、そもそも無関心だという声のほか、仕事・環境との不適合や、評価・処遇に対する不満など、ネガティブな要因もあることが判明している。

中途採用担当者の約4割が「静かな退職」に賛成

中途採用担当者の約4割が「静かな退職」に賛成

次に本調査では、企業の中途採用担当者に「静かな退職」について賛否を尋ねた。その結果「賛成(賛成14.1%+どちらかと言えば賛成24.8%):38.9%」が「反対(反対14.6%+どちらかといえば反対17.5%):32.1%」を6.8pt上回ったことが判明。反対と比較して賛成が多かった業種は「IT・通信・インターネット」や「金融・保険、コンサルティング」で、賛成と比較して反対が多かった業種は「不動産・建設・設備・住宅関連」や「流通・小売」であったという。

賛成意見には「人それぞれだと思うので、キャリアアップを求めない働き方も考慮すべき」「そういった人材がいないとなりたたない業務もある」といった声が寄せられている一方、反対意見には静かな退職をしている人の周囲への影響や会社への有益性を懸念する声があったようだ。

まとめ

やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなす「静かな退職」という働き方をしている正社員が、4割以上存在することが明らかになった。今後も継続したいと考えている人は約7割と高い割合を示している。採用担当者らは個人の価値観を尊重し理解を示す一方で、業種や業務内容によっては反対派が上回るケースもみられた。

ワークライフバランスへの価値観は多様化しており、自身の意思で働き方を選択できることが理想だろう。一方で、同社は不本意ながら「静かな退職」を選択している人が一定数存在すると分析。仕事環境や評価・処遇への不満などがきっかけとなっている場合には、改善への取り組みが必要だと提言している。

個人の多様な価値観は受け入れつつ、従業員の本音を把握する取り組みや、不満の種を取り除く工夫、制度改革などを実施することが、より働きやすい職場づくりへとつながるだろう。改めて従業員の声を聞く機会としてみてはいかがだろうか。