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小規模企業のストレスケア「周囲のサポート」に注意が必要? ヒューマネージ調査

2025.04.18

株式会社ヒューマネージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤亮三)は、2024年に企業で実施されたストレスチェックの分析結果を発表した。同社が提供するストレスチェック『Co-Labo(コラボ)』の結果を分析したもので、55万名以上のデータが対象となっている。同社は今後ストレスチェック制度の実施が従業員50名未満の小規模な企業にも義務付けられる見込みとなっていることを受けて、本調査を実施。小規模な企業のストレス状態にどのような傾向があるか、明らかにした。

分析対象

調査時期:2024年実施分(2023年12月~2024年11月)
調査票:ストレスチェック『Co-Labo』 (『職業性ストレス簡易調査票』+独自設問が追加された調査票)
分析対象:55万0334名
出典元:【働く人のストレス調査】「小規模な企業は、人間関係が密で、同僚のサポートが得やすい」は、誤り?~ヒューマネージ、実施義務化に先立ち、小規模企業のストレスチェック分析結果を発表~(株式会社ヒューマネージ)

小規模企業「周囲のサポート」に要注意?

小規模企業「周囲のサポート」に要注意?

本調査では、現制度で義務化されている企業のなかで従業員の少ない企業群=従業員50名以上100名未満の企業について分析を実施。従業員の人数に因らず各社の傾向を確認するため、各々の企業の従業員の平均値を出し、その平均値が「良好」「普通」「注意」のどの水準に該当するかを示した。

その結果、小規模企業は全体に比べ「ストレスの原因(ストレッサー)」「ストレスによって起こる心身の反応(ストレス反応)」が良好な企業が多い一方で「周囲のサポート(ソーシャルサポート)」については約2割(19.2%)が「注意」の水準に該当したという。同社は「周囲のサポート(ソーシャルサポート)」は「ストレスによって起こる心身の反応(ストレス反応)」に影響するものであるとして、これが不足していることで、今後、心身の不調につながる恐れがあると指摘した。

さらに同社は「周囲のサポート(ソーシャルサポート)」を構成する3要素「上司からのサポート」「同僚からのサポート」「家族・友人からのサポート」についても同様に比較。その結果、小規模な企業は「上司からのサポート」「同僚からのサポート」について注意が必要な企業が全体に比べて多く、特に「同僚からのサポート」は、32.3%が「注意」の水準であることが明らかになっている。

まとめ

今後ストレスチェックの実施が小規模企業にも義務付けられていく動きとなっているが、ストレスチェックは実施するだけでなく、その結果をもとに従業員のケアや環境の改善に取り組むことが重要だ。

本調査では小規模な企業において「周囲からのサポート」に関する項目で、注意群が全体を上回るとの結果が報告された。特に同僚や上司からのサポートで全体よりも注意群が多く、改善の必要性が示されている。同社は「実務的に助け合える体制になっていない」「頼れる人が限られる」など、少人数の職場ならではの課題があると推察した。

従業員の心身の不調を防ぐことは、企業規模を問わず重要な取り組みのひとつである。まずはストレスチェックの実施で自社の実態や課題を把握し、改善に向けた取り組みを検討していただきたい。