リーガル特化型AIエージェントで複雑なリサーチ業務を支援 弁護士ドットコム

弁護士ドットコム株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO・弁護士:元榮 太一郎)は、法務領域に特化したAI基盤技術「Legal Brain 1.0」を実装したリーガル特化型AIエージェント「Legal Brain エージェント」を、5月23日より提供を開始すると発表した。第一弾として、複雑なリサーチ業務を支援するリーガルリサーチ機能を提供するという。
開発の背景・意図
同社は弁護士法人Authense法律事務所が2024年に実施した「法務部が抱えるお悩み実態調査(※)」により、企業の法務部門や法律事務所では人材不足が深刻化しているとの調査結果が報告されたことを例に挙げ、その課題解決の重要性を指摘。「特に、日々の業務の多くを占めるリーガルリサーチは、法令やガイドライン、判例、書籍など多様な情報を横断的に調べる必要があり、大きな負担となっています」とコメント。
そうした課題が注目される中、同社は2023年に「リーガルブレイン構想」を発表し、生成AIとリーガルデータの融合に注力してきたという。そしてこの度、弁護士や法務部員の業務を支え、人材不足という業界の課題に対する革新的な解決策となることを目指し、法務領域に特化したAI基盤技術「Legal Brain 1.0」を搭載した「Legal Brain エージェント」の提供を開始するに至った。
※弁護士法人Authense法律事務所「法務部が抱えるお悩み実態調査」(2024年)
リーガル特化型AIエージェント「Legal Brain エージェント」

今回提供開始が発表されたのは、リーガル特化型AIエージェント「Legal Brain エージェント」。同社が独自開発したAI基盤技術で高度なリーガル情報の処理を可能にする「Legal Brain 1.0」を搭載し、専門家の実務を強力にサポートするAI エージェントとして、複雑なリーガル業務の効率化を実現するという。
今回第一弾として、調べたい情報を自然言語で入力するだけで、ユーザーの調査意図を理解し、法的論点を整理した上で、関連する法令・判例・専門書籍等に基づき的確な情報を提供する革新的なリーガルリサーチ機能の提供が開始される。同社はこの機能により、専門家のリサーチ業務を大幅に効率化し、より付加価値の高い業務への集中が可能となると解説した。
同社は主な特徴として、以下の4点を掲げている。
・自然言語による高度なリサーチ支援
・日本最大級の文献量を誇る独自データベースによる網羅的検索
・信頼できる出典・根拠の提示
・複雑な論点の整理・可視化
出典元:Legal Brain エージェント サービスサイト
まとめ
法務担当者の人材不足が深刻化する中、業務は複雑さを増し、法務業界は二重の課題に悩まされている。「まるでひとりの法務人材」のように法務部門の業務をサポートするという同社の新たな試みは、業界全体の課題解決に寄与することだろう。
同社は今後、AI技術のさらなる進化や関連法規制の動向などに合わせて専門家の業務を包括的に支援する複数の機能を開発していく予定であることも発表した。今後の動向にも注目したい。