掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

3人に1人が「静かな退職」に該当、不満の理由は? コーナー調査

2025.06.05

株式会社コーナーは、従業員100名以上の企業の正社員413名(うち人事部門100名)を対象に「静かな退職と人事の認識ギャップ調査」を実施。表面化しにくい離職予備軍の存在と、離職に繋がる不満の傾向、属性ごとの異なるニーズが浮き彫りになったと報告した。

調査概要

調査タイトル:静かな対象と人事の認識ギャップ調査
調査対象:一般社員・人事担当者
調査期間:2025年5月2日〜5月9日
サンプル数:413名(人事職100件、人事職以外313名)
調査実施者:株式会社コーナー・株式会社マクロミル
調査方法:Webアンケート調査
出典元:『静かな退職と人事の認識ギャップ調査レポート』(株式会社コーナー)

36.7%が静かな退職に該当 不満のポイントは?

36.7%が静かな退職に該当 不満のポイントは?

本調査ではまずはじめに、社員に対して仕事への向き合い方を質問。その結果、36.7%が「静かな退職(仕事に対してやや消極的・消極的)」に該当することが明らかになっている。

続いて本調査では、離職を考える理由に近い不満ポイントについて質問。制度そのものや制度運用面の課題が中心であることがわかったという。中でも突出しているのは「給与・報酬(45.4%)」や「評価基準(33.5%)」に対する不満のようだ。

なお、年代別の分析では、若手層(20代)は給与、ミドル層(30〜40代)は「柔軟性の欠如」と「キャリア・スキルアップ不安」が、シニア層(50代)は「経営陣の意思決定」など組織運営面への不満が目立つ結果が報告されている。

さらに本調査では、静かな退職層の不満ポイントを分析。全体の不満の傾向と同様に「給与・評価(47.0%)」が突出していることがわかった。また「会社の将来性」「パーパス共感」など、組織全体への信頼性に関する要因の選択率も高い傾向にあるという。

ワークスタイル別にみる「静かな退職」

ワークスタイル別にみる「静かな退職」

なお本調査では「静かな退職層」についてワークスタイル別での分析も実施している。その結果、リモート系(リモート中心・完全リモート)では半数を超え、心理的コストや特有のコミュニケーション課題の影響が示唆されたという。一方、ハイブリッド勤務は対面と柔軟性のバランスが取れ、静かな退職割合が最も低いことが判明。働き方の違いがモチベーションに直結する可能性がうかがえる。

また、ワークスタイル別の「静かな退職」層の不満について、それぞれ環境特有の要因が浮き彫りになっていると同社は指摘する。出社型では「仕事の意義性」「人間関係不安」「柔軟性」といった現場の不満、リモート中心型では、制度や組織全体の信頼低下や将来への不安が多く選択されたようだ。

まとめ

本調査により、約3人に1人が離職リスクを抱えている状態であることが判明。こうした潜在的な状態を放置することは、組織の成長や活力にも影響を及ぼす可能性があり、企業として早急に対策を講じていく必要があるだろう。

不満を示す人が多い「給与・評価」といった待遇面はもちろんのこと、ビジョンや価値観への共感不足や将来性への不安など、深層的な課題への対策も重要だ。特にリモート環境ではそうした課題が深刻化しやすい可能性も示唆された。人事担当者は制度面だけでなく、組織の未来像の共有や働く意義、パーパスなどへの共感を高める取り組みについても検討してみてはいかがだろうか。