掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

職場での孤独感、8割超が仕事への影響を実感 Job総研調査

2025.06.10

パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、576人の社会人男女を対象に「2025年 職場の孤独実態調査」を実施。職場で孤独を感じた経験とその場面、孤独感の実態に加え、職場の孤独感が及ぼす影響や対策について年代別・男女別・役職別に明らかにした。

調査概要

調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件:全国/男女/20~50代
調査期間:2025年5月9日〜5月14日
有効回答数:576人
調査方法:インターネット調査
出典元:Job総研『2025年 職場の孤独実態調査』を実施しました(Job総研/パーソルキャリア株式会社)

約7割が職場で孤独を感じた経験「あり」

約7割が職場で孤独を感じた経験「あり」

本調査ではまずはじめに、職場で孤独を感じた経験について質問。その結果「とてもある:18.2%」「ある:26.2%」「どちらかといえばある:24.8%」を合わせた「ある派」は69.2%と約7割を占めたという。

本調査では職場で孤独を感じた時期についても分析。2025年は過去7年比で最多となっただけでなく、前年比での増加率も最大となったことが報告されている。

年代別の分析結果では「ある派」は「50代:73.8%」「30代:73.1%」「20代:68.3%」「40代:62.1%」となっている。また「ある派」の役職別では「主任クラス:80.7%」「課長クラス:72.1%」「一般社員クラス:67.0%」「部長クラス以上:64.1%」「係長クラス:63.5%」となっている。

さらに職場で孤独を感じた場面については「人間関係が希薄だと気づいた時(34.8%)」「職場で雑談が少ない時(33.6%)」「上司や同僚に相談しにくい時(28.3%)」を挙げる人が多いことがわかった。

孤独感の実態と仕事への影響

孤独感の実態と仕事への影響

孤独感の中身としては「年齢・性別・価値観が違う(38.6%)」「頑張りが誰にも届かない(32.3%)」「自分だけ周囲と“何か”が違う(26.3%)」などが多いようだ。また、職場の孤独感が及ぼす影響については「不安・ストレスを感じやすい(40.1%)」「職場への帰属意識が下がる(38.3%)」「モチベーションが下がる・転職を考えるきっかけになる(37.1%)」などが挙げられている。

仕事やメンタルへの影響について「とても影響する:26.1%」「影響する:29.3%」「どちらかといえば影響する:27.6%」を合わせた「影響する派」は83.0%と大半を占めることが判明。さらに、職場の孤独感による退職・検討経験について尋ねる項目では「ない」との回答は33.3%にとどまっており「退職を検討した」が45.4%と半数近くに及んでいる。「退職をした」は21.3%となっており、職場での孤独感が退職意向を高める要因のひとつとなっていることがうかがえる。

孤独感への対策「何もしていない」「諦めた」の声が多数

孤独感への対策「何もしていない」「諦めた」の声が多数

続いて本調査では、職場の孤独感を拭う対策について質問。その結果「特に何もしていない(30.3%)」「諦めた(23.3%)」「雑談など自ら交流を試みた(21.6%)」が上位に挙げられている。また、職場以外でも孤独を感じるか尋ねる項目では60.1%が「感じる派」であることも判明したという。

孤独軽減に必要だと思うこととしては「リラックスできる場所(30.2%)」「気軽に会話できる対面の場(28.1%)」「定期的な1on1面談(21.7%)」が多く挙げられている。

また、回答者全体に職場で孤立している人はいるか尋ねる項目では「いる派(28.9%)」は3割未満となり「いない(30.6%)」「気にしていない・わからない(40.5%)」との回答が多く寄せられたという。職場で孤立している人に目を向けている人は少なく、実際に孤独感を感じている人の割合とギャップがあるようだ。

まとめ

職場で感じる孤独感が、仕事へのマイナスな影響を及ぼしており、退職意向を高める要因にもなっていることが明らかになった。一方で、孤独感を拭う対策については「何もしていない」「諦めた」との声が多く、自身で対処できている人は少ないようだ。

孤独を感じる場面としては「人間関係が希薄と気づいた時」「雑談が少ない時」「上司や同僚に相談しにくい時」が上位に挙げられており、職場の空気感が孤独感を生み出している可能性は高いと考えられる。

多様な働き方が浸透しつつある今こそ、社内のコミュニケーションや人間関係の実態を把握し、孤独感を軽減させる取り組みを実施していく必要があるのではないだろうか。