掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

8割のビジネスパーソンがPDFの生成AI機能で業務効率化を実感 Adobe調査

2025.06.13

アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:中井 陽子)は、PDFファイルの利用状況と生成AI機能の活用状況に関する調査結果を発表した。本調査は、2月にAdobe Acrobatに日本語版の生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」が提供開始されたことをふまえて、PDFや生成AIの活用状況などを調べる目的で実施されたもの。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査対象:700名(仕事でデスクワークを主とし、月に1回以上PDFファイルを扱っていると回答した20~59歳の全国のビジネスパーソン<7職種別に均等割付>)
調査期間:2025年5月1日~2025年5月8日
出典元:アドビ、国内のビジネスパーソンによるPDFファイルと生成AIの活用状況に関する調査結果を発表(アドビ株式会社)
※構成比(%)は小数点第ニ位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある

PDFの利用状況 6割超が長文PDFを日常的に活用

PDFの利用状況 6割超が長文PDFを日常的に活用

本調査ではまずはじめに、日常の業務におけるPDF文書の活用実態について質問。10ページ以上の長いPDF文書を読む機会について「頻繁にある(24.0%)」「時々ある(36.7%)」を合わせた6割超が、長文のPDFを業務で活用していることが明らかになった。

一方で、ビジネス文書から知りたい内容を見つけるのに苦労することについて「頻繁にある(23.6%)」「時々ある(43.9%)」との回答は合わせて7割近くに及んでおり、文書検索に課題を感じる人が多い実態も判明。職種別でみると、法務部門では87.0%(「頻繁にある:32.0%」「時々ある:55.0%」)広報・マーケティング部門では80.0%(「頻繁にある:36.0%」「時々ある:44.0%」)と、全体平均と比べ特に高い傾向が見られたという。

PDFの生成AI機能の活用 8割が業務効率化を実感

PDFの生成AI機能の活用 8割が業務効率化を実感

次に本調査では、PDFの生成AI機能を活用したことがあるか質問しており、全体の40.6%が「ある」と回答したことが明らかになった。職種別の内訳をみると、法務部門が利用率70.0%と最も高く、全体平均(40.6%)を大きく上回っている。続いて高い利用率を示したのは広報・マーケティング部門(57.0%)で、経理・財務・会計(20.0%)や研究開発(25.0%)では利用率が比較的低いこともわかった。

また本調査では「PDFで生成AI機能を活用したことがある」と回答したビジネスパーソンを対象に、生成AI機能の活用によって、業務がどのように変化したか質問。その結果「大幅に効率化した(22.5%)」「どちらかというと効率化した(57.0%)」を合わせた約8割が業務効率化を実感していることが明らかになっている。

なお、生成AI機能の活用目的としては「文書から知りたい内容を探すため(61.3%)」「文書内容を要約するため(38.0%)」が多いようだ。

活用が進んでいる実態が判明した一方で、PDFの生成AI機能を使用することについて、全体の75.1%が何らかの懸念を抱えていると回答したことも判明。具体的には「AIの利用に関する社内ガイドラインの不在(36.1%)」「ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)など情報の正確性(25.9%)」「情報漏洩(24.6%)」などが課題となっているようだ。

まとめ

PDF文書を使用した業務においても、生成AIの活用が進みつつあることが明らかになった。実際に活用している人の多くは効率化を実感しており、生産性向上や人手不足解消の観点からも今後さらに活用が進んでいくと考えられる。

一方で、ガイドラインやハルシネーションといった課題点も明らかになっており、安心して活用できる環境の整備が追いついていないとも推察される。生成AI活用における社内ルール等の制定は、急務とも言えるだろう。