掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

「ESG経営」に取り組む企業、6割が「業績向上を実感」 フォーバル調査

2026.04.21

株式会社フォーバルが運営するフォーバルGDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業を対象にした「2025年度第4回 中小企業経営実態調査」を実施。

サステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の策定が進み、上場企業に対してサプライチェーン全体での情報開示が義務化される中、ESG経営(※)に先行して取り組む企業が「業績向上」に加え、組織の内的成長である「社内評価の向上」を最も強く実感している実態を明らかにした。

※ESG経営:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの視点を重視し、長期的な持続可能性と企業価値向上を目指す経営手法。

会社概要

調査主体:フォーバル GDXリサーチ研究所
調査期間:2026年1月14日~2026年2月13日
調査対象者:全国の中小企業経営者
調査方法:ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
有効回答数:1647人
出典元:中小企業のGDX・ESG推進戦略<3>(フォーバル GDXリサーチ研究所)

認知層は約3割 上流企業からの推進要求に約6割が応えられず

認知層は約3割 上流企業からの推進要求に約6割が応えられず

本調査ではまずはじめに、ESG経営の認知度について質問。「知っており、他の人に説明できる(5.7%)」「知っているが、説明できるほどではない(25.1%)」と、認知層の合計は30.8%だった。

同社は「SSBJ基準に基づく義務化の直接の対象は上場企業だが、上場企業が『サプライチェーン全体』での情報開示を求められる以上、その取引先である中小企業への影響は避けられないものだ」と解説。その上で、上流企業からESG推進の要求を受けている企業は8.6%にとどまりながらも、要求が「ある」と回答した企業のうち、約6割がESG経営に未着手の状態にあるという現状が明らかになった。

要求がありながら取り組めていない理由としては「専門知識・ノウハウを持つ人材がいない(39.4%)」が最多だった。

ESG経営に取り組む企業の6割超「業績向上を実感」

ESG経営に取り組む企業の6割超「業績向上を実感」

同社の報告によると、ESG経営に取り組む企業(15.2%)は、かつての環境(E)偏重からガバナンス(G)を含む、包括的な経営枠組みとして捉え始めているという 。

本調査では、2024年調査では少数派だったガバナンス分野への取り組みは大幅に増加。コンプライアンスやリスク管理への、意識の向上がみられている。

また、こうした取り組みの効果として「業績向上」を実感している企業は61.8%(「とても効果が出ている」「やや効果が出ている」の合計)と過半数を占めた。同社は、注目すべきポイントとして「『とても効果が出ている』と回答した割合について『社内からの評価』が11.4%と最も高い点を挙げ、社員の共感や信頼感を高める上で、ESG経営が有効な手段であることが示された」と解説した。

未着手の理由と進捗した理由

未着手の理由と進捗した理由

続いて、ESG経営に取り組む意思がありながら未着手の企業を対象に、その理由について質問。「他に優先すべき課題があり後回しとなっているから(48.5%)」が突出した。

一方で、実際に取り組みを前進させている企業においては、約7割が取り組みの進捗を実感していることが判明。取り組みが進捗した理由については「外部専門家やコンサルタントの活用(34.2%)」が最も多く、次いで「事業との連動(28.5%)」が挙げられている。

まとめ

SSBJ基準の義務化により、情報開示の義務がある上場企業だけでなく、取引先である中小企業へも影響が波及するとみられている。しかし、ESG経営の認知度は決して高くない。重要性は高まりながらも、理解と実行が追いついていないのが実態だ。

そうした中で、先行してESG経営に取り組んでいる企業の約6割は、業績向上を実感している。「求められたら対応する」という姿勢から「早期に基盤整備を進める」という姿勢へと変えていく必要がありそうだ。

今後「対応しているかどうか」が取引条件となる可能性も考えられる。企業価値の向上に向けて、環境負荷や労務管理、ガバナンス体制などの現状を可視化し、取引先からの開示要請に対応できる情報管理体制を整えたい。