カスハラ経験「40代男性・管理職」で高い傾向 パソナセーフティネット調査
株式会社パソナセーフティネット(本社:東京都、代表取締役:新村達也)は、2025年12月に発表した「業種別カスタマーハラスメント経験率と心理的ストレス反応の分析(第1弾)」に続き、第2弾として、性別・年代・職制別にみたカスタマーハラスメント経験率と、生産性(SPQ)、高ストレス者比率、睡眠による休養感、ワーク・エンゲイジメントとの関連について分析した。
調査概要
業種別のカスタマーハラスメント経験率
対象者:
2025年5月~10月に、パソナセーフティネットが提供した(新)職業性ストレス簡易調査票を受検した251団体・78513名
カスタマーハラスメント経験の評価方法:
過去6か月間における、顧客・取引先・利用者からの暴言、脅迫、威圧的言動、過度な要求等の経験の有無
アウトカム指標:
心理的ストレス反応、生産性(SPQ)、高ストレス者該当率、睡眠による休養感、ワーク・エンゲイジメント
出典元:カスタマーハラスメント経験は「40代男性・管理職」で高い傾向:生産性低下や高ストレス、睡眠によるストレスからの回復不全との関連が伺える結果(株式会社パソナセーフティネット)
カスハラ経験率が高い年代・性別・職制
性別および年代別に分析した結果、40代男性で「カスタマーハラスメント経験率」が最も高い水準を示した。同社は「クレーム対応の最終対応者になりやすい管理職に、40代男性が多いことが背景にある」と推察している。
また、職制別の比較では男女ともに管理職は一般社員より「カスタマーハラスメント経験率」が高い傾向が確認された。部下からのエスカレーションを受けて部下に代わって顧客対応するケースや、組織の代表として顧客対応するという「管理職特有の役割」が男女問わず求められていることが背景にある可能性を同社は指摘する。
職制で異なる「カスハラ経験」とアウトカムの関係
次に本調査では、カスタマーハラスメント経験と影響の関係を一般社員と管理職で比較。その結果、心理的ストレス反応が職制を問わず「経験あり群」で高い傾向が確認された。ワーク・エンゲイジメントについても、いずれの職制においても「経験あり」群で低い傾向がみられている。
なお、一般社員と比較すると、管理職ではカスタマーハラスメント経験の有無による差が小さいことも明らかになった。
カスハラ経験が招く生産性の低下とは
続いて生産性(SPQ)との関係も分析。一般社員・管理職ともに、カスタマーハラスメントを経験した労働者の方が、生産性スコアが低い傾向が示された。
また、高ストレス者比率との関係を分析した結果、一般社員・管理職ともに、カスタマーハラスメント経験者で高ストレス者の割合が高い傾向が確認された。さらに、睡眠による休養感との関係では、一般社員・管理職ともに、カスタマーハラスメント経験者で「睡眠で十分に回復できている」と回答した割合が低い傾向がみられている。
なお、管理職においてはカスタマーハラスメント経験がある場合とない場合の「睡眠で十分に回復できている」と回答した割合の差が、より大きい結果であったことも報告された。
まとめ
本調査から、カスタマーハラスメントは現場従業員だけでなく、むしろ最終対応を担う管理職層に大きな負荷を与えている実態が明らかとなった。特に40代男性・管理職に経験が集中していることから、組織として対応が属人化しやすく、特定層に負担が偏っている可能性が高いと考えられる。
また、カスハラ経験が生産性の低下や高ストレス状態、睡眠による回復不足といった複合的な影響を及ぼしている点も見逃せない。単なる個別対応ではなく、組織的なリスクとして捉える必要があるだろう。対応フローの明確化やエスカレーション基準の整備、記録・共有体制の構築に加え、管理職へのメンタルケア支援や研修の強化に取り組みたい。










