2025年度「商号変更」した企業1万9656社、過去最多 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、保有する約440万社の企業データベースを活用し、2025年度(4-3月)に商号変更した企業を抽出した。
2025年の商号変更をした企業、前年比7.5%増
TSRによると、2025年に商号変更した企業が1万9656社(前年度比7.5%増)。調査を開始した2022年度以降、最多を更新した。
産業別では「サービス業他」が最多
産業別でみると「サービス業他:8508社(前年度比9.1%増、構成比43.2%)」が最も多いという。商号変更率は「金融・保険業:0.82%(7万9952社中、663社)」が最高となっている。
商業変更がもたらす「売上高伸長率」への影響はシビア
さらに、2022年度に商号変更が判明した企業の、その後の3期業績を分析。商号変更した企業と企業全体の売上高伸長率を比較すると、伸長率10%以上100%未満では、商号変更した企業が29.4%に対し、企業全体は24.7%で、4.7ptの差がついている。
変更後の利益(最終利益)率としては、企業全体では2023年度6.2%、24年度8.8%、25年度6.5%と、毎年5%~8%の利益率を維持。
一方で、商号変更した企業は、2023年度が3.9%だったが、24年度に0.6%へ大きく落ち込み、25年度は6.5%と大きく上昇したという。これは、22年度に商号を変更した大手製薬会社が24年度に巨額赤字を計上したことに起因しているようだ。ただし、それ以外の変更企業をみても、商号変更から数年は事務コストやマーケティング、広告などへの投資負担が大きく、利益を残しにくい構造であることが明らかになった。
出典元:2025年度の商号変更、過去最多の1万9,656社 ~ 売上高伸長も短期的には周知コスト重く ~(株式会社東京商工リサーチ)
まとめ
商号変更を実施する企業が過去最多となり、企業価値向上や事業成長に向けたブランディング戦略の一環として社名変更を選択する動きが広がっていることが明らかになった。
一方で、商号変更は定款や契約書、各種届出、名刺やWebサイトなど幅広い対応を伴うプロジェクトであることから、各種手続きや周知、販促活動などに伴うコスト負担が利益を圧迫しやすく、短期的な成果だけで判断できない実態もうかがえる。
将来的なブランド戦略や組織再編を意図して商号変更を行う企業は、今後、増えていく可能性が高い。費用や売上高伸長率への影響なども含め、多角的に検証した上で、企業価値の向上につながる商号変更を実現していきたい。












