顧客対応従事者、6割超が「カスハラ被害経験あり」 VALTEC調査
顧客対応に従事する社員の61.4%がカスタマーハラスメント(以下:カスハラ)の被害を経験していることが、株式会社バルテック(本社:東京都新宿区)の調査で明らかになった。
2026年10月には改正労働施策総合推進法により、全事業主にカスハラ対策が義務付けられる。企業には、相談体制の整備や証拠保全の仕組みづくりなど、実効性のある対応が求められている。
調査概要
調査名:顧客対応従事者500名 カスタマーハラスメント実態調査
調査対象:顧客対応従事者(対面で接客・対応する業務がある人)500名(20〜50代・男女・全国)
調査方法:インターネット調査
スクリーニング:業種・職種の絞り込み+事前抽出による2段階方式。第1段階で「対面での接客・顧客対応が業務に含まれる」ことを確認し、第2段階で業種(小売・飲食・医療・福祉・公共サービス・金融等)および職種の偏りを調整して抽出
有効回答数:500件
調査期間:2026年6月
出典元:カスハラ被害は顧客対応スタッフの6割が経験 ~ 「我慢するしかない」顧客対応の現状 【VALTEC調査】(株式会社バルテック)
カスハラは一部の現場ではなく、顧客対応業務全体のリスクに
本調査結果によると、顧客対応従事者の61.4%がカスハラ被害を経験。「ときどき」「日常的に」被害を受けている人は51.4%と半数を超えた。また、9.0%は日常的に被害に遭っていると回答している。
被害経験率は女性62.1%、男性60.7%と性別による大きな差は見られず、年代別でも全世代が約6割前後で推移したことがわかった。
職業別では、一般社員と公務員・教職員・非営利団体職員がともに66.7%と高く、顧客対応を伴う業務全体に共通するリスクであることがうかがえる。
被害経験者の8割超が「記録したかった」
さらに本調査では、被害経験者の82.4%は「録音や録画などで記録できればよかった」と回答した。
一方で、実際に記録できている人は7.8%にとどまり、現場のニーズと環境整備の間に大きなギャップがあることが明らかになっている。
また、AIカメラなどによる記録環境については、被害経験者の80.5%が「職場の安全性や安心感の向上につながる」と回答。特に日常的にカスハラ被害を受けている層では「非常に向上する」と回答した割合が55.6%に達し、被害が深刻になるほど記録環境への期待が高まる傾向が示された。
まとめ
カスハラは一部の業種や特定の従業員だけが直面する問題ではなく、顧客対応業務全体に共通するリスクであることが改めて示された。また、多くの従業員が被害時に記録の必要性を感じている一方で、実際に証拠を残せる環境は十分に整備されていない実態も浮き彫りとなっている。
2026年10月から全事業主にカスハラ対策が義務化される。企業には、相談窓口や対応マニュアルの整備だけでなく、対応履歴や音声・映像などの証拠保全の方法、管理職へのエスカレーション体制、従業員のメンタルケアまで含めた運用設計が求められる。
AIカメラなどの導入は有効な選択肢の1つだが、重要なのは「記録できる環境」と「適切に対応できる体制」をセットで整備することだ。法令対応を機に、自社のカスハラ対策を実効性のあるものに整備していきたい。










