2026年7月「物価高倒産」93件、過去最多「小口倒産増加」が顕著 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2026年7月の「物価高」倒産動向を公表した。物価高を要因とする倒産は93件となり、2022年以降で最多を更新。2025年12月から8カ月連続で前年同月を上回り、価格転嫁が進まない中小・零細企業を中心に厳しい経営環境が続いていることが明らかになった。
1~7月累計は533件 年間800件超の可能性も
TSRの報告によると、2026年7月の物価高倒産は93件で前年同月比20.7%増加。これまで最多だった2024年5月の88件を上回り、2022年以降で最多を更新した。
1~7月の累計は533件となり、前年同期比26.6%増。年間では前年の769件を上回り、800件台に達する可能性があるとしている。
負債総額は195億9200万円で前年同月を16.7%下回った。最大の倒産は注文住宅施工を手掛けるアエラホームの負債61億6100万円だったが、負債10億円以上の大型倒産は2件にとどまり、小・零細企業を中心とした小口倒産の増加が目立つという。
サービス業と建設業で倒産が増加
産業別では、サービス業ほかが26件で最も多く、前年同月比52.9%増となった。次いで建設業が25件で、同150.0%増と大幅に増加している。
資材価格やエネルギー価格の高止まりに加え、人件費の上昇も企業収益を圧迫。さらに、価格転嫁が十分に進まない企業では、コスト増を吸収できず経営悪化につながるケースが相次いでいるようだ。
同社は「2026年1月に施行された中小受託取引適正化法を踏まえ、中小企業が適正な価格転嫁を行いやすい環境整備が重要になる」と指摘している。
出典元:2026年7月の「物価高」倒産 2022年以降で最多の93件 1-7月累計533件、 小・零細企業が増加し負債は小口化(株式会社東京商工リサーチ)
※本調査は、2026年7月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち①仕入コストや資源・原材料の上昇②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(法的・私的)した企業を集計、分析したもの
まとめ
物価高による倒産は過去最多を更新し、大型倒産よりも小・零細企業の経営悪化が鮮明となっている。原材料費やエネルギー価格、人件費の上昇が続く中、価格転嫁の遅れが企業経営を大きく左右する状況だ。
こうした中、コスト上昇の影響を定期的に分析し、利益率の変化や資金繰りを継続的に把握することが重要となる。また、取引先との価格改定交渉を進めるための原価データを整備するなど、物価変動を踏まえた収益管理とキャッシュフローの強化に一層、取り組みたい。










