テレワーク、利点は「通勤時間の削減」課題は「気軽な会話」 スキルアップ研究所調査
株式会社ベンドが運営する「スキルアップ研究所」は「テレワークで『容易に行えたこと』と『行えなかったこと』に関する分析レポート」を公開した。総務省の公的統計をもとにテレワークの実態を分析した結果、利点として「通勤時間が削減される」が81.5%で最多だった。一方で「上司や部下、同僚と気軽に相談や会話すること」を、容易に行えないとした人が32.9%に上った。
試算の概要
・中心データ:総務省「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」(2021年3月にウェブアンケート調査を実施/日本居住者1000人が対象/令和3年版情報通信白書に掲載)。テレワーク関連設問の対象はテレワーク実施者 n=286
・補強データ:日経BP総合研究所 イノベーションICTラボ「新たな働き方に関する調査」(2020年10月14日〜30日実施)ほか同ラボの継続調査シリーズ、スキルアップ研究所「IT業界のリモートワークに関する実態調査」(2024年7月10日〜17日実施/インターネット調査/回答数287)
・試算主体:スキルアップ研究所
・分析方法:白書が公表している選択肢別の割合を合算し、項目間の差と比率を算出
・「容易に行えない」は「容易に行えない」と「どちらかといえば容易に行えない」の合算値
・本レポートは2021年3月時点の調査結果が中心データ。扱っているのは回答者の主観的な評価であり、生産性や業務成果を測定したものではない
出典元:テレワークで「容易に行えたこと」と「行えなかったこと」に関する分析レポート(スキルアップ研究所 )
テレワークの最大の利点は「通勤時間の削減」
テレワーク実施者286人を対象とした総務省の調査では、テレワークの利点として「通勤時間が削減される」が81.5%で最多だった。
2位は「好きな場所で作業をすることができる」の53.8%で、1位とは27.7ポイントの差がついた。8割を超えた項目は「通勤時間が削減される」のみで、テレワークのメリットとして、通勤にかかる時間や負担の軽減が特に大きく評価されていることが分かる。
「気軽な相談や会話」が最大の課題
一方、同じ回答者に7項目の実施容易性を5段階で質問。「容易に行えない」が最も多かったのは「上司や部下、同僚と気軽に相談や会話すること」で32.9%だった。
「業務やプロジェクトが今どこまで完了しているか把握すること」を容易に行えないとした回答は13.2%。「気軽に相談や会話すること」の32.9%と比べると19.7ポイント低く、割合では約2.5倍の差がある。
また「業務に必要な通信や機器等を取りそろえること」についても18.9%にとどまったという。
この結果から、テレワークに必要な通信環境やオンラインツールなどの業務基盤は整備されており、進捗管理や情報共有といった業務プロセスは比較的対応しやすくなっていることが読み取れる。一方で、上司や同僚、部下との気軽なコミュニケーションへの課題感が根強いことが、可視化された。
まとめ
今回の分析では、テレワークのメリットとして「通勤時間が削減される」が81.5%で突出する一方「上司や部下、同僚と気軽に相談や会話すること」を容易に行えないとする回答が32.9%だった。業務の進捗把握や、通信・機器の準備の回答割合をみても、テレワーク環境では業務を進めるためのツールや仕組みよりも、人同士のコミュニケーションに課題が残っていることがうかがえる。
総務部門にとっては、テレワークの導入・継続の検討時には、従業員同士が自然に会話できる機会を意識的に確保する設計が必要、といえるだろう。
オンラインでの雑談やバーチャルオフィス、定期的な出社など、業務効率を維持しながらコミュニケーションを生み出す仕組みを整えていきたい。













