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今月の人事・労務トレンドVol.7 デジタル名刺のメリットと活用方法

2020.08.01

 働き方改革によるICTの導入や、新型コロナウィルス感染症対策による新しい生活様式の実践に伴い、ビジネスシーンにおいて「デジタル名刺」が注目されている。テレワーク化が進み、会議や打合せなどもオンラインで行われる昨今、クライアントとの名刺交換でデジタル名刺を取り入れようと考えることもあるのではないだろうか。

 今回はデジタル名刺の特徴とメリット、デジタル名刺交換時のマナーに加え、デジタル名刺が作成できるおすすめのサービスを紹介する。デジタル名刺の基本的な知識を押さえ、自身の情報管理やクライアントとのスムーズな情報交換に役立ててほしい。

目次

●デジタル名刺とは
●デジタル名刺のメリット・活用方法
●デジタル名刺交換時のマナー
●デジタル名刺作成のおすすめサービス
●まとめ

デジタル名刺とは

 「デジタル名刺」とはデジタルデータ化された名刺を指し、「オンライン名刺」や「電子名刺」と呼ばれることもある。まずは、デジタル名刺の基本的な仕組みを押さえよう。

デジタル名刺の基本的な仕組み
 デジタル名刺は、アプリケーションやクラウドサービスなどを使い、オンライン上で自身の氏名・会社名・連絡先などのプロフィールデータを作成する。一度作成したデータは、随時編集が可能だ。

 デジタル名刺の交換は、端末上に表示される名刺のQRコードをスマートフォンで読み取るか、自身のデジタル名刺に付与されるURLを相手の端末に送信して行い、アプリ内で管理する。相手がサービスに登録していない場合でも、受け取り側のスマ―トフォンにQRコードリーダーがついていれば、情報の読み取りが可能だ。
 アプリでは、近くのユーザーを検出するなどの機能がついているものもある。

デジタル名刺のメリット・活用方法

 デジタル名刺を導入することで、個人や企業にどのような影響があるのだろうか。ここでは、デジタル名刺のメリットや活用方法を紹介する。

PC、スマホで作成できる

 デジタル名刺に掲載するプロフィールは、パソコンやスマートフォンのアプリ、またはクラウド上で作成、更新ができる。印刷会社に発注する手間などがなく、作成や更新の場所やタイミングも問わない。「役職」の他に「趣味」や「出身地」、「家族構成」の項目を加えるなど、相手によってプロフィールの記載情報を変更することも可能だ。

対面でもオンラインでも名刺交換ができる
 対面だけでなく、オンラインでも名刺交換を行えることもデジタル名刺のメリットだ。例えばWeb会議が予定されている場合、あらかじめメールでデジタル名刺のQRコードやURLを添付して、事前情報を伝えておくこともできる。

情報を管理しやすい
 デジタル名刺の交換で先方から受け取った情報は、アプリやクラウド上にファイリングできる。データ化された情報はアプリ内で検索しやすくなり、連絡帳として利用することも可能だ。
 長期間関わる機会がなかったとしてもファイリングされた情報から検索することで人物を特定でき、役職などが変わった場合のアップデートもしやすいことが利点だ。

名刺交換後のフローの効率化につながる
 多くのデジタル名刺には、メールアドレスや会社のホームページアドレスが記載されている。そのため、記載されたアドレスをタップまたはクリックするだけでアクセスが可能になる。紙媒体では情報をファイリングまたはメールを送信する場合は、デジタル上での入力作業が必要になることを考えると、作業効率の向上を見込める。

社内共有の効率化
 クライアントの名刺は、個人だけでなく会社の資産でもある。企業内で同じデータベースを使用しデジタル名刺の情報を共有することで、人脈や業務の引き継ぎをスムーズに行うことができる。

コスト削減
 従来の名刺は、役職などの変更のたびに、名刺の刷り直しによるコストが生じていた。一方デジタル名刺では、ツール上でいつでもデータの変更や更新ができる。そのため、印刷コストを抑え不要な廃棄物の削減にもつながる。
 また、デジタル名刺の交換はオンラインでの情報交換であるため、ペーパーレス化され、紙の名刺のように残数を気にする必要がないというメリットもある。

デジタル名刺交換時のマナー

 ビジネスシーンでデジタル名刺を交換したい場合、どのような流れで行うとよいのだろうか。ここでは、デジタル名刺交換時のマナーと流れについて紹介する。

デジタル名刺交換時のマナー
 名刺交換をオンラインで行う場合には、以下の点に注意しよう。

・スマートフォンやタブレットを取り出す際は、一言断りを入れる
・デジタル名刺を導入していることを説明する
・デジタル名刺の送受信の方法を説明できるようにしておく

 現在、デジタル名刺は普及段階であるため、先方がデジタル名刺の存在を知らない、従来の紙の名刺に重きを置いているなどの可能性がある。事前の説明をせず、いきなりスマホなどの機器を取り出すと失礼にあたるため注意しよう。スムーズな名刺交換を行うために、送受信の方法を説明できるようにしておくことも大切だ。

 現段階では紙媒体の名刺交換の方が主流であるため、相手が端末の操作に不慣れなどの可能性を想定し、紙媒体の名刺を用紙しておくことが望ましいだろう。

デジタル名刺交換の流れ
 デジタル名刺を交換する際は、以下のような流れで行うと良いだろう。

①デジタル名刺を導入している旨を伝える。
(例)「弊社ではデジタル名刺を導入しておりますので、オンライン上で名刺交換をさせていただいてもよろしいでしょうか」
②スマートフォンなどの端末を取り出し、相手にQRコードを提示し、読み取りをお願いする。
(例)「QRコードを読み取っていただけますでしょうか」

③【QRコードリーダーのアプリがダウンロードされていない場合】使用頻度の高そうなツールの利用を提案する。
(例)「iPhoneでしたら通常のカメラ撮影で読み込みができます」「LINEの友だち追加のQRコードリーダーでも読み込みが可能です」
④デジタル名刺のデータを送信する。
⑤相手からもデジタル名刺のデータを受け取る。

 先方が受け取り後の対応に戸惑う場合は、「現在はブラウザで一時的に表示されているだけですので、ブラウザの履歴や共有、スクリーンショットで画像を保存していただけますと幸いです」などとプロフィール表示後の保存方法について補足すると良い。

 各企業で提供されているサービスでは、アプリに登録をしたりアカウントを取得したりすることで名刺交換やデータ管理などができるものもある。登録に時間を要してしまうとその後の業務に影響が出る可能性もあるため、相手の様子に応じて対応することが大切だ。

デジタル名刺作成のおすすめサービス

 デジタル名刺の作成ツールは、企業によって様々なサービスが提供されている。ここでは、デジタル名刺の作成や管理におすすめのサービスを紹介する。

「corezo(コレッソ)」(株式会社山櫻)
 株式会社山櫻は、法人向けWeb名刺発注サービス「corezo(コレッソ)」を提供している。デジタル名刺には紙の名刺の情報をそのまま載せられる他、個々の従業員の過去の実績や経歴、趣味や顔写真などを記載してその人のキャラクターを引き立てることも可能だ。
 公開範囲は「非公開」「社員のみ」「公開」の3段階で、項目ごとの設定ができる。作成したデジタル名刺はQRコード・URLによって共有でき、相手方がcorezoを利用してなくても閲覧が可能だ。公開範囲を「社員のみ」に設定し、社内間のコミュニケーションツールとして利用している企業もある。

紙とデジタル、どちらの名刺もひとつのサービスで
はじめましてのデジタル名刺
あらためましての紙名刺

株式会社山櫻が提供する法人向けWeb名刺発注サービスcprezo(コレッソ)は紙の名刺はシンプルに、情報はデジタル名刺で伝える方法を提案します。

✓紙名刺とデジタル名刺。両方必要なビジネスパーソンの新しい名刺交換スタイル
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参考:「名刺は効率的に、質を追求する時代へ。1,000社が導入した名刺発注サービスのこだわりとは」


「Sansan」「Eight」(Sansan株式会社)
 「Sansan」と「Eight」は、ともにSansan株式会社が提供するクラウド名刺管理サービスだ。

「Sansan」は法人向けのサービスで、2020年6月から「オンライン名刺機能」と「オンライン名刺交換機能」が盛り込まれた。デジタル名刺で受け取った情報は自身の電話帳やSansanにインポートすることができる。クライアントとの打ち合わせの前などに、相手の所属部門や連絡先、会社の住所や過去のやり取りを確認することも可能だ。

「Eight」は個人向けのサービスで、プロフィールページを共有する「オンライン名刺交換機能」を備えている。出力したQRコードはWeb会議システムの「バーチャル背景」として利用することができ、オンラインで完結する商談でも名刺のやりとりができるように配慮されている。Eightの利用者同士であれば、異動や昇進による「名刺内容の変更」の通知を受け取ることも可能だ。
 個人のEightにある情報を従業員間で共有できる「企業向けプレミアム」プランもある。

参考:「電子契約サービス「クラウドサイン」と「Sansan」が連携。Sansan上で契約情報の確認が可能に。」
参考:「Sansan、東京証券取引所マザーズ市場への上場」

まとめ

 スムーズなデータ化やコスト削減など様々なメリットがある「デジタル名刺」。オンライン上でのやり取りであっても、名刺交換がビジネスコミュニケーションのきっかけであることに変わりはない。デジタル名刺を取り入れる際は、相手の状況や意向に配慮しつつ挨拶・情報交換を行おう。

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