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適性検査を攻略!中途(転職)と新卒での違いや対策方法まとめ

2020.09.15

就職活動や転職活動には適性検査がつきものである。適性検査とは、企業のニーズにマッチする人材なのかということを判断するために実施される検査だ。新卒だけではなく、中途採用時にも導入する企業が増えている。中途採用の場合には、新卒とは適性検査の役割がやや異なるので注意が必要だ。ここでは、就職・転職活動時の適性検査について、主な目的や種類、対策方法などを詳しく紹介する。

1.適性検査とは?

適性検査は、人材の資質を見極めるために行われる。知識などは筆記テストなどで判断することができるが、人格や性格などは判断することが難しい。筆記テストで判別できない人物像などは主に面接によって判断されていたが、面接官の印象に大きく左右されるというデメリットがあったため、解決策として適性検査が導入された。ここでは、適性検査の主な目的や分析される項目、新卒と中途採用の適性検査の役割などを紹介する。

1-1.適性検査の主な目的
適性検査の目的は、人材の企業に対する適応を判断するためである。人材の考え方や感じ方、素質を客観的に診断できるのが特徴だ。面接官の主観や印象が入り込まず、採用後のミスマッチが起きにくいというメリットを持っている。人材の素質やポテンシャルを数値化できるため、採用選考に適した検査として多くの企業が取り入れている。適性検査では、基礎能力として業務を行うために求められる知識や技術、スキルなどを所有しているかを確認する。人材の基礎能力を判断し、自社にマッチしているのか判断することが可能だ。

適性検査で職務分析を適切に行い、自社での業務に必要になる能力を持ち合わせているかを見極められる。また、適性検査によって人材の離職の可能性を回避できるという利点も持つ。自社に合わない人材の採用を避けることができるため、採用後の退職者を軽減することにもつながる。適性検査は検査を受ける人材にとっても、自己分析のチャンスだ。自己分析により自分を理解すれば、どのような仕事が自分に向いているのかを知ることもできる。適性検査は人材と企業の相互理解のためにも有効な検査と言える。

1-2.新卒と中途で適性検査の役割は違う?
適性検査は新卒採用と中途採用の両方で行われる。ただし、適性検査は新卒採用と中途採用では企業の目的や役割が変わってくる。新卒採用の場合には、採用基準や採用した人材をどの部署に配属するのかの判断材料として使用されることが多い。新卒で採用する場合、新卒者の多くは社会人として企業で業務に就いた経験がない。未経験の人材を採用した場合、適した部署に配属することができなければ十分な働きが見込めないことがある。最悪の場合には仕事へのストレスや不満が高まり、せっかく採用した人材が早期離職する可能性も考えられる。新卒採用の場合には、このようなリスクを回避するために適性検査を実施しているのだ。

これに対し、中途採用で実施する適性検査はすでに配属する部署などがある程度決まっているケースが多い。そのため、企業が求めている人材のスキルや人物像が明確である。新卒の場合には採用する人材が自社に向いているかの判断を行うが、中途採用の場合には自社の条件に適合するかどうかの判断になるのが特徴だ。どんなに優れた人材であっても、自社が求めているスキルや人格に当てはまらなければ採用に至らないため、新卒採用よりも厳しいと言える。

2.適性検査の種類を知ろう

適性検査は大きく分けて性格検査と能力検査の2種類がある。企業によっては性格検査と能力検査の両方を実施したり、性格検査のみを実施する場合もある。能力検査だけを行うケースはほどんど見られない。ここでは、適性検査の種類についてそれぞれ紹介する。

2-1.性格検査
適性検査の一種である性格検査は、人材の性格や思考タイプを見極めることができる心理検査だ。性格検査によって、自社や募集している職種に適合する人材か判断できる。人の性格や思考の方向性などは捉えることが困難だ。しかし、性格検査を実施することによって、企業は客観的に人材の性格を把握することが期待できる。性格検査を受けたことで、自分自身のことを知るきっかけにもなるだろう。性格検査には質問紙法・投影法・作業検査法の3種類がある。

質問紙法は、質問に対して「はい」か「いいえ」で答えるものだ。簡単に実施でき、一度に大人数でも実施できるメリットを持っている。しかし、二者択一で回答する単純な方法のため、意図的に回答を偽ることができる弱点がある。投影法は精神分析の手法の一つで、刺激に対する反応によって判断する方法だ。有名なものにインクの染みを見せて、何に見えるかを答えるロールシャッハテストがある。深層心理の分析になるため、嘘をつきにくいのが特徴だ。ただし、誰でもできる検査方法ではなく、検査結果を判断する専門家が必要だ。さらに検査自体にも時間がかかるため、大人数への実施には向いていない。

作業検査法は単純作業を一定時間行い、その傾向から性格を判断する方法だ。足し算や引き算といった計算作業などを行うケースが多い。作業で判断する検査法のため、偽ることが難しいのが利点である。また、検査時間は比較的短く、大人数で一斉に実施できるのもメリットだ。作業による分析が必要なため、検査の判断はある程度の知識が求められる。

2-2.能力検査
能力検査は一般常識や知的スキル、論理的思考力を判断する検査方法だ。業務に必要な基礎的な能力を測ることができる。有名な能力検査にはSPIや玉手箱、SCOAなどがある。主な方法としては一般能力テスト、設問AB形式、パワーテスト、スピードテスト、客観式、記述式が多い。一般能力テストでは基本的な演算や理論的な思考を判断する。設問AB形式は、Aは質問形式でBは図形で設問される。問題を解く速さや正確さがポイントだ。パワーテストは読解力と思考力を、スピードテストは作業の速さと的確さを判断する。客観式は択一方式な設問に答える方法で、記述式は主に文書力を判断する。能力検査は、難易度は高くないが問題数が多いのが特徴だ。企業によって必要となるスキルが異なるため、オリジナルの能力検査を準備しているケースもある。

3.適性検査の対策方法

適性検査の対策をする場合には、まず採用を希望する企業がどのような適性検査を実施しているかを調べることが重要だ。企業、職種、適性検査などのワードで検索すると、過去の傾向を調べることができる。適性検査は筆記試験と同様に事前の試験対策が重要だ。検査にはパターンがあるため、テキストなどを使用して繰り返し勉強する方法が有効である。

特に性格検査では合格するために嘘をつくケースが多くみられる。しかし、虚偽度判定のあるテストも存在するため、嘘は厳禁である。ありのままに答えることがポイントだ。嘘の回答をした場合には、回答に一貫性がなく嘘が露呈してしまう可能性がある。中には企業のニーズに合わせるために自分の回答とは異なる回答を選ぶ場合もあるが、それも虚偽の可能性を疑われてしまう。そうなると逆効果になるため、素直に答えることを心がけよう。対策方法として、事前に自己分析をしておくと回答に一貫性を出すことが期待できる。さらに制限時間内に問題を解き切るための練習も必要だ。適性検査の過去問などに繰り返し取り組み、問題を解くスピードを上げるのも有効な対策である。

適性検査は対策すればこわくない!

適性検査は企業と採用希望者がマッチするかの判断に活用される。適性検査では性格や能力、ポテンシャルを見極めることができるため、多くの企業が導入している検査方法だ。特に中途採用の場合には企業が求めている人物像がはっきりしているため、適性検査は大きな採用判断となる。適性検査の対策としては素直に回答すること、事前に過去の検査に取り組み準備をすることが挙げられる。対策をしっかりと行って万全の状態で挑もう。

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