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ワークフロー(システム)とは 効率的な業務改善が可能な理由を徹底解剖

2020.09.15

ワークフローを改善するためにワークフローシステムを導入する企業は増えてきている。しかし、本当にシステムを導入してまで改善を図るべきなのか、効率的な業務改善を実現できるのかが疑問になっていることも少なくない。この記事では、ワークフローとは何かから解説し、メリットや導入時のポイントをわかりやすく解説する。

1.ワークフローの概要を知ろう

ワークフローの改善の意義を考える上では、まずはワークフローとは何かについて詳細に知っておく必要がある。改善のためによく用いられるようになったワークフローシステムは何か、ワークフローを取り扱う上でどのような特性があるのかについても詳しく説明していくので正しく理解しておこう。

1-1.ワークフローとは

ワークフローとは、現場で行われている業務を遂行する流れを指すものだ。ある業務に着目したときにどのような手続きを踏まなければならないか、いつどんな作業をする必要があるのか、どこまで終えたらその業務が完了するのかといったことを定義し、一連の流れとしてまとめたものを示すことも多い。誰が業務を開始し、誰が判断をして進めるかどうかの判断をするのか、その判断を促す方法や判断したことを確定する処理の仕方は何なのかといった形でもっと細かなワークフローを作成しているケースもある。わかりやすくするためにワークフローは図式化することが多く、フローチャートにしてまとめられているのが通例だ。

このような業務の一連の流れが決まっていることで、関係する人たちがいつ何をどのように行えば良いかが明確になり、業務の進行がスムーズになる。また、ワークフローがはっきりとしていると情報伝達系が整うため、業務プロセスが進行しているかどうかを判断しやすくなるのも特徴だ。その進捗状況の管理担当者が存在していれば、遅れがあったときには手続きを進めるように促すこともでき、業務スピードを向上させることができる。さらに、全体像が見えて従業員が何を担当するかが明確になるため、各人が役割を理解して行動できることから業務改善につながることが多い。

1-2.ワークフローシステムとは

ワークフローシステムは、ワークフローの運用を情報システム上で行うようにしたものである。情報システムの運用があまり浸透していない現場では、紙ベースでの運用になっているのが問題になりがちだ。典型的なフローでは業務開始のための申請を行い、内容に応じて適切な承認者が承認をしていき、最終決裁者が承認した時点でようやく業務を始められる。この承認手続きだけでも紙を回していくのは時間がかかり、その都度誰が誰に申請書を渡す必要があるかをワークフローに従って考えなければならない。このような業務負担を軽減して自動化することにより業務の停滞を防ぎ、効率性を向上させることができるのがワークフローシステムの一般的な特徴だ。

ワークフローシステムはワークフローの図式をシステム内に取り入れてしまい、一通りの手続きをシステム上で行えるようにしている。ワークフローをシステムに入力することは必要だが、それさえ終えてしまえば自動化される部分が多いので運用しやすいのが魅力だ。例えば、申請書のフォーマットはシステム上にあるので探す必要はない。繰り返し申請している内容なら、以前の申請書が保存されているのでコピーして修正したらすぐに申請できる。申請すると承認者に順次アラートが出るといった形で承認や決済がスムーズに進むようになっていて、承認者は内容を確認して承認か非承認かを考えるだけで済む。決済が終わったら申請者に通知があるのですぐに業務を開始することが可能だ。

さらに、申請書の保管もシステム上でできるようになっていることから保管の負担もない。業務を遂行した後の結果報告や経費申請、支払いなども同じシステムで行えるようになっていることも多く、業務全体を改善するのに適しているシステムと言える。そのため、ワークフローの改善ではワークフローシステムの導入を検討するのが一般的となっている。

2.ワークフローシステムのメリット

これまでにもワークフロー自体やワークフローシステムを導入する魅力について言及してきたが、ここであらためてワークフローシステムを活用するメリットを確認しておこう。一言で言ってしまえば、業務プロセスの改善と効率化を行い、業務に伴う広い意味でのコストを削減し、さらに従業員の負担軽減による満足度の向上をもたらすことができるのがワークフローシステムのメリットだ。その詳細をもう少し深く掘り下げていく。

ワークフローシステムを導入するとワークフローがシステム上で管理されるようになり、業務プロセスの進捗状況が可視化される。そして、一連の手続きや作業についてやるべきタイミングで通知があることから、全体的な時間短縮が可能になり、承認決済などがスムーズに進行するようになる。次の担当者への連絡などの業務負担が軽減され、自動化によってタイムリーに情報伝達が起こることから業務スピードも向上するのが一般的だ。このシステムを運用するためのワークフローは運用しながら改善していくことが可能なため、継続的に活用していくことで持続的な効率向上を目指すことができるのもメリットである。

一方、紙ベースでの承認決済などが必要なくなるため、ペーパーレス化によるコストの削減とCSR活動として社会に発信できる取り組みになる。申請書などの各種書類もシステム上で全て管理できるようになるので管理負担が軽減され、保管スペースのためのコストも削減が可能だ。さらにワークフローの管理と運用を一元化できるので作業効率も向上する。各種手続きに必要なフォーマットも統一でき、内部統制の強化にもつながるだろう。システム上で自動チェックを入れるなどの工夫も可能で、記録も正確に残されることからヒューマンエラーの防止、改ざんや不正の防止にも役に立つ。

このような総合的な改善の結果として従業員の負担が軽くなり、残業や休日出勤に追われていた人たちのワークライフバランスも整えられると期待できる。国の推進する働き方改革にも寄与できるシステムだ。

3.ワークフローシステム導入のポイント

ワークフローシステムを導入する上では、流れの把握とシステムの選定が重要だ。導入時には社内の現状把握から始め、何をすれば改善が可能かを分析し、明確なルールを作成することが必要になる。このプロセスを経て、システム導入を検討するというのが準備段階の流れである。このプロセス後、システムの選定を行うことになるが、本当に課題解決につながるシステムなのかを吟味し、ベストなシステムを選定しなければ後悔することになりかねない。カスタマイズ可能で複雑な業務プロセスの管理をする必要があるか、既存のシステムとの連携をしたいかといった点は特に注意が必要で、システムによって大きな違いがある点になっている。

既存のワークフローとの整合性も取れる運用方法を策定できるシステムを見つけて導入を本格的に検討することにしたら、次に必要なのが小さなセクションでの試験導入だ。まず小規模で運用をしてみて、従業員の受け入れの様子や効率改善の状況を評価するのは大切である。そして、複数部署に広げてさらに試験運用を行い、効果が得られると分かった時点で全社導入をするという流れにすると失敗のリスクが低くなる。

ワークフローシステムで自社の業務を改善しよう!

ワークフローの策定と運用は、業務の改善のために欠かせないものだ。紙ベースでの運用は業務スピードが遅く、業務負担が大きくなることは否めない。ワークフローシステムを導入し、自動化と業務量の低減を図りつつ、ペーパーレスでの運用を進めよう。これと合わせて現場に合ったワークフローをあらためて検討すれば、大きな業務改善につながるだろう。

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