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法人向けファイル転送サービス。選定のポイントとおすすめ主要サービスを紹介

2021.10.18

コロナ禍でリモートワークが急速に普及したが、直接顔を合わせないことが引き起こすコミュニケーション不足問題は深刻だ。面と向かってやりとりすることがないので、あらゆる情報をデータの形で共有する頻度が必然的に増える。そこで課題となるのがデータ共有の方法だ。チャットツールだと容量不足だし、情報漏えいリスクなどのセキュリティ面も気になるところ。そんな昨今活用したいのが、ファイル転送サービスだ。
個人で使う分には、巷に溢れる無料のサービスを使っても問題はないだろうが、業務で使用するには不安な面もある。本記事では、法人としてどのようなサービスを使うべきかという観点で、ファイル転送サービスについて解説していく。

ファイル転送サービスとは

そもそもファイル転送サービスとはどのようなサービスなのか、まずはその内容をご説明しよう。

大容量のファイルを社内外へ送付するサービス
「ファイル転送サービス」とは、メール添付では容量が大きすぎて送れないような、サイズの大きいファイルをやりとりできるサービスである。オンライン上に送りたいファイルをアップロードし、共有したい相手にそのURLをメールで送る。受け取る側は、送られてきたURLにアクセスし、オンライン上にアップロードされたデータをダウンロードするというものだ。今までも社外へのデータ共有手段として使われることが多かったが、リモートワークの普及に伴い社内での需要も増えている。

無料のサービスも多数存在
無料で使えるファイル転送サービスとしては、無料版のfirestorageやGigaFile便などがある。煩雑な会員登録などは必要なく、インターネット上で手軽に使うことができるので、個人で利用したことがある人も多いのではないだろうか。

法人として活用する際にはセキュリティの問題を視野に
無料で使えるサービスはもちろん便利だ。しかし無料で使える分、セキュリティ面は万全とはいえず、法人での利用はおすすめできない。社内でのデータ共有の手段として活用することを視野に入れている場合は、社外秘の機密情報をやりとりする可能性もあるため、なおさらセキュリティ面に気を配って選ぶ必要があるだろう。

法人向け有料おすすめファイル転送サービス

法人向け有料おすすめファイル転送サービス

そこで、法人として利用する場合も安心といえる、有料のファイル転送サービスの中からおすすめの4つをご紹介していく。

❖ firestorage
認知度が高い代表的なファイル転送サービスといえば「firestorage」だ。会員登録をしなくても無料で気軽に使うことができる。しかし、無料プランで一度にアップロードできるファイルサイズは2GiBまでと制限があるため、大きなサイズのファイルを送りたい場合には有料プランに登録する必要がある。1ユーザーにつき月額1,037円からの手軽なプランもあるが、セキュリティレベルを高めたい場合には法人プランがおすすめだ。法人プランでは、すべての操作がSSL通信で暗号化される上に、アクセスログも管理することができる。価格は、100アカウントで月額54,780円、初期費用が55,000円のプランから導入が可能。ユーザー数無制限の年間プランもあるので、従業員数によってはもっとお得になるだろう。
(「firestorage」の資料はこちら

❖ クリプト便
「クリプト便」は、数あるファイル転送サービスの中でも特に高いシェア率を誇るサービスだ。国内最高クラスの運用・設備セキュリティを実現しており、個人情報を扱う業務でも安心して取り入れることができる。実際に、契約している企業の約半数が金融業界と、セキュリティレベルの要求水準が高い業界でも厚い信頼を得ている。導入費用は企業の規模にもよるが、だいたい1ユーザーあたり月額1,000円前後から。これに初期費用と、必要な場合は各種オプション料金がプラスされる。自社の状況によって費用が変わってくるため、一度問い合わせてみるといいだろう。なお、1ヶ月間無料で試すことができるトライアルも用意されている。
(「クリプト便」の資料はこちら

❖ GigaCC
幅広い企業・自治体で採用されている「GigaCC」も、高いセキュリティレベルに定評のあるサービスだ。スマホやタブレット用のアプリも用意されており、個社ごとに細かくセキュリティ要件が設定できるため、機動性の高いサービスだといえるだろう。また、通常だと難しい中国や東南アジア圏とのやりとりを高速で行えるアジアンゲートウェイサービスを搭載しており、多言語に対応しているとあってグローバル展開を目指す企業にはうってつけだ。導入費用は、クラウドプランの場合、10アカウントで月額13,200円〜、初期費用は55,000円と比較的安価に導入できる。こちらも容量やユーザー数などに応じた様々な導入パターンがあるため、無料トライアルの希望とともに問い合わせてみるといい。
(「GigaCC」の資料はこちら

❖ Smooth File
企業規模が大きければ大きいほどコストパフォーマンスがよく、おすすめなサービスが「Smooth File」。容量によって価格は前後するが、どのプランを選んでもユーザー数が無制限と、シンプルな価格形態になっている。自社にサーバを構築するタイプのものからクラウド型まで、3種類の導入形態から自社に合ったものを選ぶことができ、アプリでも使えるという柔軟性の高さも魅力。もちろん他社と同様にセキュリティ環境はしっかり整備されている。また、日・英・中・韓4ヵ国語に対応しているため、海外企業とのやりとりがあっても安心だ。価格は、最も安いクラウド型の場合、5GBプランで月額27,500円、初期費用55,000円から。デモ版で使用感を試すこともできる。
(「Smooth File」の資料はこちら

ファイル転送サービスの選び方

一度ファイル転送サービスを導入し、社内にその方法が浸透したら、そう簡単に違うサービスへ変更することはできない。だからこそ、導入の際にはどのサービスが自社に一番合っているのか、慎重に検討する必要がある。以下に選び方のポイントを挙げるので、ぜひ参考にしてほしい。

●送信できるファイルの容量から選ぶ
サービスによって異なるが、送信可能なファイル容量によって価格が段階的に変わることが多い。メール添付のかわりに使うイメージで、wordやexcelなどの軽いデータしか扱わない場合もあれば、解像度の高い画像データなど、重いデータのやりとりに使いたいという場合もあるだろう。自社のやりとりで主に扱うデータがどのようなものになるのかによって選ぶべきサービスやプランが変わってくるため、まずはここから確認しておこう。

●セキュリティ要件から選ぶ
ファイアウォールなどによる不正アクセス防止や暗号化の強度、ウイルスチェックの精度など、セキュリティの高さも重要なチェックポイント。有料サービスの場合はどれも強固なセキュリティレベルを確保できていると考えていいが、サービスによっては、誤送信防止機能やデータをダウンロードしたログを記録できる機能など、さらに厳重なオプション機能がついているものもある。自社が扱うデータのセキュリティレベルがどのくらいのものなのか確認して、必要な機能の搭載されたサービスを選びたい。

●サポート・対応言語から選ぶ
海外拠点や、外国の取引先とのやりとりが想定される場合は、対応言語とそのサポート内容にも注目したい。画面や通知メールでの多言語表記ができるかどうかは、グローバルな取引を考える際には重要なポイントとなる。また、中国を含むASEAN地域では、インターネットのインフラ事情が日本国内とは異なり、データの送信にかなり時間がかかってしまうケースもある。そのような地域とやりとりする際のサポート体制が整っているかどうかも考慮すべきだろう。

●価格形態から選ぶ
どのような基準で価格の違いが決まるかというのもぜひ比較対象にしたい。データ容量の大きさによって価格が決まり、ユーザー数は無制限で使えるというものもあれば、プランによってユーザー数に制限があるサービスも。従業員数が少ない場合はデータ容量を優先に選び、従業員数が多い場合は利用可能なユーザー数を優先に選ぶというのが賢い方法だろう。自社の事情によって、価格と必要なものとのバランスを考えて選ぼう。

法人だからこそのファイル転送サービスのセキュリティ対策

これまで、有料サービスだからこそのセキュリティ水準の高さについても少し言及してきたが、具体的にはどのような対策がなされているのだろうか。詳しいセキュリティ対策の内容を見ていこう。

<権限の付与>
ただファイルの送受信をするだけでなく、ファイルごとに閲覧のみを許可するか、編集も許可するか、といった権限の制限をかけることができる。ファイル内容の書き換えなどの改ざんリスクを軽減することに役立つ機能だ。

<ダウンロードの制限>
ダウンロード制限には、3つの種類がある。1つめがパスワードによる制限だ。ファイルをダウンロードする際にパスワードを要求するよう設定することで、誤送信による情報漏えいリスクを防ぐことができる。2つめはダウンロード回数の制限。該当ファイルをダウンロードする想定人数まで制限をかけることで、不正ダウンロードのリスクが格段に減らせる。最後にダウンロード期間の制限もポイントだ。1週間などダウンロード可能な期間を設定し、期間を過ぎると自動でファイルを削除してくれる機能もある。削除キーなどで手動削除することもできるが、人的ミスによる情報漏えいを防ぐという観点では自動で削除された方が安心だろう。

<暗号化>
ファイルをサーバにアップロードする際のデータや、ユーザーのログイン情報などを暗号化できるかどうかも見逃せない機能のひとつだ。暗号化によって、情報漏えいのリスクをより厳重に防ぐことができる。

<ログの取得>
誰がファイルを送信したのか、また、誰がファイルをダウンロードしたのかというログを残すことができる機能もある。ファイルの不正な持ち出しなどのリスク管理に役立つだろう。

無料ファイル転送サービスの危険性

無料ファイル転送サービスの危険性

本記事では有料のファイルサービスをメインに紹介してきたが、無料で使えるファイル転送サービスも多々存在する。一見無料で使えるならそちらの方がいいと思うかもしれないが、無料ツールはデータの扱いが厳密でなく、セキュリティ面で決して安全とは言えない。ここで大事になってくるのが、有料ツールを導入し次第、その旨を必ず全社にアナウンスすることだ。普段から無料のファイル転送サービスを使用している人は、特に問題意識なく、無料サービスを仕事でも使用してしまうケースが多い。そんなケースをなくすため、周知を徹底していく必要がある。

まとめ

コロナ禍が続く今の社会では、オンラインで仕事ができる環境の整備はもはや必須となっている。リモートワークに欠かせないツールの一つが、今回紹介したファイル転送サービスだ。個人での使用とは違い、法人としてファイル転送サービスを利用するとなると、セキュリティ対策を万全に期する必要がある。しかし、安全性の高いファイル転送サービスを導入しただけで安心してはいけない。その使い方を周知徹底し、社内全体のセキュリティ意識を高めていくこともまた重要だ。無料トライアルがある場合もあるので、一度使ってその操作性を確かめてみるといい。使い勝手がいいことも大切だが、何よりも優先すべきはやはりセキュリティ。深刻な情報漏えいにつながることのないよう、本記事を参考に、安全性が高く、かつ自社に合ったサービスを選んでみてほしい。

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