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社内規程とは?作成のポイントや、注意事項を解説!

2022.01.23
オフィスのミカタ編集部

社内規程とは、会社が独自で定めた社内における決まりのこと。社内規程にはどのような役割があるのか、概要や作成方法について気になる担当者もいるだろう。

本記事では、社内規程の作成や変更等の整備を検討している人に向け、社内規程の目的や就業規則との違い、作成のポイントや注意事項、社内規程に違反した場合の対応などを解説する。自社の社内規程を検討する際に役立ててほしい。

目次

●社内規程とは
●社内規程の種類
●社内規程と就業規則の違い
●社内規程作成の流れ
●社内規程作成の際の注意事項
●社内規程に違反したときは?
●まとめ

社内規程とは

社内規程には、どのような役割があるのだろうか。まずは、社内規程の概要や作成する目的、重要性について紹介する。

社内規程の概要
社内規程とは、会社が独自に定めたルールの総称だ。法律上、作成が義務付けられているものもあれば、必要に応じて作成されるものもある。いずれの場合においても、「責任の所在や範囲の明確化」及び「会社の内部統制」を目的として作成されるのが一般的と言えるだろう。

社内規程の重要性
社内規程を作成することで、業務の標準化やトラブル防止が期待できる。例えば、会社規模が拡大することで、管理者や経営者の目に届かない部分が増え、内部統制がが困難となるケースがある。

そのような状況においては、社内規程を設けることで、社内の秩序を保つことが可能となるだろう。会社の基準ともなる社内規程は、組織運営の基礎と言えるほどに重要であることを認識しておきたい。

社内規程の種類

どのような社内規程を作成するかは、会社の業種・業態・規模などの要因により異なると述べたが、一般的に社内規程として作成されるものは次の通り。

●基本経営
定款、企業理念、取締役会規程、役員規程など

●組織権限
組織規程(組織図)、業務分掌規程、職務権限規程、稟議規程、関係会社管理規程など

●人事労務
就業規則、賃金・給与規程、退職金、退職年金規程、出張旅費規程、社内貸付規程など

●総務関連
文書取扱規程、印章取扱規程、固定資産管理規程、安全衛生管理規程、社宅管理規程、人事考課規程など

●業務管理
経理規程、原価計算規程、内部監査規程、購買管理規程、外注管理規程、在庫管理規程、債権管理規程、与信管理規程、予算管理規程など

社内規程と就業規則の違い

社内規程と同様、会社のルールを定めたものに「就業規則」がある。双方の違いは何だろうか。

就業規則とは
就業規則とは、会社のルールとして「就業に関する事項のみ」を定めたものだ。労働基準法によって記載が義務付けられているものに加え、会社の裁量で追加できる事項もある。就業規則の具体例は、労働条件、賃金、賞与、退職金、有給休暇などの事項だ。

参考:『モデル就業規則について |厚生労働省』

社内規程と就業規則の違い
社内規程と就業規則の違いは「規定するルールの範囲」である。会社のルール全般を規程する「社内規程」に対し、就業規則は「就業に関する事項のみ」を定めるものだ。

また、社内規程は労使間の合意が不要だが、就業規則は労使間の合意が必須であることも相違点として挙げられる。就業規則は、労働基準法を遵守した上で、労使間の合意を形成し作成する必要があるのだ。

見方によっては就業規則も社内規程の1つと言えるが、上記の通り、就業規則の性質が特殊であることから、社内規程と区別して考えられることが多いだろう。

社内規程作成の流れ

社内規程を作成する際の流れやポイントを見ていこう。社内規程は次のようなステップを踏んで作成されるのが一般的だ。

1.責任者の決定
社内規程作成の総責任者を決定する。

2.現存の規程を確認
会社内の各部門で現存する規程・マニュアル・内規などを収集し、整理をする。

3.規程の仕分け
収集した規程を整理し、集約できる項目や新設する項目などを分類し、規程の内容を決定する。

4.スケジュール作成
社内規程の内容決定とともに、社内の各部門との調整・連携や、規程の整備などにかかる時間を算出してスケジュールを決める。

5.社内規程の作成
社内規程は、他社の規程や事例が記載された書籍などを参考に作成する。規程が整ったら、内容に問題がないか専門家に内容を確認してもらうと安心だろう。場合によっては、作成をアウトソーシングすることも1つの方法だ。

6.決議・従業員への周知・広報
社内規程が完成し、取締役会の決議がおりたら、社内規程を従業員が確認しやすい方法で周知する。

社内規程作成の際の注意事項

社内規程を作成する際には、どのようなことを意識しておくと良いのだろうか。注意すべき事項を紹介する。

整合性があること
規程が増えるほど、整合性の取れない項目が生まれることも考えられる。規程間で矛盾が生じないよう、全ての規程において整合性に問題がないか、確認することを覚えておきたい。

法律に違反しないこと
会社法・労働基準法・個人情報保護法など、社内規程に関連する法令に違反しないよう注意を払う必要もある。随時、法改正も行われるため、弁護士や社労士、税理士、会計士などに確認を依頼して法律に抵触するリスクを回避することが重要だ。

従業員へ周知すること
社内規程を従業員に周知徹底することも必要である。周知することは義務ではないが、従業員の不満に繋がらないためにも、内容の変更や更新が行われた際にも忘れず周知を徹底したい。

定期的にメンテナンスを行うこと
社内規程が完成したら、それで終わりではない。規程が法改正や会社の現状、現場の実態と乖離することのないよう、定期的に規程を見直し、変更・更新などのメンテナンスを行うとよいだろう。

社内規程に違反したときは?

社内規程に違反をした従業員は、懲戒処分の対象となる可能性がある。違反した場合の懲戒処分の内容もあらかじめ確認しておくことが大切だ。懲戒処分の種類と内容は次の通り。

●戒告(かいこく)
社内規程に違反した従業員に対し、口頭で注意し、将来を戒めるもの。

●譴責(けんせき)
社内規程に違反した従業員に対し、始末書を提出させ、将来を戒めるもの。同様の行為を行わないという誓約も含まれる。

●減給
社内規程に違反した従業員に対し、本来ならば支給されるべき賃金の一部を差し引く処分。労働基準法により差し引く金額の限度が決められている。

●出勤停止
社内規程に違反した従業員に対し、一定期間の出勤を禁止する処分。

●降格
社内規程に違反した従業員に対し、役職、職位、職能資格を引き下げる処分。

●諭旨(ゆし)解雇
社内規程に違反した従業員と会社の話し合いにより、双方が納得した上で解雇処分を行う。

●懲戒解雇
社内規程に違反した従業員に対し、労働契約を一方的に解消する処分。懲戒処分の中で一番重い処分。

まとめ

社内規程とは、会社経営を継続させるための基準となるルールである。業務の標準化や判断の基準を定める目的があり、会社の存続・発展のために欠かすことはできない。企業理念を社内外に広くPRできるツールでもあるので、法令を遵守しながら、事業発展につながる社内規程の作成を検討してみてはいかがだろうか。

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