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市場価値を高めるための総務の仕事内容とキャリア形成のための必要スキルを解説

2022.04.08
オフィスのミカタ編集部

多種多様な業務を行う総務の仕事は、広範囲な仕事内容からさまざまなスキルが求められる。今回は総務担当者に向けて、市場価値を高めるための仕事への考え方や理想のキャリアパスを描くために必要なスキルについて解説する。

法人企業における総務の位置づけ・仕事内容

企業の大小にかかわらず総務部門は必ずあるもので、その仕事内容は多岐に渡る。ここでは総務の仕事内容について簡単に紹介する。

企業で活用する備品など「モノ」を適切に運用管理
企業活動を滞りなく行うために必要な備品の運用管理は総務の大切な仕事の一つ。消耗品の補充や不具合の出た機器や備品の修理・メンテナンスの依頼なども運用管理だ。

オフィスや倉庫などの施設のメンテナンス・運用管理
清掃業者への依頼や照明・空調の調節など、快適なオフィス環境を整えるのも総務の仕事だ。オフィス以外に駐車場や倉庫などを所持している場合、その契約や管理についても任されている。メンテナンスが行われる際の社員への事前告知や、オフィスビルで防災訓練を実施する場合の告知も総務が行うことが多い。

株主名簿などの重要文書の情報漏洩に配慮した文書管理
備品管理で生じた書類や会議資料、稟議書、契約書、株主名簿などの重要文書の作成や管理も総務が担っているケースが多い。必要な時にすぐに取り出せるように文書の種類、日付ごとに分かりやすく保管する。文書が不要になったときに情報漏洩に十分注意しながら、廃棄するまでが総務の仕事となる。

株主総会・取締役会の企画・運営などの社内外イベント企画・管理
社内外のイベントの企画や運営管理も総務の仕事。社外行事には株主総会や取締役会の運営等が該当し、書類の作成から想定される質問と回答の作成といった事務的なことから、会場の手配や招集の通知、問い合わせへの対応などが挙げられる。社内行事としては、入社式や社員総会といったものから、社員旅行や忘年会などのレクリエーションも総務が手がけることが多い。どちらにせよ、イベントがスムーズに進行するように多岐にわたる業務をこなす必要がある。

総務業務は広範囲に渡る。総務の詳しい業務内容に関しては、以下の記事を参考にしてほしい。
総務とは?業務内容や必要なスキルを紹介

総務業務を円滑に進めるために必要な考え方

総務業務はマルチタスクであることが多く、他部署との連携も欠かせない。業務をスムーズに進めるために必要な考え方を紹介するので、ぜひ意識してみてほしい。

現場社員の目線に立ち業務効率化のための業務を行う
社内にはさまざまな業務を行う社員がいるが、「個々の社員がスムーズに業務を行うため」にできることを先回りして整えるということを常に念頭に置きたい。

公正かつ広い視点から企業に必要な業務を行う
すべての社員に常に平等であれというのは難しいが、全体を見通して、企業にとって必要な業務を優先して行っていく公平性と広い視点を持つ必要がある。

法務・人事を兼任する気概で各部署と連携し業務を行う
総務の仕事は、部署内だけで完結する仕事が少ない。他部署の困りごとを解決したり、スムーズな業務を手助けしたりするため、常に連携が欠かせない部署といえるだろう。法務や人事といったバックオフィス業務全般を兼任するつもりで、各部署とコミュニケーションを取りながら業務に取り組んでほしい。

企業全体を包括的にサポートする総務はバックオフィス全般の責任者

総務業務はバックオフィス業務の代名詞のような部署で、実際に中小企業では人事も法務も総務担当者が担っているケースが多い。ただ、企業の姿勢として、人事は攻め、法務は守りにあたるため、バランスを取りながら業務を行う必要がある。一人ですべて行うような場合、同時進行で進めるのは難しいため、しっかりと優先順位をつけながらサポート体制を築く必要がある。

会社規模・業態によって変わる総務業務の守備範囲

総務の仕事は会社の規模や業態によって業務範囲が大きく変わる。ここでは一般的な例として総務業務の範囲について解説していく。

バックオフィス全般を担うベンチャー・零細企業
ベンチャー企業や零細企業では、バックオフィスに割ける人材に限りがあるため、総務業務にとどまらず、バックオフィス全般を担うことが多い。総務、人事、経理、広報など多岐に渡る業務を経験できるため、キャリアの方向性も広がるだろう。

また、特にベンチャー企業では創業して間もないことからマニュアルが存在しないことも多く、マニュアル作りも担う可能性も。逆をいえば、担当者のやりやすい方法で仕事を進めることができるだろう。

マネジメント経験までを担いやすい中小企業
中小企業においても、場合によってはベンチャー・零細企業と同じようにバックオフィス部門として総務、人事、経理など全てを兼務するケースもある。マルチなキャリアを積めるとともに、規模が小さいからこそ、マネジメント経験を比較的早い時期から積んでいける可能性が高い。

専門業務に経験・特化しやすい大企業
大手企業の場合は総務業務が細分化され、専門業務として担当することが多い。専門業務に特化した人材、いわゆるスペシャリストを育てる傾向がある。同じ部署であっても他業務のことはわからないことも多い。

どのタイプにもそれぞれ一長一短があり、自身がどういったキャリアを描いていきたいのかによって所属すべき場所は変わる。マルチに仕事をこなせるようになりたいのか、スペシャリストを目指したいのか、まずはそこから考えてみてほしい。

総務担当者のキャリアパスと業務内容

総務担当者として数年働いた人であれば誰もが考えるのが、今後の自分のキャリアパスについてだろう。「どういった未来を描いていきたいのか」は、どういった未来が選択できるのかを知らなくては始まらない。ここでは、総務担当者のキャリアパスとして考えられる選択肢を3つ紹介する。

社内で経営と現場の架け橋として総務を続け管理職になる
総務の仕事を極め、総務部の管理職として部署をまとめる存在へとなる道が一般的なキャリアパスの一つ。経験を重ねて昇進し、総務のスペシャリストを目指したい。

企業全体に関わる経験から広報などバックオフィスの他部門に転向する
総務部は部署内の仕事だけでもマルチタスクなため、高い業務遂行能力が培われる。企業全体を見通してきた経験を生かして、他のバックフィス部門へ転向しても即戦力となれるだろう。

経営参謀として社長・役員の相談役として経営に携わる
バックオフィスから会社全体を見てきた経験は、経営にも通じるものだ。経営参謀や相談役として経営に携わることで、多角的な会社運営の一助となるだろう。

オフィスのMIKATAでは、総務業務におけるスキルアップやキャリアアップに必要な情報を発信するイベントやセミナーを多数開催している。オンラインでの開催が多く、日本全国どこからでも聴講できることも大きなメリットの一つ。ぜひ一度参加してみてほしい。
オフィスのMIKATA イベント・セミナー

まとめ

総務の仕事は多岐にわたるため、雑用のように思われがちだが、総務業務によって社内の全業務が効率よくスムーズに回っていることを忘れてはいけない。会社にとって欠かせない仕事に誇りを持ち、ぜひ自身にとって最適なキャリアパスを描いていってほしい。