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商標登録サービスを徹底比較|会社規模別におすすめサービスを紹介

2023.06.14
オフィスのミカタ編集部

商標登録は、企業や個人が独自のブランドを確立し、商品やサービスの競争力を高めるために重要だ。しかし、特許事務所に商標登録を依頼する場合、手数料や報酬などの費用がかさむため、近年では低コストで利用できる商標登録サービスの利用者が増加している。本記事では、主要な商標登録サービスを比較しつつ、商標導入のメリットについて解説する。

商標登録をオンライン上で完結できる商標登録サービス

商標登録サービスとは、従来の書類を集めて特許庁へ出願していた商標登録をオンライン上で完結できるサービスである。商標登録には複雑な手続きや法的な知識が必要だが、商標登録サービスを利用することで専門家の知識と経験を利用して、スムーズな商標登録が可能になる。

サービスによっては、商標の選定や類似商標の調査などのサポートも提供しており、商標権の維持や管理に関するアドバイスも受けることができる。商標登録サービスは、専門家の支援を受けながら、時間と手間を削減し、商標登録に関する費用を抑えられるため、新しいサービスや商品を開発が盛んな企業や個人にとって頼もしい味方となっている。

従来の商標出願より短い期間で商標登録ができる
従来の商標出願では、出願から公告まで一般的に1年から2年程度が必要であった。その後、異議申立てや審査請求などの手続きがある場合には、さらに数ヶ月から数年かかり、商標登録までに数年かかる場合があった。

一方、商標登録サービスを利用した場合、専門家が手続きを代行するため、手続きの迅速化が期待できる。また、利用するサービスによっては、商標の類似性や適格性を事前に調査し、出願に必要な書類を整備することで、審査期間を短縮することが可能だ。商標登録サービスを利用した場合には、約3~9カ月程度で登録が完了できる。

出願だけではなく商標調査も行うことができる
商標登録サービスでは、商標庁や商標データベースなどの情報源を活用して、商標の類似性を確認したり、専門家による調査を行うことができる。また、近年ではAIを活用し、より迅速に正確な調査が可能になっている。

●内部リンク 商標調査とは?その目的や方法、注意点などを解説
商標調査は商標出願の前提として重要な手続きであるため、商標出願に際しては、商標調査を行うことが強く推奨されている。商品調査についてはこちらの記事で詳しく解説している。
https://officenomikata.jp/coverage/13591/

Webを経由するため商標登録サービスにはセキュリティ対策が必須

商標登録サービスは、低コストかつ短期間で登録ができる反面、Webを経由して情報を送受信するため、情報漏えいや不正アクセスなどのセキュリティリスクが存在する。
商標登録に必要な情報には、商標や出願者の氏名や住所などの個人情報、商標出願書類の著作物などが含まれており、これらの情報が漏えいしたり、不正にアクセスされたりすると、権利侵害や不正使用などの問題が生じる可能性がある。
商標登録サービスを利用する際には、セキュリティ対策に十分な注意を払うことが不可欠だ。商標登録サービスを選ぶ際には、事業者が適切なセキュリティ対策を実施していることを確認し、信頼できるサービスを選ぶことが重要になる。

主要な商標登録サービス4選

「TM-RoBo」の特徴と魅力
1. 検索結果を数値で表示
商標調査AIが商標間の類似度や出願可能性を数値化して表示するので、調査結果がわかりやすい。

2. 結合商標の高度検索にも対応
TM-RoBoはAIを複数組み合わせることで、世界でも類を見ない結合商標検索機能を実現した。漢字やアルファベットを含む文字商標を入力するだけで、結合商標の分割や自動生成、語力統計指標の算出、根拠の表示などが短時間でおこなえる。

3. 登録は無料7日間で30回まで検索できる
TM-RoBoは登録から7日間、無料で検索サービスを利用できる。はじめて商標登録を検討している企業や個人が試しやすい。

TM-RoBoは、専門家と同程度の精度で類似度や出願可能性などを数値化して表示するため、調査結果がわかりやすいのが大きな特徴だ。また、7日間に30回までは無料で利用できるため、出願前の簡易調査に役立つサービスである。
https://ip-robo.co.jp/tm-robo/

「Cotobox」の特徴と魅力
1. 出願まで最短1日
Cotoboxの大きな特徴は、そのスピードだ。申込も最短で3分、出願まで最短1時間という速さが最大の魅力である。商標登録は早い者勝ちなので、出願までの時間を大幅に短縮できるのは大きなメリットだ。

2. 商標を一括管理できる
登録した商標はCotobox一元管理できる。期限が近づくとお知らせが届くので、更新漏れを防いでくれる。多数の商標を管理する場合に便利だ。

3.業種別のロゴ調査機能がある
CotoboxにはAIが、特許庁が保有する約92万件のロゴ商標の中から、同一業種であり、かつ似ている画像を最短10秒で見つけ出す調査機能がある。

Cotoboxの最大の魅力は出願までのスピードだ。手続きがシンプルなため、最短1日で出願することも可能である。実際の申請作業は担当弁理士が担うため、ユーザー側の負担が少なく、カスタマーサポートも充実しているため、商標登録に関するノウハウを持っていない企業や初めて商標登録をする人にも使いやすいサービスである。
https://cotobox.com/

「Toreru」の特徴と魅力
1. 進捗がクラウド上で確認できる
Toreruはクラウド上で管理・確認ができるため、自身の登録しようとしている商標の登録の可否や状態をリアルタイムに把握できる。

2. 弁理士によるアドバイスを受けられる
Toreru調査に申し込むと、担当弁理士からの電話ヒアリングがあり、ビジネス方向性を話し合うことで商標権を有利に抑えることができる。

3. 無料の新機能
Toreruに登録すると、マイページ上で無料の簡易調査「AI調査®」を使用できる。AIシステムを使い、似たような商標があるかどうかの簡易検索や、商標に特徴(識別力)があるかどうかのごく簡単なチェックができるので、検討中の方でも使いやすい。

「Toreru(トレル)」は商標登録の調査・申請が簡単に行える。複雑なフォームの記入や、先行登録調査などは弁理士に任せることができるので、リソースの不足している会社や個人が手軽に商標出願・登録申請をする際に便利なサービスである。
https://toreru.jp/

「すまるか」の特徴と魅力
1. スマートフォンの簡単な操作
すまるかはクラウドベースのモバイルフレンドリーなシステム設計。無料の調査依頼から出願完了までスマートフォンだけで対応できる

2. AIを駆使した高度な調査報告
先行する商標との類似度をAIによる類否判断エンジンを用いてスコア化する。類否判断エンジンは常に改良を続けているため、精度の高い調査が期待できる。

3. 調査期間は原則1週間
AI+弁理士による調査結果に基づき、RPAにより半自動的に調査報告書を生成できる。調査期間が原則1週間、最短1日で調査報告が届く。

「すまるか」は、調査依頼から出願までをスマホで完結できるのが最大の特徴だ。先行商標調査は無料なのも魅力である。さらに、複数の商標出願の進捗をまとめて管理できるため、常に複数の商標を管理する企業や個人に使いやすいサービスとなっている。
https://smarca.jp/

商標登録サービスの選び方のポイント

商標登録サービス事業者の実績や評判、信頼性を確認することが重要だ。そのうえで、必要となる機能やランニングコストにあったサービスを選定するべきである。

類似の商標を自分で検索・調査できる機能の有無
類似の商標とは、商標法において「商品や役務の種類が類似しており、それによって一般の消費者が混同しやすいと誤認するおそれがある商標」と定義されている。
つまり、商品や役務の種類が似通っており、商標の外観・発音・意味などが類似していることで、一般の消費者が混同しやすくなってしまう。そのため、既に登録されている商標と類似したものは新たな出願をしても却下されてしまう。類似商標の調査を外部に委託すると時間も費用もかかる。自分で簡単に検索・調査できる機能があれば、短時間で調査できるので、サービスを選ぶ際には類似商標の検索・調査ができるものが望ましい。

複数の商標を一元管理できる機能の有無
商標登録サービスの中には、複数の商標を一元管理できる機能がついている場合がある。
複数の商標を一元管理することで、商標の状況や有効期限などを一覧で確認できるため、
管理がしやすくなるというメリットがある。今後、複数の商品登録や管理の予定がある場合には、複数の商標を一元管理できるサービスが便利だ。

商標の存続期間の10年に対する更新手続きの通知機能の有無
商標の登録は、原則として10年間有効である。その後も商標を維持する場合には、10年ごとに更新手続きを行う。更新手続きを怠ると、商標が失効してしまうため、商標の維持には十分な注意する必要がある。商標の存続期間の10年に対する更新手続きの通知機能があれば、更新手続きのタイミングを失することがないため、長期間商標を維持したい企業や個人には頼もしい機能である。

登録したい商標の量や性質に沿った料金形態
商標登録サービスを利用する際には、登録したい商標の量や性質に沿った料金形態に注目したい。サービス事業者によって、登録したい商標の量や性質に応じた料金形態を設定しているため、不要なオプションサービスの利用を避け、必要なサービスだけを利用することで、コストを削減につながる場合がある。今後の事業展開や商標登録の予定を踏まえて、利用状況に適した料金形態のサービスを選ぼう。

大規模企業に適した商標登録サービス

大規模企業が商標登録サービスを利用する場合、企業規模に応じたサービス内容であるかが重要だ。大規模企業は、複数の商標を抱えることが多く、海外展開も視野に入れるため、多角的な視点で商標登録サービスを選ぶことが求められる。

特許庁・裁判所・商標専門家の判断を機械学習し調査を効率化「TM-RoBo」
TM-RoBoは、特許庁、裁判所、商標専門家の判断を機械学習する機能が備わっている。そのため、出願前の調査を効率化することが可能である。
さらに、同時に複数の商標の候補を、CSVファイルでアップロードすることで、一括で調査できる。同じ商品・サービスに対する異なる名称の商標の比較や選択が容易にできる。
https://ip-robo.co.jp/tm-robo/

AIを活用したスピーディーな対応に強みを持つ「Toreru」
Toreruへの調査や出願などの申込みは、フォームに入力するだけという実に簡単な作業のみとなっている。AIを活用しているため、調査レポートは平均2営業日で届けられる。
全ての手続きがネット上で完結するため、時間や場所を選ばずに利用できる。
https://toreru.jp/

小規模企業で活用できる商標登録サービス

小規模企業は大企業に比べ管理する商標は少ない傾向がある。そのため、簡単な手続きで商標登録を行うことができる商標登録サービスが適している。オンライン上での申請や、専門家による手続き代行などが低コストで利用できるサービスを選ぶとよい。

商標出願の経験がなくても手続きを弁理士に一任できる「Cotobox」
Cotoboxでの出願手続きはオンラインで完結するため、出願資料の記入や郵送は必要がない。初めての商標登録でも手続きが完了するまで、専門のサポートチームが手助けしてくれる。また、出願は専門の弁理士が行うため、書類の不備や類似商標などを理由とした差戻が少なく、スムーズに商標登録を行える。
https://cotobox.com/

スマートフォンから簡単に商標調査・出願ができる「すまるか」
本来は、さまざまな手続きが必要な商標調査や出願をスマホひとつで完結できるのが、すまるかの大きな魅力だ。しかも、調査期間も原則一週間という早さである。手軽に利用できるが、専門家によるサポートも充実している。
https://smarca.jp/

まとめ

今回取り上げた4つの商標登録サービスは、商標登録が初めてでも安心して利用できるものばかりである。データベースやAIを活用し、商標の確認ができるなど便利な機能と充実したサポート体制がある。

今や商標登録サービスは、商標登録におけるリスクを回避し、スムーズに手続きを行うために欠かせないサービスとなっている。商標登録は、企業や個人のブランド価値を高めるために不可欠な手続きである。安心して商標登録を行うために、今回紹介したポイントを参考に、自社に適した商標登録サービスの活用を検討してほしい。