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請求書受け取りサービスの活用で業務の大幅削減を実現。現状の課題やサービス導入によるメリットを解説

2022.05.25
オフィスのミカタ編集部

請求書を紙で管理していることで、受け取り業務の負担が大きいと感じたことはないだろうか。本記事では現状の課題と請求書受け取りサービスの導入によるメリットを踏まえ、おすすめのサービスを紹介する。

電子化をしない場合の請求書受け取り業務の課題

請求書を電子化しないことで起こりうる課題としては下記の4点が考えられる。

・業務工程が多い
・処理手続きや管理の手間が多い
・インボイス制度の開始に伴う業務量の増大についての懸念
・柔軟な働き方に対応しにくい

ここではそれぞれの課題について詳しく解説する。

作成から送付まで、業務工程が多く負担が大きい
請求書の作成から送付までには多くのフローを踏む必要がある。特に紙の場合には印刷、押印、封入、切手貼り、投函など請求書自体が作成できてもクライアントに送付するまでの業務工程が多いため経理担当者としては負担が大きいと感じるだろう。

受取形式が多様で処理手続きや管理の手間が多い
請求書は郵送やメール添付、ファイル共有サービスからのダウンロードなどクライアントによって受取形式が多様なため、処理手続きや管理の手間がかかってしまう。

そのため、業務量が増えるほど人的ミスの発生確率が高まる可能性が考えられる。

インボイス制度の開始に伴う業務量の増大が懸念される
令和5年10月1日よりインボイス制度が開始される。インボイス制度では新たに請求書に記載する項目が増え、要件を満たした請求書を発行・保管しなければならない。

そのため、今までの請求書とは作成方法が異なり経理担当者の業務量の増大が懸念されるため、インボイス制度に対応したサービスを導入した方が良いだろう。

リモートワークなど柔軟な働き方に対応しにくい
昨今ではリモートワークや在宅勤務などを推進している企業が増えてきている。しかし、請求書を受け取る必要がある、紙での送付が義務付けられているなどの理由から、柔軟な働き方に対応しにくい要因の一つとして捉えられるだろう。

請求書受け取りサービスを導入するメリット

では請求書受け取りサービスを導入することで、具体的にどのようなメリットを享受できるのかについて、下記で紹介していこう。

請求書の受け取り業務の場所や時間を選ばずに済むようになる
従来では請求書を受け取るために出社を強いられたり、受け取りから処理手続きまでのリードタイムが長くなってしまったりする負担があった。

請求書受け取りサービスでは、クラウド上で場所や時間を選ばずに請求書を受け取れるほか、一元管理を行えるため人的ミスの削減につなげることができる。

請求書の保管・管理・運用が容易になり経営データとして活用できる
請求書受け取りサービスでは、業者が代行して請求書を受け取りスキャンや入力作業によってクラウド上にデータを保管し管理できるようになる。

そのため、リアルタイムで請求書を確認できるので、取引状況やコストの把握が簡単に行え、経営層やマネジメント層へ迅速に公開することで経営データとして活用できるようになるだろう。

請求書の承認プロセスが可視化されることで誤入金を防ぐことができる
請求書の受け取りから承認までのプロセスを可視化させることができるため、今どこでストップしているのか、あるいはどのようなステータスになっているかを随時確認することができる。そのため、問題が生じた際の原因特定や誤入金などのミスを防ぐことが可能になる。

バックオフィス業務で利用する他サービスとの連携で作業工数が削減できる
バックオフィス業務を効率化するため、すでに会計ソフトなどを導入している企業も多いだろう。請求書受け取りサービスの中には会計ソフトと連携することで、請求書に自動で転記し発行まで行えるサービスがあるため、手作業で作成していた分の作業工数が削減できる。

電子帳簿保存法やインボイス制度に対応したサービスの利用がおすすめ

電子帳簿保存法やインボイス制度など、さまざまな法改正によって経理担当者は対応に追われることがあるだろう。クラウドサービスではそういった法改正に対応できるよう、変更があった際にはアップデートが行われ最新の法律に則った形式でデータを作成できるものが多い。

サービスを導入することで電子帳簿保存法に対応でき書類のデータ化で保存場所や管理業務が削減できる上、インボイス制度に伴う税率計算など面倒な計算も自動で行ってくれる。そのため、法改正などに迅速に対応できるサービスを選択した方が良いだろう。また、インボイス制度や電子帳簿保存法については、未だ理解が深まっている状況にないという調査結果を下記記事で細かく紹介しているので参考にしてほしい。

「インボイス制度への理解・対応状況に関する調査」を実施

請求書受取サービスに必要なデータ化の手法と精度

請求書受け取りサービスは、主にAIOCRを利用する場合とオペレーターによる手入力の2パターンに分けられる。

ここではそれぞれのメリット・デメリットについて解説する。

AIOCRを利用した自動データ化は仕訳対応に手間が必要
AIOCRで請求書の内容を読み取ることで、自動データ化することができる。また、会計ソフトと連携することによって自動で仕訳を行えるが、分類などの初期設定に手間が必要になる。

ただし、AIOCRの文字認識度は高精度のため、自動データ化自体は問題なく行えるだろう。

オペレーターによる手入力によるデータ化は費用がかかる
オペレーターによる手入力によって、高い精度で請求書をデータ化できるがAIOCRを利用するよりも人的コストがかかるため費用が高い傾向にある。そのため、自社の業務負荷をどれだけ軽減したいかで選択すると良いだろう。

請求書受け取りサービスを導入する際の選定ポイント

請求書受け取りサービスを提供している企業は数多くあるため、自社にとって最適なサービスを選ぶにはどこに着目すれば良いか悩んでしまうかもしれない。

ここではサービスを導入する際の選定ポイントについて解説していく。

自社の会計システムに連携可能なサービスか
自社がすでに会計システムを導入している場合には、請求書受け取りサービスとの連携可能かどうかを確認しておこう。会計システムと連携することで、自動で請求書を作成する、仕訳を行うなど業務工程を削減することが可能になる。

電子データ化の取り込み精度が高いか
サービスによってはAIOCRを使用することで、自動で請求書を読み取りデータ化を行う場合がある。オペレーター入力よりもサービス利用料が抑えられるという利点があるが、使用しているAIOCRによって文字の読み取り精度が異なるため、電子データ化の取り込み精度が高いか確認しよう。

削減される会計処理の手間と支払うサービス費用に合理性があるか
サービスを導入することで、現在の会計処理の手間をどれだけ削減できるのか、コストバランスが取れているかを確認しよう。そこまで請求書の受発行業務が負担となっていない場合には、一部の工程をアウトソースするだけで改善できるかもしれない。

サポート体制が充実しているか
新規のサービスを導入する際には初期設定のハードルがある。必要な情報を最初にまとめて登録しなくてはならないので、担当者だけで初期設定を完了するのは負担がかかるだろう。

また、請求書を代行して受け取るサービスの場合には取引先に送付先を指定する必要があるため必ず連絡をしなければならない。

このような手間のかかる設定まで代行してもらえるのか、サポート体制については契約前に確認しておこう。

電子署名法やインボイス制度に対応しているか
電子署名法やインボイス制度など、書類にまつわる法律や制度はいつ新たなものが制定されるか分からない。利用サービスが最新の法制度に対応していないと、意味をなさなくなってしまう。そのため、クラウドサービスなどで常に最新の制度に対応できるようアップデートが行われるサービスを選択しよう。

また、電子帳簿保存法の改正によって、電子帳票システムの導入について下記記事で紹介しているので参考にしてほしい。

電子帳票システムとは?導入メリットや機能、法改正への対応などを徹底解説!

人的工数削減に強いおすすめ請求書受け取りサービス

ここでは主に請求書業務のほとんどをアウトソースできる、人的工数削減に強いおすすめ請求書受け取りサービスを紹介する。

TOKIUM インボイス(旧:INVOICE POST)
「TOKIUM インボイス」は請求書をオンラインで一元管理できるクラウド請求書受領システムだ。紙やメールなど形式は問わず、請求書は全てTOKIUM インボイスが受領から取りまとめまで代行してくれるため、請求書業務を一貫してアウトソースすることが可能になる。

https://www.keihi.com/invoice/

Bill One
「Bill One」は名刺管理サービスで有名なSansanが提供するサービスだ。PDFやメール添付などさまざまな形式で送られてくる請求書を集約し、オンライン上で管理可能。また、一部会計ソフトと連携可能なほか、リマインド通知など便利な機能が搭載されている。

https://bill-one.com/

会計ソフト連携に強いおすすめ請求書受け取りサービス

こちらでは請求書受け取りサービスの中でも、会計ソフトとの連携に強みがあるサービスにフォーカスし、紹介しよう。

マネーフォワード クラウド債務支払
「マネーフォワード クラウド債務支払」は、請求書データの自動保存から承認フローの電子化、BPOサービス(オプション)による請求書の開封や保管を行えるクラウドサービス。APIによる各システムとの連携が可能であるほか、同社が提供している他シリーズ製品と併せて利用できるお得なプランも用意されている。

https://biz.moneyforward.com/payable/

BtoBプラットフォーム請求書
「BtoBプラットフォーム請求書」は、請求業務全体をデータ化するクラウド請求書サービス。請求書の受取・発行どちらも可能であり、さらに電子帳簿保存法・インボイス制度などにも対応している。

また、数多くの販売管理・会計システムとの連携が可能なので、業務効率やコスト削減に貢献できるだろう。

https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp

まとめ

もし今まで請求書を全て紙で管理していたような場合には、今後の法改正などを踏まえて新たにペーパーレス化を社内で促進してみてはいかがだろうか。

現在の請求書の受け取りから発行までにどの程度工数がかかっているのかを一度把握した上で、業務の大幅削減を実現できる請求書受け取りサービスの導入を検討してみてほしい。