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アルコールチェック義務化で注意するべきポイントとは

2023.01.13
オフィスのミカタ編集部【PR】
TMI総合法律事務所  坂井 知世 弁護士(左) 中山 茂 弁護士(右)
TMI総合法律事務所  坂井 知世 弁護士(左) 中山 茂 弁護士(右)

2022年4月から、一定の条件を満たした白ナンバー車両へもアルコールチェックが義務化されました。それに伴い、多くの担当者、特に安全運転管理者や車両管理責任者の方は、法令遵守をする上で、どこまでどう対応をすれば良いのか本当に頭を悩ませていることと思います。

今回は、法令遵守をする上で欠かせないチェック項目を監修したTMI総合法律事務所のパートナー弁護士・中山先生、アソシエイト弁護士・坂井先生に、素朴な質問なども含めて、分かりやすい言葉で解説してもらいました。

--一言で社有車といっても、レンタカーやリース車両、私有車など色々あるのですが、どの車両を運転する従業員にアルコールチェックを行えば良いのでしょうか。

中山先生:主に社用車が想定されていますが、事業者がその運行を管理している車両であれば、その車両がレンタカーであろうが、リース車両であろうが、それを運転する従業員に対してもアルコールチェックが必要です。

--委託業者や下請け業者に当たる方など、自社社員以外にもアルコールチェックを行う必要はあるのでしょうか。
坂井先生:はい、下請け業者の方が所有する車両でも、その事業者が管理する車両である場合には、その運行についてアルコールチェックが必要になります。

--アルコールチェックは、いつのタイミングで、何回行えばいいのでしょうか。

中山先生:法律上、運転を含む業務前後のアルコールチェックが義務付けられています。運転ごとに毎回チェックする必要はありません。

--直行直帰のときは、どのようにアルコールチェックすれば良いでしょうか?

坂井先生:直行直帰や出張時などの場合は、対面に準じた方法、電話・ビデオ通話といった方法で行う必要があります。要するに、対面と同様の確認ができる方法で酒気帯びの確認をする必要があります。

--他の事業所へヘルプに行って、その事業所が保有する車両を運転した場合などは、どのように行えば良いのでしょうか。

中山先生:ヘルプで行った事業所の安全運転管理者からアルコールチェックを受ければ良いです。その結果を所属元に共有することで、義務付けられているアルコールチェックは行われたことになります。

--安全運転管理者が不在のときは、誰が酒気帯びの有無を確認をしたら良いのでしょうか。

坂井先生:安全運転管理者と緊密に連絡を取ることができる方であれば、安全運転管理者の補助者として、酒気帯び確認をすることも可能です。この点は、外部業者であっても同じように安全運転管理者と緊密に連絡を取ることができる方であれば、代行することが可能と考えられています。

--つまり、リアルタイムで確認をする必要があるということでしょうか。

坂井先生:通達等にそのような記載はありませんが、応答の声の調子を確認する必要があると考えられているようですので、その認識(リアルタイムでの確認が必要だという認識)で受け取っても問題はないと思います。

--アルコールチェックをしたら、何を記録しておけば良いのでしょうか。

中山先生:通達に定められた8項目を記録しなくてはいけません。手書きの場合でも、デジタルで記録する場合でもこの8項目は記録として1年間保持しなくてはいけません。

※参考)通達に定められた8項目
(1) 確認者名
(2) 運転者
(3) 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
(4) 確認の日時
(5) 確認の方法
ア. アルコール検知器の使用の有無
イ. 対面でない場合は具体的方法
(6) 酒気帯びの有無
(7) 指示事項
その他必要な事項

--アルコールチェック検知器の保管にも何か決まりはあるのでしょうか。※1

坂井先生:検知器が正常に作動し、故障がない状態にしておく必要があります。ちゃんと電池が入って、損傷がなく、正常に作動する状態であることを少なくとも週1回確認することが望ましいという見解を示している自治体もあります。

--アルコールチェックの検知器がたくさんあるのですが、どれを使用したら良いのでしょうか。※2

中山先生:アルコール検知器は、酒気帯びの有無を音や色、数値等により確認できるものであれば、特別な性能上の要件は問われていません。ただ、安全運転管理者は、検知器が常に正常に作動し、故障がない状態に保持しておく必要があります。

※1,2:2022年10月に施行予定であった道路交通法施行規則において、アルコール検知器を利用した酒気帯びの有無の確認が義務化となる予定でしたが、2022年9月14日、道路交通法施行規則の改正を延期するという発表が警察庁よりありました。施行時期については「当分の間」延期とされており、アルコール検知器の供給に目処が立ち次第、施行時期が決定される予定です。

※詳細な解説につきましては、以下URLよりダウンロードください
https://lp.smartdrive.co.jp/W053_01.html