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オフィスを移転する際の流れを解説。オフィス規模縮小による移転の注意点も紹介

2023.03.29
オフィスのミカタ編集部

オフィス移転には移転先の選定、家具や備品の購入、レイアウト検討、工事の工程管理など多岐にわたる業務や手続きが発生する。また働き方の変化によりリモートワークの導入が進んだことで、オフィス規模の縮小を検討している企業も多い。本記事では、オフィス移転の全体的な流れと効率的な進め方、そしてオフィス規模縮小にともなう注意点も紹介する。

オフィス移転にかかる期間や金額

オフィス移転を行うためにどのくらいの期間や予算が必要かについて解説する。

オフィス移転にかかる期間は6カ月が目安
オフィス移転は一般的に半年ほどの準備期間が必要だ。会社の規模や状況によって差はあるが、移転のスケジュールを組む際には6カ月後を目安に移転日を設定しそこから逆算して予定を立てると考えやすい。

オフィス移転で発生する費用とは
実際にオフィス移転にかかる費用には下記のようなものがある。
・新オフィスの構築
新オフィス構築のためにかかる費用として、新しいオフィスの不動産取得費用、内装工事費用、設備工事費用がある。設備工事費用には、空調やIT環境、通信環境、防災設備などを整備する費用も含まれる。

・現オフィスの退去費
原状回復のための工事費など、現在使用しているオフィスの退去にかかる費用が発生する。

・引越し費用
パソコンやOA機器、書類など、事業を続けるうえで必要なものを運搬するためにかかる費用。大きな不用品が出る場合は廃棄費用が発生することもある。

・諸費用
オフィス移転にともない役所への書類提出や、名刺や社名入りの備品などの作成費用といった諸費用が生じる。

費用を抑えるためのコツ
オフィス移転費用を抑えるために以下のようなアイディアが考えられる。
・備品の継続利用
オフィス家具やOA機器など引き続き使用できるものは移転後も継続して使用する。使用年数なども考慮し中長期的に見て買い替えるほうがコスト削減になるという場合には買い替えを検討する。

・社員の協力を得る
社員全員に書類や備品の整理を呼びかけ、移転前に不要な書類や備品を整理する。身軽な状態で移転することで引越し費用の削減につながる。

・移転業者の選定は慎重に
に工事等もまとめてサポートしてくれる移転業者の場合、全体的に割安になる可能性が高い。また早期に日程を確約することで割引を行う業者もある。複数の業者に見積もりを依頼し、コストパフォーマンスの高い業者を選ぶ。

・居抜き物件やフリーレント物件を選ぶ
似たような業種の企業が使用していた居抜き物件を選ぶと、内装工事費用が大幅に削減される。また一定期間賃料が無料のフリーレント物件を利用することでオフィス移転の初期費用を抑えることができる。

オフィス移転を進める流れ

オフィス移転を進めるにあたり、実際にどのような業務が必要になるのか全体的な流れを解説する。

1.オフィス移転の目的を明確にする
企業がオフィス移転を検討する理由や背景はさまざまだが、いかなる場合においても移転の目的を明確にし、社員と共有することが重要だ。移転することでどのような効果が期待できるか、どのような未来が実現するかを言語化し社内に浸透させる。オフィス移転の目的は、移転の1年~半年前には明確にしておく。

2.オフィスの要件定義
オフィス移転の目的に加え、新オフィスに求める要件を定義する必要がある。移転にかけられる費用、移転の対象となる社員数、移転の実施時期、移転先の賃料など、会社の目指す未来や収益性などを考慮したうえで慎重に定義する。

3.オフィスの移転業者を選定
オフィス移転をサポートする移転業者は、物件探しから内装、プランニングそして施工業者とのやりとりなどをトータルで請け負うケースも多い。まずは依頼する範囲を決め、移転の1年~1年半前には依頼する業者を選定する。

4.物件探し
オフィス要件で定義した条件をもとに、物件を探す。移転先候補を比較する際には立地条件(最寄駅からの所要時間など)や周辺の施設、物件の設備などに着目する。物件によってはビルディング自体へのアクセスが制限される場合があるため、移転によって業務に支障が出るような条件がないかどうかを確認する。

5.オフィスのコンセプトやレイアウトを決める
移転の目的に沿って新しいオフィスのコンセプトやレイアウトを決めていく。たとえば社員とのコミュニケーションに重点を置く場合はコミュニティスペースを充実させる。逆に個人のパフォーマンスを重視する場合には快適な作業スペースを設置するなど、目的に合わせたオフィスレイアウトを描く。

6.内装業者と打ち合わせ、施工管理
物件が決定したら内装業者と密なコミュニケーションをとり、打ち合わせを重ねてデザインやレイアウトを決定する。内装やレイアウトが希望に沿っているか、コンセプトにあっているか、利便性はあるかを見定める。また備品の収納場所や電源の確保、空調やWiFi環境など実際に業務を行う上で問題がないか確認する。内装が決まったら施工状況の確認管理を随時行う。

7.オフィスに導入する備品の選定・発注
コンセプトやレイアウトに合わせ、新しく購入する備品の選定および発注を行う。

8.引越し業者の選定
引越し業者の選定は慎重に進める。企業が依頼したい作業範囲と業者がカバーするサービス内容がマッチしているかを見極め、予算に見合った業者を選定しよう。廃棄物の引取りを依頼できるなど希望する条件を満たしている業者を選ぶと良い。

9.引っ越しにかかる社内用マニュアルの作成
会社の規模が大きく従業員数が多い場合は引越しのスケジュールや役割分担をマニュアル化して事前に共有しておく。マニュアルはオフィス移転の3ヶ月~2ヶ月前には作成しておくことが望ましい。

10.オフィスの引越し
引越し当日は担当者が立ち合い、業者が効率良く動けるよう指示をする。事前に荷物の梱包や不要物の廃棄を済ませ、万が一に備えてデータのバックアップを取るなどの危機管理を徹底する。

11.オフィス移転に関する届け出の提出
オフィス移転には引越し作業以外に各種届け出の提出という業務がともなう。移転時に役所へ提出すべき書類の詳細については後述する。

旧オフィスの撤退業務も同時進行で行う
旧オフィスの撤退業務は新オフィスへの引越し業務と同時進行する。賃料の二重発生など無駄な費用が発生しないよう移転と撤退を効率的に行う。

以下の記事ではオフィス移転前に把握したいチェックポイントを紹介している。これから移転を考えている企業担当者においてはぜひチェックしてほしい。
オフィス移転前に把握しておきたい31個の項目 [タスク表付き]

テレワークを前提にしてオフィス環境を見直す場合の注意点

働き方の変化によりテレワークが推進されたことで、オフィスの活用状況も変化しオフィス環境を見直す企業も増えている。ここでは社員のリモートワークを前提としてオフィス縮小を行う場合の留意点を解説する。

コロナ禍でオフィスの縮小を検討する企業が増加
コロナ禍においてテレワークやリモートワークの導入が進み、オフィス自体の在り方が見直されたことでオフィスの縮小を検討する企業が増えている。オフィスの縮小によるコスト削減や業務の効率化を目指す一方で、社員のモチベーションを低下させることのないよう細心の注意が必要だ。

まずは出社・在宅勤務双方のニーズを正確に把握する
移転に向けて動き出す前に、まずは出社と在宅勤務双方のニーズを正確に把握することが不可欠だ。オフィス縮小にあたり、実際にどれだけの社員が出社を希望し、どれだけの社員が在宅勤務を希望しているのかを把握するため、丁寧にヒアリングを行う。出社と在宅勤務のニーズは、比較的社内で作業することの多い事務系部署と外出の多い営業系部署でも異なることに注意する。

一年を通した在席率を明確にし、オフィスの広さを決定する
オフィスの広さを決定する際に目安となるのが在席率である。各時間帯や曜日別に在席率を算出し、適切な広さを割り出す。繁忙期や閑散期がある事業の場合は特殊状況の在席率も把握し、一年を通して社員が快適に働くことができる充分な広さを確保する。

費用対効果やワークスタイルのシミュレーションを忘れずに
経費削減や業務効率化を目指してオフィス縮小を計画したはずが、費用も業務も負担になるという事態を避けるためにシミュレーションを入念に行う。オフィス縮小を実行することで現状からどのくらいの経費削減ができるのか、オフィス移転により追加でかかる費用はどのくらいか、費用対効果を分析してからオフィス移転に踏み切る必要がある。

オフィス縮小後に社員が快適に業務を行えるかを事前にシミュレーションし、対象社員が一同にオフィスを利用した場合でも全員が心地よく業務を遂行できるか想定する。

オフィス移転によって発生する各種書類の届け出

オフィス移転にともない役所に各種書類を届け出る必要がある。

法務局:本店を移転する場合は移転登記申請書
税務局:給与支払いやさまざまな書類の届け出が必要
都道府県税事務所:事業開始等申告書を提出
社会保険事務所:移転先が管轄内の場合でも届出が必要
労働基準監督署:最速で10日以内の提出書類があるので迅速な対応で
公共職業安定所:事業主事業所各種変更届
郵便局:郵便物届出変更届

移転は引っ越し作業を終えて完了ではなく、移転に関する各種届け出の提出も必要だ。本店所在地の変更だけでなく、オフィス増設や支店の移転でも届け出が求められるケースもある。また移転先で管轄地が変更になる場合と、そうでない場合で必要になる書類が変わることもあるので地域ごとに確認する。

まとめ

働き方の変化によりオフィスの縮小を検討する企業は増加傾向にある。経費削減や業務効率化などオフィス移転の目的はそれぞれ異なるが、計画的な事前準備と費用対効果のバランスを考慮したうえで、企業にも従業員にもメリットとなるオフィス移転を実現させてほしい。