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社内チャットボットツール比較6選。選ぶ際のポイントを解説

2023.03.02
オフィスのミカタ編集部

社内チャットボットとは、社内の問い合わせに対応する自動会話プログラムのこと。チャットボットの導入には、バックオフィス部門への問い合わせ数の削減や、社内の各所にあるFAQやマニュアルの一元化など、業務効率を高める効果がある。今回は、オススメの社内チャットボットツールを比較するとともに、導入のメリットや選ぶ際のポイントを紹介する。

目次

●社内チャットボットとは
●【ツール比較】社内チャットボット6選
●社内にチャットボットを導入するメリット
●社内チャットボットを選ぶ際のポイント
●まとめ

社内チャットボットとは

社内向けチャットボットとは、社内の問い合わせに自動で回答する会話プログラムのことである。企業では、総務や人事のようなバックオフィス業務をメインとする部署には、従業員からさまざまな問合せがある。同じことを何度も聞かれる担当者の負担は大きいが、社内チャットボットを導入することで、よくある質問はチャットボットで対応できるようになる。

社内チャットボットの特徴
社内チャットボットは、社外向けチャットボットとは異なる特徴がある。社外向けチャットボットは、顧客の満足度向上を目的に利用されるのに対し、社内チャットボットは従業員の問い合わせに対応するツールとして利用される。社内のバックオフィスへの問い合わせ数を減らす、部門毎に管理していたマニュアル等を一元管理する、目的の資料を素早く検索できるようにするなど、業務効率を高める効果を期待して設置するのが社内チャットボットだ。

社内チャットボットの利用例
社内チャットボットは、業務のさまざまシーンで活用できる。具体的な利用例を見てみよう。

例1:問い合わせ対応の自動化
経理や総務などの担当者に度々寄せられる、同じような質問に対して、社内チャットボットが自動で回答する。経理や総務の担当者は何度も回答する時間を削減できて、質問者も待つことなく回答に辿り着ける。チャットボットが自動で回答する仕組みによって、マニュアルや社内FAQに記載があっても探しにくいという課題も解決できる。

例2:営業時間外の対応
担当者の時間外の問合せにも、社内チャットボットが対応可能だ。質問者が海外にいる場合や、小売業のように本社と店舗で営業時間が異なる場合でも、社内チャットボットであれば時間を気にすることなくいつでも質問ができる。

例3:社内情報の活用促進
業務マニュアルや過去のプロジェクト資料など、社内にある情報の共有手段にも、社内チャットボットを利用できる。情報の検索効率が上がれば、社内情報の利用が促進される。

【ツール比較】社内チャットボット6選

社内向けチャットボットを紹介する。さまざまなタイプがあるので、自社に合うものを選んでほしい。

QuickQA for 総務・人事|株式会社エーアイスクエア
AI自動応答サービス「QuickQA」の、人事・総務関連のQ&Aに特化したAIチャットボットである。自社開発の「QA対応」「要約」「分類」「キーワード抽出」技術を活用した、AI搭載型の自動応答システムを提供している。複数企業の導入実績をもとに作り上げた「Q&A標準テンプレート」を用いることで、初期データ準備の負荷軽減と、早期の立ち上げを可能にしている。初期費用は100万円、月額使用料は30万円/月〜となっている。

QuickQA 人事総務

CB4|NDIソリューションズ株式会社
人事総務に特化したAIチャットボット。IBM Watsonを活用しており、話し言葉による質問の意図を判別して、チャット形式で1問1答式の回答を行う。NDKグループ社内で実績のある人事・総務業務の学習済みデータ・テンプレートを搭載しており、回答文を導入企業の社内規定に合わせて作成するため、導入までのスピードが早い。月額5万円~(ユーザー数フリー)で利用でき、初期導入費用は環境構築と半日×3回程度の操作指導を含めて25万円で提供している。

CB4


サポートチャットボット|株式会社ユーザーローカル
提示される選択肢をクリックして回答を選ぶ「クリック型」と、自由にフリーワードを入力する「フリーワード検索型」のどちらも利用でき、独自開発のAIで平均95%という高い回答率を実現している。各種SNSや社内チャットツールなど、外部のシステムともAPIで連携。例えば在庫管理ツールと連携すれば、チャットボットを利用して、在庫状況を確認することもできる。有人チャット機能とも連携でき、チャットボットで解決できない場合は、オペレーター対応への切り替えも可能だ。回答にPDFなどのファイル貼付が可能で、ファイルの内容もフリーワード検索の対象にできる。価格は初期費用と月額費用のみで、従量課金はない。詳しくはサイトから問い合わせてみてほしい。

サポートチャットボット

HiTTO|HiTTO株式会社
社内DXに特化したAIチャットボット。キャラクターの設定機能があり、従業員が愛着を持って利用できる。共通AIが1,000件以上の回答と紐づく「質問パターン」を学習済みで、初期構築は質問や類義語の作成が不要のため作業工数を最小限に抑えられる。共通AIの回答の種類は自動で拡張されるため、導入後のチューニングも不要だ。料金などの詳しい情報は、問い合わせにて確認できる。

HiTTO

HRBrain AIチャットボット|株式会社HRBrain
社内に特化したチャットボット。一般的な質問と回答内容のテンプレートを完備して、初期設定の効率化を実現している。個々の企業特有の質問等も直感的な操作で追加することが可能で、導入後のメンテナンス工数を軽減。事前に設定を行うことで、表記ゆれにも対応できる。有人対応した問い合わせ内容をデータベースに蓄積できる独自機能で、データベースを常に最新の状態に保つことが可能。これにより、その後に発生する同様の質問への回答を自動化できる。ビジネスチャットツールと連携できるため、スムーズな定着を促せる。

HRBrain AIチャットボット


PEP|株式会社ギブリー
社内のポータルサイトやFAQサイトなどに設置することができる。プログラミング不要で、ドラッグ&ドロップで直感的にAIチャットボットを作成可能だ。ユーザー辞書機能を備えており、専門用語が混じった問い合わせにも対応してくれる。有人オペレーターへの切替と、自社で利用中の専門機関との連携も可能だ。利用には月額費用の他に初期費用が必要で、オプションとして、API接続テクニカルサポートやオリジナルシナリオ作成代行などのプランもある。

PEP(ペップ)

社内にチャットボットを導入するメリット

社内の問合せにチャットボットを導入することは、従業員にも企業全体にもメリットがある。具体的には、次のような効果が期待できる。

回答時間を削減してコア業務の生産性を上げる
チャットボット導入は、これまでやり取りにかかっていた労力や時間といったコスト削減に繋がる。問い合せの受付から回答までを自動化することで、担当者はコア業務や有人対応に集中できるようになるだろう。問い合わせする側にとっても、回答の順番待ちや返答までのタイムロスがなくなることで、業務がスムーズになり生産性向上に繋がる。

一元管理によって社内にナレッジが蓄積する
チャットボットのデータベース内に、部門ごとに管理していたマニュアル等を集約すれば、情報を一元管理できるようになる。チャットボットにナレッジが蓄積されるため、同じ内容の資料を各部門で作成することや、既存の資料が見付からずに新たに作成することがなくなる。ノウハウや知識が偏る属人化も解消でき、業務を標準化することにも役立つだろう。担当者が異動しても、引継ぎがスムーズになるというメリットも得られる。

社内チャットボットを選ぶ際のポイント

チャットボットの種類は多く、どのツールを選ぶべきか迷っている担当者もいるだろう。チャットボットを選ぶ際は、以下の4つのポイントをおさえることが大切だ。

使いたい機能が備わっているか
チャットボットには社内向けのツール以外にも、カスタマーサポートなどに特化した社外向けのツールもある。ツールによってできることや得意分野が異なるため、自社で使いたい機能が備わっているかはよく確認したい。そのためには、チャットボットの導入目的を明確にする必要がある。従業員はどのような情報を探しているのか、チャットボット導入で解決したい課題は何かなどによって、欲しい機能は違ってくる。自社と似ている企業での導入事例があるかどうかも、一つの目安になるだろう。

AIの有無と性能
チャットボットは大きく分けて、「シナリオ型(AI非搭載)」と「AI型(機械学習)」がある。シナリオ型のチャットボットは、事前に作成したシナリオ(一定の選択肢)を使う方式で、AI型よりも低コストで導入できる。一方のAI型のチャットボットをオススメするのは、質問と回答の組み合わせが多くて登録に工数がかかる場合や、シナリオの分岐が複雑で適切な回答にたどり着くのが難しい場合などだ。ただし、AIの性能は学習量に左右されるため、チャットボットの活用場面が少なければオーバースペックになるだろう。AIの有無は運用コストに大きな影響を及ぼすため、慎重に検討してほしい。

価格
チャットボットの価格帯は幅広く、機能やユーザー数などによって異なる。基本的に初期費用と月額費用がかかることが多いが、外部ツールとの連携やメンテナンスなど、追加費用がかかる場合もある。基本料金に含まれる範囲やサポート費用など、価格の内訳について細かな確認が必要だ。

外部ツールとの連携
社内業務の円滑化には、自社で利用しているツールとチャットボットが連携できるかどうかも重要だ。例えば、顧客データベースやコミュニケーションツールなど、業務に関わるツールとチャットボットが連携できれば、生産性向上が期待できる。


チャットボットの導入には、事前のデータ登録や、質問と回答の分岐設定など、初期設定が必要だ。また、回答精度を向上させるために、チューニングやシナリオの見直しなど、導入後も定期的なメンテナンスが欠かせない。管理のしやすさや、導入後のフォロー体制なども確認するとよいだろう。

まとめ

社内チャットボットは、従業員がいつでも気軽に質問できるツールとして有用だ。問い合わせ対応の工数が削減されることで、従業員の満足度と、会社全体の生産性向上を期待できる。自社のニーズに合うチャットボットを選び、導入してはいかがだろうか。