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振込代行サービスとは?振込業務を外注するメリットや選び方を解説

2023.06.30
オフィスのミカタ編集部

振込代行サービスは、経理業務の振込に特化したアウトソーシングサービスである。手続きの煩雑さや振込手数料の多さなど、振込業務に課題を持つ担当者も多いだろう。本稿では、振込代行サービスを利用するメリットとデメリット、比較検討する際のポイントなどを紹介する。振込代行サービスの導入を迷っている担当者は、参考にしてほしい。

振込代行サービスとは?

振込代行サービスとは、企業に代わって振込業務を代行する、経理業務のアウトソーシングサービスである。毎月の振込について、金融機関で取引先ごとに手続きを行うのではなく、サービス事業者に代金をまとめて一括で支払う仕組みだ。振込代行サービスの事業者は、依頼企業の振込内容をまとめて、金融機関へ支払う仕組みになっている。

振込代行サービスのメリット

振込代行サービスの導入には、さまざまなメリットがある。ここでは主なメリット3つを解説する。

振込業務の効率化
手間のかかる振込業務を外注することによって、経理部門の業務負荷を軽減する。振込作業を自社で行う場合は、振込先や金融機関の数が多いほど手続きが煩雑だ。振込代行サービス手間のかかる振込業務を外注することによって、経理部門の業務負荷を軽減する。振込作業を自社で行う場合は、振込先や金融機関の数が多いほど手続きが煩雑だ。振込代行サービスを利用することで、大量の振込があっても、支払いはサービス事業者への1回だけで済むようになる。特に、振込業務のボリュームが大きく経理担当のコア業務が圧迫されている企業には、大きなメリットだろう。

振込手数料のコストダウン
振込代行サービスでは、サービス提供事業者に振込代金をまとめて払うため、個々の金融機関に払う振込手数料は発生しない。自社の口座がある金融機関以外への振込は、手数料が高いのが一般的だ。そのため、多くの振込業務が発生する企業では手数料も高額になる。振込代行サービスの利用で、手数料にかかるコストを削減できるだろう。

経理担当者の多様な働き方を促進
経理部門は、請求書の処理や支払い業務などが多いため、出社が必要とされるのが一般的だった。振込代行サービスの利用によって、振込先の情報登録から振込の実施までを、オンラインで完結できるようになる。振込を外部から行うことが可能なため、経理業務のテレワークを促進できる。

振込代行サービスを比較検討する際のポイント

振込サービスを比較検討する際に、気を付けてほしいポイントが3つあるので、解説する。

振込手数料など諸費用との費用対効果が高いか
まず、金融機関への手数料と振込代行サービスの利用料を比較して、振込代行サービスの費用対効果が高いのか確認することが重要だ。振り込む相手が自社と同じ金融機関を指定しているのであれば、振込手数料は意外とかかっていないこともあり得る。そういった場合は、手数料のコストダウン効果は見込めない。

法人以外への振込も可能か
取引先や業務委託先だけでなく、個人への振込が多い企業は、法人以外への振込に対応しているサービスかどうかも検討材料になる。例えば、従業員への給与支払いで、同一銀行同支店の従業員が少ないケースは、振込手数料コストが課題だ。内定者への交通費、キャンペーンのキャッシュバック、モニターやアンケートの謝礼など、対象者一人ひとりの銀行口座に振り込むのは手間のかかる作業だ。個人への振込が多い企業は、法人以外への振込にも対応しているサービスを検討するとよいだろう。

信託保全に対応しているか
万が一サービス提供事業者が倒産した場合に、自社が預けていた資金が保全されるのが「信託保全」である。サービス提供事業者と金融機関との信託契約によって、利用者の振込資金は、サービス事業者の資産とは別の信託財産として保全される。振込代行サービスは、振込のための資金をサービス事業者に支払う形だが、信託保全があれば、サービス提供事業者が破綻しても自社の資金が失われる心配はない。

振込代行サービス比較10選

ここでは、おすすめの振込代行サービス10社を紹介する。

信託保全あり、当日振込・給与振込にも対応|(株式会社クレディセゾン)
セゾンスマート振込サービスは、信託口座によって資金が保全され、アクセスするPCをIPアドレスで管理できる、安心・安全に強みがあるサービスだ。提携先企業のサービスを利用して、当日振込と給与振込も対応可能。振込エラーが発生しても、当日13時半までにデータを修正すれば、無料で再振込ができる。会計ソフトなどから出力した全銀行ファイルを、そのまま利用できる。利用開始手続きがWEBのみで完結するため、申し込みから最短2営業日で導入が可能。
【料金】
総合振込:286円/件
給与振込:132円/件
※初期費用・月額使用料無料

関連記事:振込手数料を約50%削減! 経理の業務効率化に『セゾンスマート振込サービス』が効く理由
資料DL:セゾンスマート振込サービス(株式会社クレディセゾン)

銀行と同水準のセキュリティで20年間無事故|Web-Furi.Com
Web-Furi.Com(ウェブフリコム)は、銀行と同程度のセキュリティ対策で、約20年間無事故でサービスを提供している。当日の11:30までに受付した振込は、当日中に振込が可能で、給与・賞与の振込にも対応している。料金は振込手数料のみで、銀行コード検索や組戻しなどの手数料は無料だ。自社で利用中のアプリケーションや金融機関の振込用ソフトで作成した振込データを、そのまま流用できる。1社で複数の口座を持つことが可能。
【料金】
総合:440円/件
給与・賞与:262円/件
※初期費用・月額基本料金・銀行コード検索料・組戻し手数料無料

公式HP:Web-Furi.Com(株式会社フォーライフシステム)

データアップロード用のツールを提供|Flico
Flicoは、振込データの作成は、自社でシステムに入力、または全銀協の規定フォーマット形式(固定長)のアップロードが可能なので、担当者がやりやすい方で作成できる。契約後にサポートデスクに申し出ることで、Excelでアップロード用の振込データを作成するツールが提供される。取引明細に「キュウヨ」「ショウヨ」と表示される形式の振込はできないが、一般振込での給与支払いには対応している。振込不能が発生した場合は、既定の条件をクリアすることで、当日の再振込依頼が可能。
【料金】
260円/件
※契約手数料・月額基本料無料

公式HP:Flico(オリックス株式会社)

請求書の振込情報登録も依頼できる|楽たす振込
楽たす振込は、企業が受領した請求書を基に振込情報登録を代行する、「請求書丸投げプラン」をオプションで利用できる。給与・賞与の振込にも対応可能。振込資金は信託で管理される。振込情報の登録はExcelのテンプレートを使用して行い、CSVファイル取り込みのほか、会計・給与システム等で作成した全銀ファイルの取り込み、画面での直接入力も可能。振込エラーが発生した場合は、当日の修正で再振込を依頼できる。電話のほか、チャットによるサポートあり。
【料金】
285円/件(給与振込の場合は153円/件)
※初期費用・月額基本料・組戻手数料無料

公式HP:楽たす振込(株式会社ミロク情報サービス)

振込手数料は業界最安値の一律190円|Fricomy@
Fricomy@(フリコミーア)は、振込手数料が一律190円で、業界最安値(2021年10月1日現在)の振込代行サービスだ。オートオークションを主催するUSSのグループ企業が提供しており、USSの会員以外も利用できる。WEBの専用ページにて、個別の振込先について事前登録を行う。銀行に登録済みの振込先データ(CSVファイル)で一括して登録するほか、全銀フォーマットの振込データを一度に200件まで取り込むことが可能。振込データは15営業日先まで作成できる。
【料金】
190円/件、USS会員のオークション代金決済振込は170円/件
※初期費用・月額費用無料

公式HP:Fricomy@(株式会社USSサポートサービス)

口座チェック機能で組み戻しを防ぎコストを削減|ウェルネット送金サービス
ウェルネット送金サービスは、「口座チェック機能」があり、指定された銀行口座へ振込処理を行う前に、エンドユーザーが入力した口座情報のチェックを行う仕組みだ。チェック後に振込を実施することで、組み戻しを防いでいる。銀行口座への振込に加え、セブン銀行ATM、ローソン店舗での現金受取、Amazonギフトカードでの受取、支払秘書アカウントへの入金などさまざまな送金手段がある。申込みからサービス開始までは1カ月〜2カ月半要するため、計画的な申込みが必要だ。
【料金】要問い合わせ

公式HP:ウェルネット送金サービス(ウェルネット株式会社)

法人は毎月4件、無料で振込が可能|らくらく送金
らくらく送金は、クレジットカード決済代行の「GMOイプシロン株式会社」が提供している送金サービス。振込手数料は一律250円/件で、法人は毎月4件(個人EC事業者は毎月2件)まで無料だ。加盟店に割り当てられる送金専用口座「ウォレット」の保有上限は500万円で、決済の売上の一部を送金資金として自動でチャージできる。振込予約は、振込データ作成日の60日後まで可能。1回あたりの振込金額の上限は、1件あたり100万円となっている。振込データは直接入力・CSVから一括読込、履歴から読込のいずれかで作成。資金は預けた時点で同額以上を別途、同社のキャッシュから法務局へ供託される。
【料金】
250円/件(毎月4件まで無料)、月額最低手数料1,000円
※初期費用・月額費用無料

公式HP:らくらく送金(GMOイプシロン株式会社)

相手の携帯電話番号と氏名のみで支払い可能|SBペイメントサービス
SBペイメントサービスは、ソフトバンクグループの決済代行サービスで、個人・法人への支払い代行を実施している。受け取る相手の携帯電話番号・受取人氏名(カナ)のみで支払いができるため、顧客情報の管理が簡単だ。金融機関への口座振込のほかに、通信各社が提供するプリペイドカードや口座にチャージする方法もある。顧客情報の連携方法は、指定CSVフォーマットのアップロード、API方式による送受信、指示ファイルを利用する方法の3種類があり、自社に合うものを採用できる。支払い実行前に指定の口座に入金が必要だが、企業のビジネスモデルによっては後払いもできる。
【料金】要問い合わせ

公式HP:SBペイメントサービス(SBペイメントサービス株式会社)

セブン銀行システムとのシステム間連携で振込を実施|リアルタイム振込サービス
リアルタイム振込サービスは、株式会社セブン銀行を所属銀行として振込代行を実施している。振込元口座(振込資金出金口座)をセブン銀行口座として、APIで企業の既存サービスとシステム間連携によって、振込を実施する。定期メンテナンスがないため24時間365日振込が可能で、振込先がセブン銀行口座以外でも対応できる。申込みからシステム間連携完了まで、最短4カ月の期間を要するため、導入は計画的に進めたい。
【料金】要問い合わせ

公式HP:リアルタイム振込サービス(株式会社セブン・ペイメントサービス)

立替払いのため事前の資金負担なし|ペイジェント支払い代行サービス
ペイジェント支払い代行サービスは、株式会社ペイジェントが立替払いで支払いを代行するため、事前に資金を準備する負担がない。銀行システムとAPI連携して、振込前にシステムで口座確認を実行。口座確認ができた場合のみに出金指示を走らせることで、口座情報の誤りによる組戻しを削減する。振込失敗の場合の振込手数料はかからず、トランザクション費用(10円/件)のみ支払う仕組みとなっている。全銀ネット接続先の金融機関への振込は、24時間365日、リアルタイムでの着金が可能。口座の件数に上限はない。
【料金】要問い合わせ

公式HP:ペイジェント支払い代行サービス(株式会社ペイジェント)

振込代行サービスのデメリットは?利用時の注意点

振込代行サービスには、次のようなデメリットもある。担当者は以下の3点にも注意しながら、導入を検討してほしい。

サービスの利用料がかかる
振込代行サービスの導入によって、初期導入費用や月額基本料などのコストが発生する。サービス事業者によって振込手数料は異なり、組戻手数料や返金手数料などが発生する場合もあるので、導入を検討する際は内容をよく確かめてほしい。

着金まで時間がかかる
振り込み代行サービスによる支払いは、金融機関を利用する場合に比べて、支払先に着金するまで時間がかかる。具体的には、相手方への着金が翌営業日になることが多い。タイムラグを見越した振込を行う、当日振込に対応しているサービスを選定するなどの対策が必要となる。

操作を覚える手間が発生する
振込代行サービスの導入によって、担当者は振込のための新しい業務フローと、システムの操作を覚える必要がある。振込代行サービスの使い方や画面デザインなどは、サービスを提供する事業者によって異なる。担当者の業務経験やITスキルによっては、社内研修で勉強会などを行う必要があるだろう。サービスを比較検討する際は、使い勝手などを、事前によく確認しておこう。

振込代行サービスで振込手数料削減と業務効率化を実現しよう

振込代行サービスは、法人への振込だけでなく従業員の給与支払いに利用することもできる。振込業務の負担を軽減して経理担当がコア業務に集中できるようになれば、企業の生産性向上にもつながるため、活用を検討するとよいだろう。振込代行サービスを比較検討する際のポイントや、メリットやデメリットを理解して、自社に合う振込代行サービスを選んでほしい。