働き方改革への取り組み事例「子連れ出社DAY」。創業134年の企業が目指す「働きやすい環境づくり」
創業から134年、美と健康を追求しつづけてきた桃谷順天館グループ(本社:大阪市中央区)は、G20の影響により学校や幼稚園がお休みになった子どもと共に出社することを許可する「子連れ出社DAY」を6月27日に設け、社員が活用した。
社員がより働きやすい職場環境を整え、日々変化する社会情勢に柔軟に対応した働き方を提案している同社の事例を紹介する。
■6月27日(G20開催日)子連れ出社DAY実施
実際活用した社員からは、
「子供を家に残すこともなく会社を休むこともなく大変助かった。打合せで自身が席を外す時には別の社員が子供を見てくれる等、お互い助け合いながら安心して働くことができた。」
「追加の効果として、子供に働く姿を見せることができ、仕事への理解が得られたのではと感じる。」という声が挙がった。
■フレックスタイム制度を導入
以前より一部で取り入れていたフレックスタイム制度を、4月から全社的に導入致した。
コアタイム以外の勤務時間を自身で調整し、「働き方」を自分で柔軟に選択することができる。既に多くの社員が「自分の働き方」を実践しているようだ。
■時間単位年次有給休暇取得制度を導入
時間単位での年次有給休暇取得を全社員で可能にした。
1時間単位で取得可能なため、よりフレキシブルな働き方を実現している。
■テレワーク実現へ向けて準備
時間だけでなく、働く場所もフレキシブルに選べるよう、7月よりテレワーク実現に向けて希望者にテスト実施予定だ。
問題点を洗い出し、改善した後、全社的に取り入れる考えのようだ。
■時短勤務者の給与控除撤廃 ~「時間」ではなく「成果」で評価~
時短勤務者はフルタイムで働いた場合の給与から短縮分が控除されていた。「働く時間」で計算する給与体系になっていたが、「成果」で判断する考え方へ変化させた。
時短勤務者は時間が限られているからこそ、効率的に働き、高い業績を上げていることから、この様な制度の導入に繋がった。
■経営者や社員全員の意識統一
株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長の小室淑恵氏が講演会を実施。現状の日本の課題解決に働き方改革がいかに重要であるか、企業にとってどの様な影響・効果があるのかについての講演会だ。
経営層から一般社員まで、全員が同じ意識を持つことが働き方改革を成功に導く重要なポイントであると考えて実施したようだ。
■制度を利用しやすい雰囲気をつくる
同社では、経営者が働き方改革の重要性を社員に向けて強く発信しているそうだ。従来の「長時間労働が美徳」とされてきた世代の社員の意識改革にも繋がり、様々な制度をスタートする際に重要な「制度を利用しやすい雰囲気」が早い段階で社内に根付いた。
利用しやすい環境に後押しされ、多くの社員が様々な制度を活用しているようだ。
■働き方に合わせたIT環境を整える
「働く場所を自由に選ぶ」ことを可能にするため、IT環境も整備した。
自席ではなくカフェスペースを活用したり、現在テスト中のテレワーク等も可能になった。
■まとめ
桃谷順天館グループは、働きやすい環境づくりとして「子連れ出社DAY」など、さまざまな制度を導入しているようだ。
働き方改革が求められている中、会社に残っている今の時代に合わない古いルールなどを改善し、新しいルールを提案し、働きやすい環境を作っていくことが重要であるといえるだろう。