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転職理由、人事評価制度と給与への不満が大半を占める。転職を考えるきっかけや時期についての調査

2019.07.10

 株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区)は、全国の中小企業に勤める管理職と、転職意向のある一般社員を対象に、転職に関するインターネット調査を実施した。

 その結果、転職意向者の8割以上が現在の会社の「人事評価制度」に不満を感じていることがわかった。

 さらに、転職先を選ぶ際に重視していることは「給与」が最も多く、現在の会社から引き止めにあった場合、踏みとどまる可能性のある条件は「給与の増額」が最も有力であった。

 給与アップや昇進に繋がる人事評価制度を構築し、社員の納得感を醸成できる環境を整えておくことが、新たな離職の防止において重要であると言えそうだ。

■調査方法

調査の方法や対象者は以下の通り。

1.インターネット調査

2.全国の従業員5人以上300人未満の企業に勤める、現在転職を考えており面接や面談・情報収集など具体的な活動をしている管理職(部長・課長クラス)、および一般社員、20歳~59歳の男女

3.有効回答数:300人(管理職:150人、一般社員:150 人)

4.調査実施日:2019年6月27日(木)~2019年7月1日(月)

■転職意向「有り」は4割超

■転職意向「有り」は4割超

 まず、調査対象者への事前質問として、転職意向の調査を行っている。

その結果、

・「転職を考えており、面談や面接をしている」4.3%
・「転職を考えているが、面談や面接はしていなく、情報収集をしている」10.6%
・「転職を考えているが、まだ動き出していない」25.3%

を合わせ、転職意向のある人の割合は40.2%に上ることが明らかになった。

 以降の調査は、この中で「転職を考えており、面談や面接をしている」または「転職を考えているが、面談や面接はしていなく、情報収集をしている」と回答した14.9%の人に対して実施している。

■会社に転職意向は「まだ伝えていない」が7割超

■会社に転職意向は「まだ伝えていない」が7割超

 会社に既に転職意向を伝えたかという質問に対して「はい」と回答したのは23.3%。

 今回の調査では転職を考えて具体的に活動をしているが、まだ会社に転職意向を伝えていない人が7割以上となった。

■転職意向を伝えようと考えている時期は、過半数が退職予定日の3ヶ月以内

■転職意向を伝えようと考えている時期は、過半数が退職予定日の3ヶ月以内

 まだ会社に転職意向を伝えていない人を対象に、今後どのタイミングで転職意向を伝えようと思うか質問したところ、「退職予定日の1か月~2か月以内」が47.4%、次いで「退職予定日の2か月~3か月以内」が21.7%となった。

 退職者から後任者へ業務の引継ぎは完了できそうだが、企業が採用を行い人員補充する必要がある場合には、充分な期間とは言えないだろう。

■転職希望時期は「年度内」が過半数

■転職希望時期は「年度内」が過半数

 転職を希望する時期に関する質問では、「2019年7月中」から「2020年3月中」までと2019年度内の期間を回答した人が過半を占めた。

 その時期に転職したい理由としては、会社の期変わりや年度末を機に転職しやすいという考えや、今年中に転職を決めて来年は新たな環境で頑張りたいという思いがあるようだ。

■現在の会社に対する不満

■現在の会社に対する不満

 現在勤務している会社に対する満足度の質問では、
【人事評価制度】【給与】【自身が成長できる環境かどうか】【労働時間(残業の多さ)】の4項目に対し、「とても不満」「やや不満」「やや満足」「とても満足」のいずれかで回答する。

 その結果、「とても不満」「やや不満」を合わせた「不満」の回答割合は、4項目すべてで過半数となっている。

 特に、【人事評価制度】に対しては81.7%と最も多くの層が不満を持っていることが明らかになった。

■人事評価制度に関する不満の内容

■人事評価制度に関する不満の内容

「とても不満」、「やや不満」と回答した人が最も多かった【人事評価制度】の具体的な不満の内容は、

1位「好き嫌い評価である」47.3%
2位「評価の基準が不透明」41.6%
3位「行動を評価してくれない」38.4%
4位「頑張りと連動していない」37.6%

となった。

■転職を考えるきっかけ

転職を考えたきっかけとなったエピソードを問う項目では、残業が多いこと、休みがとれないことなどが多く挙がっている。

 忙しくハードな環境であるにも関わらず、評価や報酬が連動していないことが、転職を考えるきっかけとなりやすいようだ。

■転職先を選ぶ際に最も重視するのは「給与」

■転職先を選ぶ際に最も重視するのは「給与」

 転職先の企業選びにおいて重視していることに関する質問では、「とても重視している」、「やや重視している」をあわせた回答の上位は以下となった。

【給与】90.6%
【労働時間(残業の多さ)】84.0%
【自身が成長できる環境かどうか】82.3%
【人事評価制度】78.0%

 特に転職理由の回答で一番多かった人事評価制度は、給与と直結する部分であり、転職意向のある人はここを注視しておくことが、入社後のミスマッチを防ぐことに繋がりそうだ。

■現職企業に踏みとどまる可能性が最も高い条件は「給与の増額」

■現職企業に踏みとどまる可能性が最も高い条件は「給与の増額」

 仮に現職の企業から引き止めにあった際、どのような条件なら踏みとどまるかという質問では、「給与の増額」に対して「踏みとどまると思う」「ややそう思う」という回答が過半数となり、一番高い結果であった。

 一方で、半数近くの人がどのような条件を提示しても踏みとどまらない意思を示しており、既に転職意思の高い人を引き止めることは難しいかもしれない。

 それでも、給与の増額や昇進に繋がる人事評価制度を構築し、社員の納得感を醸成できる環境を整えておくことが、新たな離職の防止に繋がると言えそうだ。

■まとめ

 今回の、転職に関するインターネット調査の結果からは、転職意向者の多くが現在の会社の「人事評価制度」や「給与」に不満を感じていることがわかった。

 企業側としては、貴重な人材の流出を防ぐためにも、給与アップや昇進に繋がる人事評価制度を構築し、社員の納得感を醸成できる環境を整えておくことが重要であると言えそうだ。

 

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