働き方改革に取り組んでいる企業、前回の調査より22.9%増。今後の注目となる施策はテレワークや副業
2019年4月1日に「働き方改革関連法」が施行され、一部の分野では2020年4月から中小企業が新たに適用対象となるなど、その範囲は順次拡大される予定となっている。
そこで、帝国データバンク(本社:東京都港区)は働き方改革に対する企業の取り組み状況や見解について調査を実施。
前回の調査と比べ、働き方改革に取り組む企業は増加しており、多くの企業で積極的な姿勢であることが明らかになった。
■働き方改革への取り組み状況
働き方改革への取り組み状況を問いたところ、「取り組んでいる」企業は60.4%となり、前回調査(2018年8月)から22.9ポイント増となった。
また、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定」(16.3%)を合わせると76.7%が取り組みに積極的であることがわかった。他方、「以前取り組んでいたが、現在は取り組んでいない」は2.0%、「取り組む予定はない」は8.9%という結果となった。
■どのようなことを取り組んでいるか
どのようなことを取り組んでいるのかを問いたところ、「休日取得の推進」が77.2%でトップとなり、「長時間労働の是正」が71.0%と続いた。これ以降の結果を見ると、「人材育成」が49.6%、「健康管理の充実」が45.9%、「職場風土づくり・意識の改善、コミュニケーションの活性化」が44.7%、「業務の合理化や効率化のためのIT・機器・システムの導入」43.6%となった。
■今後どのような取り組みをしたいか
今後どのような取り組みをしたいかを問うと、「サテライトオフィスやテレワークの導入」が23.6%と最も高く、次いで「副業の許可」22.5%となった。
いずれも現在における取り組みでは1割を下回っていたが、今後の導入を検討している様子がうかがえる。
■最も重視する目的は
取り組みを行う上で、最も重視する目的は何かを問いたところ、「従業員のモチベーション向上」が32.4%でトップとなり、次いで、「人材の定着」20.2%、「生産性向上」13.5%となった。また、「従業員の心身の健康」11.4%という回答も見られ、従業員への影響を重要視している傾向がみられる。
■なぜ働き方改革を取り組んでいない?
働き方改革に対して、取り組んでいない理由を問いたところ、「必要性を感じない」が34.2%と最も高い回答となった。
以下、「効果を期待できない」が25.4%、「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」が22.4%と続く結果となった。
■まとめ
調査結果から、現在働き方改革に取り組んでいる企業は、関連法施行以降、増加していることが明らかになった。
また、「サテライトオフィスやテレワークの導入」「副業の許可」といった取り組みを目指す企業も多く、多様で柔軟な働き方の実現や人手不足の解消、生産性向上に対する取り組みが今後も普及してくことが期待できそうだ。