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中小企業における労務帳票等の整備状況について

2022.12.05

株式会社エフアンドエムが運営する中小企業総合研究所は、年次有給休暇管理簿の対応や労働者名簿の更新などの労務整備状況について、同社が運営するエフアンドエムクラブ(※1)の会員企業に向けてアンケート調査を実施した。
(※1)中小企業の労働生産性向上を支援する公的制度・人事・労務・財務・IT活用のサブスクサービス

背景と概要

2019年4月1日(中小企業においては2020年4月1日)から順次施行となった「働き方改革関連法」による中小企業への影響は大きく、多くの企業が対応に追われた。そこで、年次有給休暇管理簿の対応や労働者名簿の更新などの労務整備状況について、エフアンドエムクラブの会員企業に向けてアンケート調査を実施した。

雇用契約書を始めとする労務帳票等の対応状況

直近の法改正である令和4年10月の育児介護休業法の改正の対応に関する設問を除き、約70%以上の企業が対応できていると回答した。中小企業の多くは総務を専門で行う部門を持たず経営者が兼任していることが多いが、そんな中でも大多数の企業が対応できていると回答していることは現在の中小企業における労務整備に対する意識の高さが伺える。ただその一方で令和4年10月に施行となる育児介護休業法に向けた就業規則の変更に対応している企業は26.3%となっている。

従業員規模別に見る対応の差

基本的には従業員数が多くなればなるほど、対応済みの割合が高い。一方で従業員が10名未満の企業群は他と比較して数値が極端に低くなっているが、それでも全設問の対応率を平均した数値では50%を超えており、小規模事業者は労務整備ができていないという状況は変わってきていると感じる。

また従業員数が300人以上の企業群では「②雇用契約書は正規・非正規を問わず全従業員と交わしている」や「⑤雇用契約書と賃金台帳、就業規則に記載されている手当はそれぞれ同じである」といった従業員個々に対する対応の回答の対応率が低く、従業員数が多くなることで管理が難しくなっている可能性があると考えられる。

まとめ

今回の結果から見てもわかる通り、中小・零細企業においても多くの企業が労務整備を進めていることがわかる。2022年10月の社会保険適用拡大だけでなく、今後も2023年4月1日からは中小企業においても月60時間を超える時間外労働の割増率が25%から50%に引き上げられることや、運送、建設業等における2024年問題もあり労務に関する意識は更に高まっていくだろう。自社のためそして働く従業員のためにも適切な整備と管理を心がけていくことが大切だ。